現在、無人決済システム参入企業のうち、実際に店舗で本格稼働しているのはTOUCH TO GO社のシステムのみであり、多くのITベンダーのシステムは本格導入の段階には至っていない。実証実験として、以前は複数の店舗において稼働していたが、現在はその多くが終了している。 その大きな原因としては、それらのソリューションが注目を浴びた時期の直後に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものである。コロナ禍で在宅勤務が増加し、都心部の人流が減少したことで、無人決済システムが設置されていた実証実験店舖等、ターゲットとしていた店舗自体が業績不振になったことが大きい。特に、都心のマイクロマーケット(オフィスや病院などの極小商圏)向けとして設置された売店やコンビニエンスストアなどでは、ビジネスマンや入院・外来患者の激減が大きく影響した。