株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のアフェレシス市場を調査し、市場規模推移、品目別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにいたしました。

1.市場概況

アフェレシス(Apheresis)とは、血液浄化療法の1つで、臓器や免疫機能の不全などにより引き起こされる急性腎障害(AKI)に対し、体外循環により血液中の病因関連物質や細胞を除去し、病態の改善を図る治療法である。本調査では、アフェレシス療法に用いられる血液浄化器のうち、血漿分離器、血漿成分分離器、選択的血漿成分吸着器、持続緩徐式血液濾過器、腹水濾過器、吸着式血液浄化用浄化器、血球細胞除去用浄化器、および血液を循環・分離・返漿させるポンプの役目を持つ血液浄化装置の調査を実施した。

2020年度の国内アフェレシス市場(8品目合計)は、メーカー出荷金額ベースで187億6,000万円と推計した。アフェレシス市場全体では横ばいまたは微減傾向で推移しているが、拡大している品目も見られる。新型コロナウイルス感染症拡大に関連する補助金が設定され、2020年度は血液浄化装置市場が大幅に拡大し、持続緩徐式血液濾過器市場や腹水濾過器市場も堅調に推移している。

2.注目トピック~2020年度は血液浄化装置市場が大幅伸長

血液浄化装置市場は、これまで買い替えによる一定の需要により、ほぼ横ばい傾向で推移していたが、2020年度は前年度に比べ大幅に伸長した。新型コロナウイルス感染症の治療に用いられていることや、血液浄化装置の購入に対して補助金が設定されたことなどが市場拡大に寄与した。2021年度は、前年度ほどの伸び率には及ばないものの、2019年度と比較すると市場は拡大すると予測する。

3.将来展望

アフェレシス市場全体の市場規模(8品目合計)は、2021年度以降横ばいまたは微減基調で推移すると予測する。これは一部の療法は実施回数が減少傾向にあることや、薬物治療など他の療法が増加することなどを考慮した。一方、腹水濾過器市場や持続緩徐式血液濾過器市場は、療法の実施回数や対象患者数が増加傾向にあることなどから、今後も堅調に推移していく見込みである。
また、アフェレシス治療を施すプラットフォームである血液浄化装置は2020年度に多数導入されており、購入された装置が今後どれだけ利用されるかという点も、アフェレシス市場の動向を左右すると考える。

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調査要綱
1.調査期間: 2021年4月~7月
2.調査対象: 血液浄化装置・血液浄化器関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、その他情報収集、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年07月30日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】アフェレシス市場に関する調査を実施(2021年)~2020年度のアフェレシス市場(8品目合計)は前年度比99.0%の187.6億円~