中国化粧品製品申請で提出が求められる製品執行標準中の“微生物及び重金属指標とその品質管理措置”は、中国「化粧品安全技術規範」に収載された検査方法に基づくことを要求されています。
WWIPは、化粧品安全技術規範に基づく中国国内試験機関での定期的な試験の受託サービスの提供を10月1日より開始しました。

1. 製品執行標準とNMPA要求
31年振りに全面改訂された中国「新・化粧品監督管理条例」に基づき、化粧品製品申請(以下、「製品申請」)では、製品執行標準の申告が要求されています。
製品執行標準とは、NMPAが要求する申請書類の1項目であり、製品名・配合全成分・生産工程・感覚指標・微生物及び重金属指標とその品質管理措置(以下「品質管理措置」)・使用方法・保管条件・使用期限等を指します。これらは中国の関連法規・標準規範に適合しなければならず、旧制度下でも要求されてきたものですが、「品質管理措置」は従来と比べ要求が増大しています。
なお、一般的に「品質管理措置」を「製品執行標準」と呼ぶこともあります。

品質管理措置は、旧制度下では“製品規格”として、微生物/重金属やその他リスク指標の規格値の申告が必要でしたが、新制度においてはそれに加え、“検査方法”と“検査頻度”の設定を求められるようになりました。
これにより、日本で通常それら全項目の検査を行っていない場合でも、要求に従い検査体制を整える必要があります。
さらに、「中国の化粧品安全技術規範に収載された試験方法で実施すること」が求められ、それ以外の試験方法で実施する場合は「化粧品安全技術規範に収載された試験方法との検証を行ったかどうか説明し、検証資料を保管すること」を要求されます。
*後述5. 関連ニュース・参考リンク「NMPA審査官からの指摘相次ぐ」を参照

多くの日本企業は、当然ながら日本のルールに準拠して品質管理を行っており、全て中国語で記載された化粧品安全技術規範の試験法と日本の標準的な試験法を比較し日本の試験法が中国の要求を充足していることを検証することは容易ではありません。
WWIPでは、こうしたお悩みを持つお客様の品質管理措置を「中国の化粧品安全技術規範に収載された試験方法で実施する」という内容で申告し、実際に定期的な試験実施をご案内することで解決しています。

2. 製品執行標準と関連法規定
製品執行標準中の品質管理措置について、中国化粧品登録登記資料管理規定では以下の通り規定しています。
* 関連規定の中から該当する箇所を抜粋しています。

化粧品登録登記資料管理規定  第30条(五)微生物及び物理/化学的指標及び品質管理措置
1. 製品を実際に管理する時の微生物及び物理/化学的指標を提出しなければならず、微生物及び物理/化学的指標は《化粧品安全技術規範》及び《化粧品登録・登記検査業務規範》の要件に適合しなければならない。
2. 製品を実際に管理する微生物及び物理/化学的指標に基づき、対応する品質管理措置を提出しなければならない。
3. 品質管理措置として採用された検査方法は、検査頻度・回数を明記し、使用する方法と《化粧品安全技術規範》に記載の方法が完全に一致する場合は《化粧品安全技術規範》の検査方法名を記載しなければならない。《化粧品安全技術規範》に記載の方法と一致しない場合は、検査方法名称を記載し、当該方法と《化粧品安全技術規範》に記載の方法との検証をおこなったか否かの説明をしなければならず、完全な検査方法及び方法論の検証資料を、保管し検査に備えなければならない。
4. 品質管理措置として採用された非検査方法は、具体的実施プランを明確に品質管理措置の合理性に対する説明をおこない、それにより製品が《化粧品安全技術規範》の要件に適合していることを保証しなければならない。

化粧品登録登記資料管理規定 添付資料15 化粧品製品実施基準の編集に関する説明
1. 製品執行標準は、国家法律・行政規則・部門規章、技術基準・規範性文書の関連規定に適合しなければならない。
4. 製品執行標準中に定めた検査方法は正確且つ精密で方法学的検証を経たものとする。

化粧品登録登記資料管理規定 表3 微生物及び物理/化学的指標及びその品質管理 備考:品質管理措置
1. 登録。登記者は製品の実際の管理の必要性に基づき、各指標に対し1項目以上(1項目を含む)の品質管理措置を選択し、最終製品が化粧品安全技術規範及び製品執行標準の要件に適合するよう保証しなければならない。

3. 品質管理措置で設定が要求される管理指標とその項目
前項の規定では、製品執行標準で基本的な9つの指標の設定と、製品に配合された成分による指標の設定を要求しています。

1) 9項目の必須管理指標:
コロニー総数、カビと酵母菌の総数、耐熱大腸菌群、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、鉛、水銀、ヒ素、カドミウム

2) 製品の配合成分等による追加指標(例):
ジオキサン、メタノール、アスベスト、pH等

3) 各管理指標に対する項目:
指標と品質管理措置*1 、並びに管理措置の概要説明*2
*1 品質管理措置において各管理指標の検査頻度を設定する必要があります。
*2 概要説明において検査方法と検査方法が化粧品安全技術規範の要件に適合することを保証する必要があります。

4. WWIPのサービス
WWIPでは、化粧品申請者が提出した製品執行標準の品質管理措置の指標と検査頻度に合わせた中国CMA認証試験機関での検査受託サービスを提供しています。

1) 9項目の必須管理指標:
微生物指標
コロニー総数(CFU/g・ml) 目元・口唇化粧品・子ども用化粧品:500 , その他化粧品:1000 (微生物検査法)
カビと酵母菌の総数(CFU/g・ml) 100 (微生物検査法)
耐熱大腸菌群(/g・ml) 検出しない (微生物検査法)
黄色ブドウ球菌(/g・ml) 検出しない (微生物検査法)
緑膿菌(/g・ml) 検出しない (微生物検査法)

重金属指標
水銀(mg/kg) 1 (水銀の検査方法第一法水素化物原子蛍光測光法)
鉛(mg/kg) 10 (鉛の検査方法第2法火炎原子吸収分光光度法)
ヒ素(mg/kg) 2 (ヒ素の検査方法第一法水素化物原子蛍光光度法)
カドミウム(mg/kg) 5 (カドミウムの検査方法火炎原子吸収分光光度法)

* 上記検査方法は全て中国化粧品安全技術規範に収載された試験法です。
* 上記は最新の中国「化粧品安全技術規範(2015年版)」に基づきます。
* 検査の頻度は最低でも「年1回」程度は要求されます。

2) 費用:
必須9項目指標の検査費用(セット)+pH:60,000円/1SKU(税別)
* 追加指標の検査費用:一般的に1指標:10,000円/1SKU(税別)
* 検査費用にはWWIP管理手数料20%が別途発生します。

検査用サンプルの発送費用:中国国内のWWIP指定機関にサンプルを発送してください。
* 日本国内からサンプルを発送する場合は、弊社にて発送することも可能です。その場合、別途実費と弊社管理手数料が発生します。WWIP管理手数料 :NMPA未取得の製品:30,000円(税別), NMPA取得済み製品:20,000円(税別)。
* 危険物・エアゾール、スプレーの場合 : +20,000円(税別)* 特別なルートで送る必要があります。

5. 関連ニュース・参考リンク
・NMPA手続きにおける「製品執行標準(品質管理措置)」について、審査官からの指摘が相次ぐ(2022.06.10)
https://wwip.co.jp/news220610/
・中国CMA認証試験機関における効果効能・安全性等試験の受託サービスについて (2022.03.01)
https://wwip.co.jp/news220228/
・中国CMA認証試験機関における 効果効能・安全性等試験の受託サービス(参照リンク)
https://wwip.co.jp/cmatest/
・中国化粧品製品申請(参照リンク)
https://wwip.co.jp/cosme/

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社WWIPコンサルティングジャパン
TEL : 03-6206-1723
Email: official@wwip.co.jp

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情報提供元: Dream News
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