転職回数が多いだけで将来の年金が減ることはない


会社員が老後に受け取る公的年金には、主に「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。

 

老齢基礎年金は、国民年金の保険料を納めた期間などに応じて金額が決まります。一方、老齢厚生年金は、会社員などとして厚生年金に加入していた人が受け取る年金です。

 

日本年金機構によると、老齢厚生年金の金額は、厚生年金に加入していたときの報酬額や加入期間などを基に計算されます。つまり、「何回転職したか」や「何社で働いたか」が直接年金額を決めるわけではありません。

 

例えば、Aさんは22歳から60歳まで同じ会社で働き、Bさんは同じ期間に4回転職したとします。2人とも途切れることなく厚生年金に加入し、加入期間や給与、賞与などの条件が同程度であれば、Bさんが4回転職したことだけを理由に老齢厚生年金が少なくなるわけではありません。

 

転職して勤務先が変わっても、それまでの年金の加入実績がなくなることはありません。そのため、「転職が多いほど年金が少なくなる」と単純に考える必要はないでしょう。

 


転職によって年金が少なくなるケースとは?


ただし、転職に伴う働き方の変化によって、結果的に年金が少なくなることはあります。

 

注意したいのが、退職してから次の会社に入るまで期間が空くケースです。日本年金機構によると、厚生年金に加入している20歳以上60歳未満の人が退職し、再就職まで期間が空く場合は、原則として国民年金への加入手続きが必要です。

 

例えば、転職のたびに2ヶ月の離職期間があったとしても、必要な手続きをして国民年金保険料を納めていれば、その期間がそのまま未納になるわけではありません。

 

一方、手続きをせず保険料が未納になっている期間があると、将来の老齢基礎年金が少なくなる可能性があります。そのため、転職回数ではなく、「転職の間の年金をどうしていたか」を確認することが重要です。

 

また、転職後の給与にも注意しましょう。老齢厚生年金は、厚生年金に加入していたときの報酬額などが年金額に反映されます。

 

例えば、転職後に給与が下がり、その状態が長く続けば、以前と同程度の給与で働き続けた場合より老齢厚生年金が少なくなる可能性があります。反対に、転職によって給与が上がれば、将来受け取る老齢厚生年金の額が増える場合もあります。

 

つまり、転職自体ではなく、転職に伴う年金の加入状況や給与の変化が将来の年金額を左右するのです。

 


転職を4回していても年金記録や納付状況を確認しておけば安心


今回のケースでは、夫が4回転職しているという事実だけで、「同じ会社に勤め続けている友人より年金が少なくなる」と判断することはできません。大切なのは、これまでの国民年金・厚生年金の加入状況や、厚生年金に加入していた期間の給与などです。

 

特に、過去の転職時に離職期間があった場合は、国民年金への切り替えや保険料の納付が適切に行われていたか確認しておきましょう。「昔のことなので覚えていない」という人も、これまでの年金記録を確認しておくと安心です。

 

40代であれば、今後も働く期間は長くあります。「4回も転職したから年金が少なくなる」と必要以上に心配するより、これまでの加入記録や納付状況を確認し、今後も必要な手続きを忘れずに行うことが大切です。

 

転職回数だけにとらわれず、加入期間や給与などを把握しておくことが、老後の年金への不安を減らすことにつながるでしょう。

 


出典


日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 【転職をご検討中の方へ】国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー


情報提供元: ファイナンシャルフィールド
記事名:「 40代の夫はこれまでに「4回」転職。同じ会社に勤め続けている友人から「転職が多いと年金も少なくなるよ」と言われたそうです。転職回数によって、将来の年金額に差は出るのでしょうか? 」