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建築物の金属製内外装工事を手がける菊川工業株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:宇津野嘉彦、以下菊川)は、従来のオーダー製品製作で培ったノウハウを活かし、選定製品を一部規格品化あるいはパターン化することでセミオーダー建材化し、「Kikukawa City Texture/キクカワ・シティ・テクスチャー(以下KCT)」シリーズとして2018年5月より販売を開始いたします。
これは、コスト削減や工期低減が求められる中でも独自性を出したい根強いニーズを踏まえたもので、セミオーダー化による検討期間や製作期間・コストの低減を実現しつつ意匠性を確保した金属建材を、菊川が提案するラインアップの一つとして展開することで、従来のオーダー販売形態や販売経路と異なる市場や顧客層を狙います。
KCTシリーズ第一弾として刻み巾をひし形などに圧延したメッシュ状の金属建材である内外装用の「エキスパンド・メタル」の標準寸法と取付工法を定め、エキスパンドの網目と仕上を数パターン用意し、カタログに集約。これをグループ会社であるキクカワタクト株式会社が販売します。
また、これらセミオーダー建材は、従来のオーダー製品業態と連携することも出来るため、菊川が設計から施工まで対応することで、規格外のサイズや材質・仕上への対応、そして曲げや溶接といった他の金属加工とあわせることも可能です。
■ KCT(Kikukawa City Texture/キクカワ・シティ・テクスチャー)シリーズ開始の経緯
コストや効率性が重視される近年の金属建材業界では、規格品からデザインを選択することで、コストを抑える流れが主流となっており、その中でも、意匠性とコストが両立できるデザインや方法が模索されています。
従来の菊川の特注販売形態では、設計自由度や品質も高い製品対応を得意としていたものの、プロジェクト毎に材質から仕上・納まり・製作方法など、多岐にわたる項目を全て検討していたため、検討製作に時間を要し、コストが高くなりがちでした。
変化するニーズや、より幅広いお客様への対応を可能にするために、菊川はこれまでの実績から、一部の営業品目をセミオーダー建材としても対応できるよう、シリーズ化を検討し、この度KCTシリーズとして始動します。象徴的なビルやモニュメントなど、意匠性を重視するプロジェクトの設計から施工まで参画することで培ったノウハウを集約した取付工法や仕上をパターン化することで、検討期間や製作時間・コストを低減しつつ、意匠性を両立しました。
これら製品を販売代理店など、従来とは異なる販売経路も併用して展開することで、対応が難しかった顧客層や小規模建築、より短納期のプロジェクトにも、対応することが出来ます。
■ シリーズ第一弾「エキスパンド・メタル」のセミオーダー化メリット
エキスパンド・メタルは、下地取付可能部分が通常金属製品と比べ少ないため、機能性と意匠性を両立した固定工法が課題となります。また、オーダー製品である場合、パターンや材質・仕上げ・固定方法・製作方法の検討を一から行うため、高額で納期がかかります。
今回開発し、規格品化した新取付工法は、従来のオーダー製品製作のノウハウや実績を集約したもので、機能性や意匠性・施工性向上を確保しています。また、標準化することで、固定部の強度・重量計算の簡略化などの検討時間、金型製作期間や製作費を抑えることで、従来の特注品と比べ2週間の製作期間短縮と20%のコスト削減へとつなげることができました。
■ KCTシリーズ「エキスパンド・メタル」の詳細
・製品名:KCT01「エキスパンド・メタル」
・標準価格:29,800円/m2~
・材質:アルミ
・仕上:
1)アルマイト*+クリアー
2)二次電解着色**(黒)+クリアー
3)粉体塗装(メタリック除く)
・標準寸法:幅 890mm x 長さ1790mm
・最大寸法:幅1200mm x 長さ4000mm
注1:送料や取付費は別途となります。
注2:パターンや仕上げによって、価格が変動しますので、ご相談ください。
*アルマイト:耐食性や耐摩耗性を向上させるために、アルミの表面に皮膜を生成する処理法
**二次電解着色:アルマイト皮膜の生成後、専用の電解液層で着色する方法。色調としては、ブロンズ系でステンカラーからブラックまで可能。
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000173687&id=bodyimage1】
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000173687&id=bodyimage2】
■ 「エキスパンド・メタル」とは
エキスパンド・メタルとは、千鳥状に入れた刻み巾をひし形や亀甲型に圧延した、メッシュ状の金属板です。対応材質が鉄・ステンレス・チタン・アルミや銅板など、さまざまであり、刻み巾のピッチや圧延幅・形状、さらには圧延後の全厚を変えることで開口率や印象を変えることができます。網のような継ぎ目がなく強度があるため、エキスパンド後の曲げや溶接といった金属加工も可能です。また、圧延することで通常板金より広範囲な金属板として使用でき、余材のないエコな製品としても知られています。
エキスパンド・メタルは多種で加工性に富んでおり、軽量であるため、フェンス、自動車車体の部品、通信機器など、用途は幅広く、業界を問いません。
建築業界では、適度な遮断性と開放感を確保できるため、ルーバーやファサードとして使用されています。網に近い形状のものが多い中、今回発表の新パターンは、意匠性を意識し、刻み巾のピッチを広く、そして全厚が厚いものを提案しています。
■ KCT「エキスパンド・メタル」の狙い
エキスパンド・メタルは、パターン・材質・仕上げや固定部工法など多種であるため、オーダーメイドでは検討事項が多く、決定や製作期間が長くなりがちでした。規格品化で検討事項を減らし、従来業態では納期や価格的にターゲットから外れてしまっていた顧客、特に活性化が見込まれる改修工事や建物の省エネ化を目指す施主や設計事務所からの製品採用を狙います。
■ KCTシリーズの今後の予定
KCTシリーズの販売窓口を子会社であるキクカワタクト株式会社とし、代理店を通じた販売も積極的に行うなど、従来とは異なる販売経路で幅広い顧客展開を目指します。今後は、順次新たな製品をラインアップに追加することを予定しています。
製作においては、従来業態と連携させることで、他材質や仕上・パターン・寸法をはじめとするオーダー対応はもちろん、パンチングや曲げ・3次元形状といった金属加工をあわせることが出来ます。
■ 菊川工業会社概要
菊川工業は1933年創業の創業以来、つねに時代をリードする建築物に参加してきました。
例えば国内では、お台場にあるチタン球体や銀座にある有名ブランドビルの内外装・東京スカイツリー・すみだ北斎美術館・世界遺産「薬師寺」の食堂(じきどう)復元工事における化粧天井。
海外では、ロンドンのブルームバーグ新社屋のブロンズ工事やノーマン・フォスター卿の財団パビリオンのステンレス鏡面天井パネル工事に携わっています。
オーダー製品製作という形態では、初めて挑戦する事柄も多く、新しい材質や仕上、金属加工技術では複雑な曲げや3次元加工・大型パネルにも対応してきました。
2009年からは環境製品にも取り組んでおり、ソーラーLED街路灯や輻射冷暖房システムといった製品の開発・販売・製作も行っています。
2017年からはOSSシステムとして、内装・インテリア工事にも取り組むなど、常に新しい課題に挑み続けています。
[社名] 菊川工業株式会社
[代表者] 宇津野 嘉彦 (うつの よしひこ)
[所在地] 本社:東京都墨田区菊川2-18-12
工場:キクカワテクノプラザ/千葉県白井市中98-15 白井工業団地
[設立] 1933年11月1日
[従業員数] 192名(2017年12月20日現在)
[URL] https://www.kikukawa.com/
[関連会社] キクカワタクト株式会社