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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内における洋上風力発電市場の現状及び今後の方向性を調査し、市場規模の予測と将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
国内において適地がほぼ無くなってきていると言われる陸上風力発電と比較して、洋上風力発電は膨大なポテンシャルを有しており、最近になって、開発、建設のための法律が整備されたことから、2030年に向けて本格的に市場が立ち上がっていくことが期待されている。洋上風力発電は、規模から見ても1計画で原発1基分に相当する大規模な再生可能エネルギー発電所として期待が高まっている。
2.注目トピック~セントラル方式の導入がポイントに
現在の洋上風力発電所の計画では、漁業関連者との調整の他にも、環境影響評価、FS調査等を含む全ての準備作業を事業主体が行う必要がある。しかし、民間事業者がこれらを行うためには経済的な負担や手間・時間等の多くのハードルがある。地球温暖化防止のための再生可能エネルギー導入に必要な作業を全て民間事業者に委ねていては、ハードルが高すぎて実際の事業化に辿り着かない可能性もある。そこで、現在の議論では、促進区域については国が各種調査から調整までを事前に進め、事業者は発電所の建設から取り掛かれる「セントラル方式」を導入することが望まれており、海外では、オランダが既にセントラル方式を採用しているという例もある。
3.将来展望
洋上風力発電市場は、2020年度に洋上風力発電の建設工事等の新設に係る業務が開始される見通しであり、20億円の市場規模から立ち上がっていくと予測する。2021年度以降には新設工事が順次本格化し、2023年度には発電所運転が開始される見通しである。
洋上風力発電市場は、その後も継続的に新設容量が拡大していくことにより、2025年度には3,970億円、2030年度には9,200億円の市場規模に成長すると予測する。
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調査要綱
1.調査期間: 2020年6月~8月
2.調査対象: 発電事業者、エンジニアリング事業者、サプライヤー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2020年8月27日
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