個人経営の店で少額の買い物をカード払いすると、友人から「現金にしなよ。お店がかわいそう」と言われました…。クレジットカードを使うと、店側はそんなに損をするのでしょうか?
クレジットカードで支払うと店側には決済手数料がかかる
客がクレジットカードで支払うと、店側はカード会社や決済代行会社などに「決済手数料」を支払います。多くの場合、売上金額に一定の料率を掛けて計算する仕組みです。
経済産業省の2023年の調査では、クレジットカードの加盟店手数料率は平均2.65%でした。業種別では1.9~2.9%となっています。
ただし、実際の手数料率は店の業種や規模、契約する決済サービスなどによって異なります。経済産業省の調査資料では、クレジットカード決済の加盟店手数料として3.24~3.25%程度が設定されていた決済事業者の例も確認できます。
一方で、現在は中小事業者向けの低手数料プランも広がっており、実際の料率は利用するサービスや契約条件によって異なります。
決済サービスによっては月額料金などが発生する場合もあるため、特に売上規模が小さい店では、カード決済にかかる費用が負担になることもあるでしょう。
500円のカード払いなら店側の手数料は十数円程度が目安
では、少額のカード払いでは、実際にどの程度の手数料が発生するのでしょうか。
仮に決済手数料率を3%として計算すると、500円の買い物なら15円、1000円なら30円、3000円なら90円です。500円の商品をカードで購入しただけで、店側が数百円も負担するわけではありません。
一方、利益が少ない商品を扱っている店では、数%の手数料でも積み重なれば負担になります。例えば、500円の決済が1日に100件あれば、手数料率3%の場合、単純計算で1日1500円です。
ただし、売上金額に一定割合を掛ける料金体系なら、「少額決済だから手数料率が急に高くなる」というわけではありません。実際の負担額は店が利用するサービスや契約条件によって変わる点も理解しておきましょう。
現金にも管理コストがあるため「カード払い=店が損」とは限らない
カード払いには手数料がかかりますが、現金なら店側の負担がまったくないわけではありません。
現金を扱う店舗では、釣銭の準備やレジ締め、売上金の管理、銀行への入金などの作業が必要です。キャッシュレス決済を導入することで、こうした現金管理にかかる作業の一部を減らせる場合があります。
また、キャッシュレス決済には、手持ちの現金がない客にも商品を購入してもらいやすくなるメリットがあります。会計がスムーズになれば、店舗側の業務負担を軽減できる可能性もあるでしょう。
つまり、カード決済では店側に手数料が発生する一方、現金管理の手間を減らしたり、販売機会を広げたりできるメリットもあります。そのため、手数料だけを見て「現金払いのほうが必ず店にとって得」「カード払いは店に損をさせる」と判断するのは難しいでしょう。
まとめ:カード対応店なら少額でも過度に遠慮する必要はないと考えられる
クレジットカードを利用すると、店側には決済手数料が発生します。仮に手数料率が3%なら、500円の支払いで15円、1000円なら30円です。利益率が低い個人店では、こうした負担を気にする場合もあるでしょう。
しかし、現金にも釣銭の準備やレジの確認、売上金の入金といった管理コストがあります。カード決済には、会計業務の効率化や販売機会を広げられるメリットもあります。
店がクレジットカードに対応しているのであれば、少額だからという理由だけで必要以上に利用をためらう必要はないでしょう。お気に入りの個人店を応援したいのであれば、支払い方法だけを気にするのではなく、繰り返し店を利用することもひとつの方法です。
出典
経済産業省 令和5年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業(クレジットカードのインターチェンジフィーの標準料率公開に伴うモニタリング調査及び加盟店負担低減・B2Bキャッシュレス取引拡大に向けた調査事業)調査報告書(株式会社野村総合研究所)(11ページ)
経済産業省 キャッシュレス推進検討会とりまとめ(概要版)(22ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー