株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、EMC・ノイズ対策関連世界市場を調査し、製品別や参入企業各社の動向、将来展望などを明らかにした。

1. 市場概況

現代の日常に溶け込んでいる小型含めた電子機器全般の技術全ては複雑化しており、少しずつでも年々バージョンアップが発表される製品も多数存在し、開発発展の一つにEMC(Electromagnetic Compatibility)やノイズ対策への技術向上も含められている。電子機器が浸透すればするほど、機器自体から発するEMI(Electromagnetic Interference)と呼ばれるノイズ対策、他製品からのノイズによる性能低下を防止するためのEMS(Electromagnetic Susceptibility)と両方の対策やそれを取り巻く環境整備(EMC)を確実に進める必要性が高まり、EMC・ノイズ対策関連製品は必要不可欠となっている。
本調査では、近傍界関連、遠方界関連、関連電子部品のEMC・ノイズ対策関連製品を対象とした。2023年のEMC・ノイズ対策関連世界市場を、事業者売上高ベースで3兆9,909億円と推計した。同市場自体は電子機器に必要不可欠な製品の一つであることから、急激に市場が低迷することはなく、今後も緩やかに成長していく見込みである。

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2.注目トピック~基板用金属シールドケースは飽和状態からデジタル技術の開発活性化により間接的に需要回復の可能性あり

基板用金属シールドケースのオンボード製品は、リジット(硬質)基板上で電磁波シールドが必要なデバイスなどのブロックに被せる金属製箱型ケース(キャップ)で、国内では以前から「板金シールド」とも呼ばれ、EMC・ノイズ対策のために様々な製品に使用されてきている。
基板用金属シールドケースは表面実装タイプの薄型ケースがスマートフォン(以下、スマホ)やタブレット端末に多用されるようになり、スマホやフィーチャーフォン、タブレット端末などへ活用されている。フィーチャーフォンは中東やアフリカ、インド地域で安定して活用されており、将来的にはLTEタイプの需要も拡大していくことが考えられる。基板用金属シールドケース市場は大きな活用先の一つであるスマホ市場が全体的に飽和状態であり、急激な低迷は無く横ばい推移が想定されている。しかし、スマホなどの筐体で活用されるAIやIoTといったデジタル技術の開発が活発化していることから、市場は横ばいから右肩上がりの成長となる可能性もある。

3.将来展望

EMC・ノイズ対策関連製品は、電子機器に必要不可欠な製品として搭載され、需要は堅調に推移している。2024年の EMC・ノイズ対策関連世界市場は前年比1.9%増の4兆675億円と見込み、2028年の同市場は4兆8,916億円まで成長すると予測する。
現時点で市場では急成長につながる契機となる動きはみられないが、自動車業界や防衛関連市場などで徐々にEMC・ノイズ対策関連製品の採用が増加しており、更なる需要拡大が期待される。一方、スマホやタブレット端末といった小型電子機器は急拡大は望めない市場であるが、AIやIoTの普及を背景に機器(筐体)需要は増加する見込みで、EMC・ノイズ対策関連製品の需要は堅調に推移し、更なる技術や製品の開発が行われている。

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調査要綱
1.調査期間:2024年5月~7月
2.調査対象:EMC・ノイズ対策関連製品を取り扱う企業
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2024年7月31日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】EMC・ノイズ対策関連世界市場に関する調査を実施(2024年)~小型電子機器はAIやIoT普及で堅調に推移、自動車や防衛関連は需要拡大の見通し~