スリーシェルズは、作曲家の團伊玖磨(だん・いくま)による「オリンピック序曲」のピアノ版楽譜を再発見。風の音ミュージックパブリッシングが2021年2月5日に出版したことを2021年2月9日に発表しました。(画像1「オリンピック序曲の告知」画像2「團伊玖磨」画像3「校訂・編曲の青島広志」)

没20年・團伊玖磨のオリンピック序曲のピアノ版を青島広志の校訂・編曲で出版
楽譜の校訂・編曲は青島広志。解説は青島広志と西耕一が執筆。

ピアノソロ版《オリンピック序曲》
團伊玖磨 作曲 / 青島広志 校訂・編曲
定価3000円(税別)
https://kazenone.co.jp/category/item/inst/keyboard/piano/

「1964年秋の感動よ、甦れ!!」
團伊玖磨の名作が半世紀以上の時を経て初出版となります。
この版は、吹奏楽の自筆譜調査中に偶然発見されたピアノ用のコンデンススコアを基に、「コンデンススコアを忠実に再現した原典版」と「青島氏が現実的にピアノで演奏可能な楽譜に手直しをした編曲版」の2種類を収載した楽譜です。
また、青島氏の編曲版は未初演(2021年2月9日現在)ですので、手に入れた方のどなたかが初演者になります。緊急事態宣言下ということもあり、実演での初演は難しいかもしれませんが、YouTube等オンラインにアップして演奏してみませんか?
https://kazenone.co.jp/category/item/inst/keyboard/piano/

◇吹奏楽版オフィシャル参考音源(YouTube)
https://youtu.be/glxPnY8v4Dk

◇吹奏楽版CD販売
https://3scdjrl.shopselect.net/items/26879534

■オリンピック序曲について(文:青島広志)

1964(昭和39)年に、アジアで初めて開催された東京オリンピックのために、いくつかの音楽作品が作曲された。今井光也作曲の《オリンピック東京大会 ファンファーレ》(公募)、古関裕而作曲の《オリンピック・マーチ》、黛敏郎作曲の《オリンピック・カンパノロジー》、そして團伊玖磨作曲の《オリンピック序曲》がその主なものである。
團伊玖磨(1924 - 2001)は、第二次世界大戦後、最も早く活動を始めた作曲家の一人であり、師の山田耕筰を継いで日本楽壇の中心人物となった。その作風は高貴で明朗。ときに粋で、きわめて高い完成度を示す。朋友であった「3人の会」の他の二人(黛敏郎・芥川也寸志)が次第に文化人としての道を辿ったのに対し、マスコミとの関係は保ちつつも、作曲家としての生涯を全うした。作品は《夕鶴》を筆頭とする7作のグランドオペラ、6作の交響曲、13作を数える歌曲集、《筑後川》を含む大規模な合唱曲、《ぞうさん》を始めとする童謡、《ラジオ体操第二》など、ほぼ全ての分野に亘っている。特筆すべきは、国家の重要な行事に関わる作品で、2作の成婚行進曲(平成・今上天皇)《祝典行進曲》《新・祝典行進曲》、新国立劇場杮落しのための歌劇《TAKERU》を委嘱され、この《オリンピック序曲》もその一つである。

楽譜のご購入はこちらから↓↓↓
風の音ミュージックパブリッシング
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楽譜校訂・編曲
青島 広志(あおしま・ひろし)

1955 年3 月31 日(実際は4 月11 日)東京生まれ。幼くしてオルガン・ピアノに向かい、作曲も試みるが、専門的音楽教育を受けたのは16 歳で、実際の作品もそれ以降に生まれる。東京藝術大学及び大学院作曲家専攻を首席で終了し、終了作品のオペラ「黄金の国」が同大図書館に購入され、過去二回の東京都芸術フェスティバル主催公演となるが、在学中からNHK を始めとする放送の分野でも活動し、更に少女漫画家を目指していたところから、作曲・演奏(ピアノ、指揮)・解説・司会・著述・教育など多くの分野に進出し、日本の音楽界で稀有な存在と目される。しかし中心となるのはオペラを含む声楽分野で、オペラ・歌曲のサポーターとして絶大な信頼を集めている。しかしながら器楽作品も実際の演奏を伴って多数残しており、それが順次「風の音」シリーズで出版の予定である。

作曲
團伊玖磨(だん・いくま 1924-2001)

オペラ《夕鶴》をはじめ、《ぞうさん》《やぎさんゆうびん》 《ラジオ体操第二》《花の街》など多くの作品が親しまれている国民的作曲家。 大田黒元雄の『西洋音楽史物語』を読み、12歳で作曲家になると決めた少年は、 東京音楽学校(後の東京藝大)を経て、陸軍戸山学校軍楽隊で小太鼓と編曲作業を担当して作曲家になった。師は、山田耕筰、諸井三郎、近衛秀麿、下総晥一、橋本國彦、細川碧ら。七つのオペラと六つの交響曲を創作の柱とし、管弦楽では《シルクロード》、吹奏楽では《祝典行進曲》、合唱では《筑後川》などすべてのジャンルへ愛される作品を残した。
作風は、大陸的で雄大な時間の流れと歌謡性、オーソドックスではあるがゆるぎない構造美が持ち味である。
盟友の芥川也寸志、黛敏郎と3人の会を結成して、戦後の作曲界に大きな足跡を残したほか、前衛の波に揺らぐことのない確固たる創作姿勢で77年の生涯を貫いた。様々な歴史文化芸術に触れるために、旅を愛する人でもあったが、なかでも中国には1966年以来、50回以上訪中。日中文化交流協会の会長を務めるなど中国との関わりが深かった。27巻に及ぶ随筆集『パイプのけむり』シリーズなど著書多数。2001年5月、旅行先の中国・蘇州で急逝。

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情報提供元: Dream News
記事名:「 ぞうさん、ラジオ体操第2の作曲者・團伊玖磨「オリンピック序曲」のピアノ版を出版へ