日本では、約10年の歳月をかけて規格が創設された「超小型モビリティ」であるが、型式指定を唯一取得していたトヨタ自動車の「C+pod」が2024年夏頃で生産を終了することがすでに一般告知され、市場は立ち上がって4年半で早くも先行きが見通せなくなった。欧州のQuadricycle(クワドリシクル:Lカテゴリー四輪車)はこれまで欧州新車市場においてニッチ市場であったが、Citroën(シトロエン)の「Ami」が発売から約3年半で累計販売台数が欧州全体のQuadricycle年間販売台数に匹敵するなど過去に例をみないほど同市場は活況を呈している。反対に、中国のLSEV(Low Speed Electric Vehicle)は最盛期からは後退し、交通事故が多発したことで安全基準に関する厳格な技術要件と参入企業の制限が敷かれ、上汽通用五菱汽車(シャンチートンヨンウーリン)の「宏光MINI」に代表される微型EV(A00セグメント)が台頭し、LSEV市場は大幅に縮小している。