シンフォニック/エピック・パワー・メタル・シーンにおいて絶大なる人気を誇るイタリアのRHAPSODY OF FIREが約3年振りに日本にやって来る。前回の来日と同様、今回も新作のリリースを前に早くも日本公演が発表され、バンドと日本のファンとの相思相愛関係が今なお続いていることがわかる。 1997年のデビュー以来、常に高品質のシンフォニック/エピック・パワー・メタル・サウンドを提示し続け、このジャンルのパイオニア的な存在として高い支持を得てきた彼らだが、その20年超のキャリアの中には波乱も含んでいた。2006年に権利関係の問題でRHAPSODYからRHAPSODY OF FIREに改名せざるを得なかった件しかり、2011年にバンドの中枢の1人だったルカ・トゥリッリ<g>が脱退した件しかり。 さらに近年は、2013年からANGRAのフロントマンも掛け持ちしていたファビオ・リオーネ<vo>が2016年9月に正式に脱退。ほどなく後任にジャコモ・ヴォーリ<vo>が迎えられ、2017年春には新録ベスト盤「LEGENDARY YEARS」を発表したのは良かったが、一方で、ルカやファビオが再結成RHAPSODYとしてツアーを行ない(2017年11月には来日)、ファンの間に様々な憶測が飛び交うことになった。 しかし、そんなファンの心配をよそに、唯一のオリジナル・メンバーとなったアレックス・スタロポリ<key>はRHAPSODY OF FIREで着々と新作の制作を進め、通算12作目となる「THE EIGHTH MOUNTAIN」を完成させた。この新作は、ニュー・シンガーのジャコモが参加した最初のオリジナル作品であり、また、『The Nephilim’s Empire Saga』という新たなコンセプト・ストーリーの始まりを告げるアルバムでもあるということで、一層の注目を集めているが、アグレッシヴでスピーディー、かつ優雅で叙情的でドラマティックなメタル・サウンドはまさにRHAPSODY OF FIREである。 この強力な新作を引っ提げての今回のツアーは、バンドの新たな章の幕開けをも意味するもので、日本のファンはそれを逸早く目撃することになる。波乱や環境の変化を経ても決して揺らぐことのない彼らの矜持と信念を体感できる素晴らしいショウになることだろう。