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今ある仕事の47%が機械に取って代わられるというAI時代、人間には問題を発見し、解決策を自らの頭で考え、実践できる能力が必要となる。つまり、人間は解決策を数式化し、コンピューターにその数式を計算させればいいのだ。しかし、これまでの日本の暗記・教え込み・点数主義の教育では、このような力は身につかない。子どものうちから考える力を養い、根気よくものごとに取り組む姿勢を育まなければならない。
そこで注目なのが、近年話題のモンテッソーリをはじめ、さまざまな教育理論を研究し、「考える力を伸ばす幼児教育」を45年にわたって実践してきた「こぐま会」の方法論。思考力とは何か? どのようにして育てるべきか?
論理的思考力を伸ばし、読解力を向上させるためには、「読み・書き・計算」の訓練より、「聴く・話す力」を伸ばすこと。そのためには、教師・親・祖父母は自らが受けてきた「教え込み教育」を子供に押しつけず、解決にたどり着く「待つ」時間の長さに耐える覚悟が必要となる。
集英社新書『「考える力」を伸ばす AI時代に活きる幼児教育』では、幼児教育の第一人者が、子どもの成長理論と、保護者のかかわり方をわかりやすく紹介する。
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◆目次◆
はじめに
第1章 日本の幼児教育の問題点
幼児教育が一生を左右する――ヘックマン教授の研究成果
非認知能力が日の目を見た日
海外で実感する幼児教育への関心の高さ
日本はすべてが相変わらず予備校化
教師も親もつめ込みから脱却できない問題
早いうちから本を読むことはお勧めしない
幼児期に「読み・書き・計算」の前にすべきこと
計算が速くできても数概念は育たない
文章題ができない理由――論理が把握できていない
第2章 本当に必要な幼児教育
思考力をつけるために必要な「10の力」
第3章 進化する幼児教育──KUNOメソッド
こぐま会の3つの基本理念「教科前基礎教育」「事物教育」「対話教育」
集団で学習する意義
読解力を身につけるために
「聞く・話す」をもっと大事に
第4章 学力より意欲の時代へ
お受験向きの子どもが受からない
小学校入試でなぜ「行動観察」が行われるのか
学校が望む子どもが変わってきた
伸びる子と非認知能力
非認知能力を育てる6つの教育
第5章 幼児教育が目指すゴール
幼児教育によって将来どうなる?
幼児期の考える力は「アクティブ・ラーニング」でしか育たない
おわりに
◆書籍情報◆
書名:「考える力」を伸ばす AI時代に活きる幼児教育
発売日:2019年1月17日(木)
著者:久野泰可
定価:本体780円+税
集英社新書
URL:https://shinsho.shueisha.co.jp/
◆著者プロフィール◆
久野泰可(くの やすよし)
1948年、静岡県生まれ。横浜国立大学教育学科を卒業後、現代教育科学研究所に勤務し、1986年、幼児教育実践研究所「こぐま会」代表に就任。常に幼児教育の現場に身を置き、その実践を通して作り上げた独自カリキュラム「KUNOメソッド」は中国、韓国、ベトナム、タイ、シンガポールなどの幼稚園・教室で導入されている。著書に『子どもが賢くなる75の方法』(幻冬舎)『3歳からの「考える力」教育』『間違いだらけのお受験』(ともに講談社)など。
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