音更町農業協同組合(本所:北海道河東郡音更町大通5丁目1番地 代表理事組合長:土田純雄)は2025年3月に長芋流通で使用する緩衝材を「おが粉」から「馬鈴しょ澱粉の副産物を主原料とした緩衝材」へ移行したことをリリースします。(以下、「発泡緩衝材」)
 発泡緩衝材を製造する設備を取得し、JAおとふけ青果管理センター(所在:北海道河東郡音更町字音更西2線15番地4)内で製造を行う事で生産者の経費削減、流通・消費段階の経費削減、環境負荷軽減に寄与する事を目的としています。

1.おが粉中止の背景

 長年、長芋の緩衝材はおが粉が用いられてきましたが、おが粉はバイオマス発電との競合・ウッドショックなどを契機に値上りが続いています。直接口にするものではないおが粉の値上がりは、長芋自体への価格転嫁が難しく、最終的に生産者経費増加に繋がっていました。加えて、原木不足などにより長期的に取引をしていたおが粉業者の製造撤退もあり、永続的におが粉を緩衝材として使用する事に懸念を感じ、2018年より新たな緩衝材の試験を実施してきました。

2.発泡緩衝材の概要

 「永続的に原料調達が可能」「消費者理解を得られるもの」をテーマとし、辿り着いたのが北海道・十勝の主産品である馬鈴しょでん粉を主原料とした発泡緩衝材でした。ホクレンでん粉課の協力のもと、JA士幌町でん粉工場(士幌馬鈴しょ施設運営協議会)や十勝東工連など計4ヶ所より年間通じて安定的に「でん粉尻」を仕入れる体制を構築しました。
 でん粉尻とは生食流通する製品ではなく、でん粉製造工程で発生する副産物の事。原料の過半数がでん粉尻であるため、処理方法は『可燃ゴミ』となります。非常に軽量化されており、長芋1箱当り発泡緩衝材使用量は0.2kg弱。(おが粉:3.5~4.0kg、重量対比6%まで軽量化)形も長く色も薄い灰色に着色する事で、食べ物と見間違う事がないよう配慮しています。

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3.発泡緩衝材の利点

(1)軽量化による輸送効率の上昇
 おが粉の場合、 JRコンテナに最大積載量積んでもスペースが余っている状態でしたが、発泡緩衝材の場合、スペースを最大限活用した輸送が可能となります。1回に運ぶ量が増加するため運賃も圧縮でき、生産者の経費負担が軽減されます。

(2)緩衝材自体の経費削減
 おが粉の場合、9.75円/kg発生していた資材費ですが、発泡緩衝材にする事で5.5円/kgまで圧縮でき、生産者費用負担の低減に繋がります。

(3)取引先でのゴミ処理費用の削減
 事業系可燃ゴミは自治体によって処理料金は異なりますが、「kg当り処分単価」が設定されている事が殆どです。発泡緩衝材となる事で年間1,400tのゴミが削減され、170円/10kgの料金で計算すると年間23,000千円強ほど費用が削減されます。(料金試算単価:北海道帯広市でのゴミ処理料金単価)ゴミ処理料金は取引先で発生するので、取引先で経費削減が図れます。

(4)掃除の手間省略
 スーパーでのパック作業やご自宅での調理の際に、長芋表面に付着したおが粉を払い落とし床に散らばった場合、掃除をする必要があります。しかし、発泡緩衝材は長芋に付着しても簡単に除去でき、床に落ちたとしても手で拾えるサイズなのでわざわざホウキ・掃除機を持ってくる必要もなく非常に後片付けが楽になります。

(5)清潔な緩衝材
 自然由来のおが粉に比べ工業製品の発泡緩衝材は生菌数が107,692分の1との分析結果が出ています。クリーンな状態で封函でき長期保管にも耐えられる試験結果となりました。



配信元企業:音更町農業協同組合
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情報提供元: Dream News
記事名:「 ~これからの長芋流通を支える発泡緩衝材~ 環境に配慮し、ゴミ処理量が大幅削減可能な長芋の新緩衝材の導入について