株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内POCT(point of care testing:臨床現場即時検査)市場を調査し、市場規模、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

2021年度の国内POCT市場規模(10分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比38.8%増の1,536億円となった。
2020年度以降、イムノクロマト法の新型コロナウイルス抗原検査キットが、多数の企業から発売され売上を大きく伸ばしている。また、新型コロナウイルス検出を目的とした小型の遺伝子検査装置・試薬の需要も顕在化し、新たに遺伝子POCTというカテゴリーが形成されることとなった。従来から行われている一般的なPOCT市場は全般的に低調に推移するも、新型コロナウイルス関連の検査が突出して、2021年度の全体市場を押し上げる結果となった。

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2.注目トピック~新型コロナウイルス抗原検査キットは医療機関以外への流通も本格化

新型コロナウイルス抗原検査キットは、医療機関での検査利用のみならず、自治体等による住民向け安心・安全サービス、薬局ルート販売市場などへも広がり、体外診断薬としては過去に見られない規模、速度で需要を伸ばしている。
2022年7月頃からの感染拡大にともなう発熱外来の業務逼迫等を背景に、家庭でのセルフチエック検査を推進する議論も高まってきた。2022年8月には同体外診断薬を一般検査薬へ転用するOTC化が認められ、既存臨床検査薬・機器メーカーによる正式販売対応および新規参入動向に注目が集まっている。

3.将来展望

2022年度のPOCT市場は引き続き、主に新型コロナウイルスの関連検査キットに牽引されるものと考える。2022年度の新型コロナウイルス抗原検査キット市場は、同年8月末までの国内新型コロナウイルス感染者数および感染の未収束状況を勘案すると、2021年度比でさらに拡大する見込みである。
新型コロナウイルス抗原検査キットは、PCR検査等と比較し感度面で物足りないとの評価がある中で、装置利用型等の高感度抗原検査製品の需要動向も焦点となっている。今後、簡易抗原検査キットがセルフチェック用途にて普及した場合、医療機関等では手法の異なる高感度抗原検査キットなどによる検査を採用する可能性もあると考える。

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調査要綱
1.調査期間: 2022年6月~8月
2.調査対象: 国内の臨床検査薬・機器展開企業(日本企業および海外企業日本法人)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話・eメールによるヒアリング調査
4.発刊日:2022年08月31日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】POCT市場に関する調査を実施(2022年)~2021年度のPOCT市場は前年度比38.8%増の1,536億円~