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住宅の倒壊そのものの及ぼす悪影響は1年程度の比較的早い段階で消失していた一方で、住宅の倒壊により周囲の人間関係が失われたことにより生じた悪影響は、調査時点の3年後においても色濃く残っていることが確認された。震災のもたらす物的な被害からの健康回復はそれほど難しくはないが、震災が壊してしまう人間関係という資本は回復が難しいことを示している。本研究は、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県岩沼市に住む、65歳以上の高齢者を対象に、震災前(2010年)と震災後(2013年)の追跡調査データを分析し、震災の被害と主観的健康観について検証したものである。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000228806&id=bodyimage1】
■問い合わせ先:
株式会社政策基礎研究所取締役 流通経済大学経済学部准教授・千葉大学客員准教授
参鍋 篤司(さんなべ あつし)
E-mail : sannabe@doctoral.jp ※アットマークを小文字にご変換下さい。
■論文:Sannabe, A., Aida, J., Wada, Y., Ichida, Y., Kondo, K., &Kawachi, I. (2020). On the direct and indirect effects of the Great East Japan earthquake on self rated health through social connections: Mediation analysis. Japan and the World Economy, 56, 101039.
■謝辞
調査にご協力頂いた宮城県岩沼市住民の皆様・岩沼市役所の皆様に深く感謝申し上げる。本研究は、米国衛生研究所 NIH、厚生労働省、文部科学省等から研究費の助成を受けた。
配信元企業:株式会社政策基礎研究所
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