材料別の市場動向は以下の通りとなる。 SiCは本格的な成長ステージに差し掛かっており、市場は2025年以降、車載アプリケーションへの本格的な採用が急成長のポイントとなる見込みである。 GaNは足元状況ではLEDやLDなどの照明用途が中心であるが、パワーデバイスや高周波用途では非常に優れた特性を持ち、これまでの課題であった大口径化や大量供給に目途が立ち、GaN on GaN デバイスとして展開されるタイミングが近づきつつある。 Ga2O3はSiCデバイスと比較しコスト・性能等のポテンシャルが高く、参入プレーヤーも増えてきている。研究・開発期間の短さをカバーする成果が次々と発表されていることから、後発ながらもパワーデバイス市場に食い込む勢いである。 AlNは深紫外線のLED用単結晶として、コロナ禍の影響もあり、一定の需要を底堅く獲得している。しかし、サファイア基板を用いたタイプの深紫外線LED性能が向上しており、AlN基板の強みを出せる領域への展開が課題とされる。 ダイヤモンドは急成長の兆しがある。国内単結晶メーカーはIPOで資金調達し生産能力を上げており、大学など研究機関による世界最高性能のデバイスも開発されている。