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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の5Gソリューション市場を調査し、製造、物流、医療、セキュリティ、社会インフラなど分野別の5G活用およびIoT型ソリューション普及動向、将来展望を明らかにいたしました。ここでは、ローカル5Gソリューション市場予測、分野別の普及動向について公表いたします。
1.市場概況
5G(第5世代移動体通信サービス)は、従来の3Gや4G/LTEなどに比べて高速・大容量、低遅延、多接続などの機能に大きな強みを持つ。一般企業や地方自治体、学校法人などの敷地内や建物内など特定範囲(狭域)限定で構築されるローカル5Gネットワークにおいても、そのメリットを生かした映像配信や、遠隔作業支援、多接続に対応したIoT(Internet of Things)型ソリューション、特定エリア内でのAGV(無人搬送車)などに利用されていく見通しである。
ローカル5Gを活用したIoTソリューションは、現在多くの案件が実証試験/PoC段階にあり、2020年の年初では、大手のMNO(移動体通信事業者)3社及びITベンダーを中心として、さまざまなローカル5Gを活用したIoTソリューション案件の実証試験が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響は甚大で、対象分野の中には事業継続が危ぶまれるようなところも出始めており、2021年度頃までは大きな進展は見込めない状況となっている。そうしたことから、2020年度のローカル5Gソリューション市場(事業者売上高ベース)は3億円を見込み、翌2021年度で20億円になると予測する。
2.注目トピック~ローカル5Gを活用した製造/工場向けIoTソリューション
ローカル5Gを活用した製造/工場向けIoTソリューションでは、2020年度頃から実証試験/PoCが10件ほど始まったものの、新型コロナウイルスの影響によりIT投資の抑制/先送りもあって、商用化/実装が始まるのは2023~2025年度頃になる見込みである。
例えば、2023年度頃には既にデジタル工場化が進んでいる自動車メーカー(OEM)やプラントメーカー、ITベンダーを含む一部の先進工場などで実装が始まり、さらに既に工場IoTを実現している製造業へと波及していく見通しである。
ローカル5Gを活用した製造/工場向けIoTソリューションでは、工場設備や生産機器のIoTモニタリングや保全・メンテナンス用途(データ収集)での活用が伸びる見通しであることから、人手不足がより顕在化する2025年度には95億円規模(構成比20.2%)まで拡大すると予測する。
3.将来展望
2024年度頃からは、従来型の3Gや4G/LTEの通信規格を利用したIoTソリューションシステムが、徐々に5Gを活用したIoTソリューションに置き換わる流れの中で、その内の何割かがローカル5Gを活用したIoTソリューションに代替されると考える。
そのため、市場規模の拡大は加速し、2024年度のローカル5Gソリューション市場(事業者売上高ベース)は300億円、2025年度には470億円になると予測する。尚、2025年度の段階では、5Gを活用したIoTソリューション市場(4,550億円)の約10%が、ローカル5Gネットワークを活用したIoTソリューションシステムになる見込みである。
調査要綱
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2451
調査要綱
1.調査期間: 2019年10月~2020年5月
2.調査対象: ITベンダー、移動体通信事業者、インフラ事業者、ユーザ企業、地方自治体など
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話による調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2020年05月28日
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