定年後、会社から「年収250万円」で再雇用を提案されました。アルバイトでも同じくらい稼げそうですが、再雇用で会社員を続けるメリットはあるのでしょうか?
定年後も65歳まで働ける制度を設けることが企業に求められている
高年齢者雇用安定法では、定年を65歳未満としている事業主に対し、「65歳まで定年を引き上げる」「65歳までの継続雇用制度を導入する」「定年制を廃止する」のいずれかの措置を講じることを義務付けています。
厚生労働省の「令和7年高年齢者雇用状況等報告」によると、2025年6月1日時点で、65歳までの雇用確保措置を実施している21人以上規模の企業は99.9%でした。また、70歳までの就業機会を確保する措置を実施している企業も34.8%あります。
ただし、70歳までの就業機会確保は努力義務です。また、再雇用されたからといって、定年前と同じ給与や仕事内容が保証されるわけではありません。再雇用を検討する際は、契約期間や更新条件、仕事内容などを確認しましょう。
再雇用には「収入の安定」と「慣れた環境で働ける」というメリットがある
年収250万円を単純に12ヶ月で割ると、月平均では約20万8000円です。アルバイトでも同程度を稼げるのであれば、「再雇用を選ぶ意味はあるのだろうか」と思うかもしれません。
再雇用のメリットのひとつは、長く働いてきた会社で仕事を続けられることです。会社のルールや仕事内容、人間関係などをある程度理解しているため、新しい職場に一から慣れる負担を抑えられる可能性があります。
また、契約内容によりますが、毎月決まった給与を受け取れる働き方なら、老後の生活費も計画しやすくなるでしょう。
一方、アルバイトは勤務先によってシフトや勤務時間が変わり、毎月の収入が一定にならない場合があります。ただし、固定シフトなどで安定して働ける職場もあります。
そのため、再雇用とアルバイトを比較する際は年収だけでなく、勤務時間や雇用期間、仕事内容なども確認することが重要です。
アルバイトでも条件を満たせば社会保険に加入できる
再雇用とアルバイトを比較する際は、社会保険についても確認しておきましょう。
会社員として一定の条件を満たして働く場合、健康保険や厚生年金保険に加入します。保険料は原則として会社と従業員が分担して負担します。
ただし、「再雇用なら社会保険に加入できるが、アルバイトでは加入できない」とは限りません。
パートやアルバイトでも、通常の従業員の週の所定労働時間と月の所定労働日数の4分の3以上働く場合などは加入対象です。また、4分の3未満でも、勤務先の企業規模や週の所定労働時間など一定の条件を満たせば対象になります。
雇用保険も、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用される見込みがあればアルバイトでも加入対象です。
したがって、同じ年収250万円なら、再雇用だけに社会保険上のメリットがあるとは一概にいえません。アルバイトを探す場合も、給与だけでなく社会保険の加入条件まで確認して比較しましょう。
まとめ|年収250万円だけで判断せず勤務条件や社会保険まで比べよう
定年後に年収250万円で再雇用を提示された場合、アルバイトでも同程度の収入を得られる可能性はあります。
それでも、慣れた職場で働けることや、安定した収入を得やすいことなどは、再雇用のメリットになり得ます。一方、アルバイトでも条件を満たせば社会保険や雇用保険に加入できます。
そのため、「年収250万円」という金額だけで決めるのではなく、勤務日数や勤務時間、仕事内容、契約期間、社会保険、福利厚生などを比較しましょう。定年後に必要な収入と希望する働き方を整理したうえで比べれば、自分に合った選択肢を判断しやすくなります。
出典
厚生労働省 高年齢者の雇用
厚生労働省 令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します(3~4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー