58歳で退職し、妻の扶養には入らず半年ほど休むつもりです。「少しくらい空白期間があっても問題ない」という友人もいますが、本当に気にしなくてよいのでしょうか?
58歳で会社を辞めると、厚生年金の資格は退職日の翌日に喪失する
会社員として厚生年金に加入していた人は、退職すると厚生年金の被保険者資格を失います。そのまま再就職せず、配偶者の扶養にも入らない場合、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金第1号被保険者として加入することになります。
日本年金機構は、会社を退職して厚生年金に加入しなくなった60歳未満の人について、自ら国民年金への加入手続きをする必要があると案内しています。提出期限は原則として退職日の翌日から14日以内です。半年後の再就職まで放置してよい手続きではありません。
「空白期間」があると、将来の老齢基礎年金額に影響することがある
国民年金の老齢基礎年金は、保険料を納付した期間などに応じて金額が決まります。58歳から60歳までの期間も、原則として国民年金の加入対象です。そのため、加入すべき期間の保険料を納めないままにすると、将来の老齢基礎年金が満額より少なくなる可能性があります。
また、年金制度は老後の年金だけではありません。国民年金には、一定の要件を満たしたときに障害基礎年金や遺族基礎年金が支給される仕組みがあります。未納期間があると、こうした年金の納付要件に影響する場合があるため、「半年だけだから」と未納のままにするのは避けたいところです。
保険料の支払いが難しいなら「未加入」ではなく免除・猶予を相談する
退職後は給与がなくなるため、国民年金保険料の負担を重く感じることもあります。その場合は、何も手続きをせず未納にするのではなく、保険料免除・納付猶予制度を利用できないか確認しましょう。失業した人については、前年所得にかかわらず失業等による特例免除の対象となる場合があります。
免除や納付猶予が承認された期間は、単なる未納とは扱いが異なります。老齢基礎年金の受給資格期間に含まれるほか、障害基礎年金などの納付要件を考える上でも重要です。免除の種類によっては将来の年金額への反映割合が異なるため、後から追納を検討する方法もあります。
健康保険も、退職後に別途手続きが必要
退職すると、勤務先の健康保険の資格も原則として失います。妻の健康保険の被扶養者にならないのであれば、国民健康保険に加入する、または一定の条件を満たして任意継続被保険者になるなど、医療保険についても手続きが必要です。国民年金と健康保険は別の制度なので、それぞれ忘れずに確認しましょう。
まとめ
58歳で退職し、再就職まで半年休むとしても、妻の扶養に入らないなら「何もしなくてよい空白期間」になるわけではありません。60歳未満で厚生年金などに入っていない場合は、原則として国民年金第1号被保険者への切替が必要です。
保険料の支払いが難しい場合は、未納のまま放置せず、失業による特例を含む免除・納付猶予制度を確認しましょう。老後の年金額だけでなく、万一の障害や死亡時の保障にも関わるため、退職後の年金手続きは早めに済ませることが大切です。
出典
日本年金機構 会社を退職した場合は、国民年金に加入しなければならないのですか。
日本年金機構 国民年金に加入するための手続き
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー