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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は国内のミネラルウォーター、宅配水市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
2017年度のミネラルウォーターの市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比98.7%の2,950億円と2010年度以来の縮小に転じた。2017年度は一時的に市場が縮小したものの、飲料市場のなかでもコーヒー飲料、日本茶飲料、炭酸飲料に次ぐ規模に達しており、確固たる地位を築いている。
2017年度の宅配水の市場規模は、末端金額(エンドユーザー販売金額)ベースで前年度比105.6%の1,330億円と引き続き拡大が続いている。東日本大震災の発生による水需要の高まりにより、参入企業が増加したことで市場が拡大し、2017年度は2011年度比で59.3%増とミネラルウォーターを凌ぐほどに急成長を見せた。一方で昨今では成長率の鈍化とともに、参入企業間における競合もあり、厳しい市場環境をみせている。
2.注目トピック~炭酸水
2018年度は、炭酸の刺激やリフレッシュ感を求めるユーザー層が増加するなど、炭酸水への注目が一層高まっていることから、メーカー各社とも新商品の投入など、年初より積極的な取り組みを行った。飲料市場全体をみると、無糖茶飲料やミネラルウォーターが急成長する一方、炭酸水においては新商品が次々に上市されたことで商品間の競合が激しくなりつつあるが、同時に炭酸水市場のさらなる拡大にも貢献した。
炭酸水の主な成長要因としては、コーラ飲料、果汁入り、フレーバー炭酸、透明炭酸、エナジー炭酸など、炭酸カテゴリーの裾野が広がっていることに加え、炭酸水のストレート飲用(直飲み)など飲用機会の多様化が挙げられるが、その一方で、炭酸水そのものに差別化要因がないことから、成長を継続するには難しさもあるものと考える。
3.将来展望
ミネラルウォーター市場はしばらくは安定した成長が期待できるものとみるが、2018年度の成長は夏の猛暑の恩恵を受けるなど、ミネラルウォーターに止渇といった側面が強いことも事実である。そのため、夏場の天候など外部要因によっては市場縮小も起こりうることに加え、フレーバーウォーターやスパークリングウォーターの成長が鈍化していることから、これまでのような急成長は見込みにくいと考える。
宅配水市場については、新規顧客の減少、配送コストの上昇など様々な課題を抱え、市場の成長率が鈍化してきているが、当面は穏やかな市場拡大が続いていくものとみる。一方で、東日本大震災以降増加した新規参入企業は現在は既に撤退をしているケースが多く、今後は、市場成長率が鈍化するなか、参入企業間における競合などもあり、撤退・淘汰される企業も増えてくることも予想される。
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調査要綱
1.調査期間: 2018年12月~2019年2月
2.調査対象: 飲料メーカー、宅配水製造企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびにアンケート調査、文献調査併用
4.発刊日:2019年2月20日
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