2024年2月22日、日本・東京 - 化学業界のグローバル・リーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、同社のULTEM(tm)樹脂が、LiDAR技術の開発企業である独Blickfeld社のQb2デバイスに採用されたことを明らかにした。LiDAR(Light Detection and Ranging、光検出・測距)は、レーザー光を用いてさまざまな環境や物体の高精度3次元測定を行う光センシング技術であり、Blickfeld社が開発したQb2は、1台のデバイスで3Dデータの収集と処理の両方を可能とする初のスマート3D LiDARセンサーである。SABICのULTEM樹脂は、この新しいLiDARデバイスの内部において、主要な光学部品とマイクロエレクトロニクスを保持し固定する小型で非常に複雑な形状のモジュールキャリアに採用された。モジュールキャリアの成形材料にULTEM樹脂を選択したことで、部品設計を統合でき、二次加工を不要にするとともに、容易で迅速な生産拡大が可能になり、従来材料のアルミニウムと比べてシステム全体のコスト削減を実現している。
SABICのスペシャリティー事業部で開発マネージャーを務めるDr. David Elversは、「ULTEM樹脂は、これまでモジュールキャリアに使用していたアルミニウムを置き換えたいというBlickfeld社の要望に対する明確なソリューションになりました。LiDARは成長市場であり、こうしたオプトエレクトロニクス分野の構造部品に関する設計課題を解決する上で、私たちの先進的な材料や設計サポートが貢献できたことを誇りに思います」と話している。