住み慣れた我が家で最期を迎えたいというのは、多くの人の切実な願いです。

厚生労働省の調査によると、6割以上の人が自宅での療養を希望していますが、自宅で最期を迎えられている人はわずか1割程度にとどまり、8割近くの人が病院で亡くなっています。一方、政府は高齢化の進展に伴って増え続ける医療費の削減を目指し、病床数を一気に減らそうという動きをとっています。その際に必要とされているのが自宅での療養です。在宅医療は国民と政府、双方のニーズを満たすものとして注目を集めているのです。

しかしながら、実際に利用する側の不安は決して小さくありません。どこまで面倒をみてくれるのか、容体が急変したときにはどうすればよいのか、週に何回みてくれるのか、家族の負担はどの程度なのか、看取りはどうすればよいのか……。

在宅医として500人以上の患者とその家族と向き合ってきた著者は、在宅医療を正しく理解していない人があまりにも多いことに警鐘を鳴らしています。そしてその背景には、多くの在宅医があるべき医療を提供できていないことがあるといいます。

本書では、著者が実際に経験したことをベースに在宅医の葛藤や悩みを「告白」することで、本当にあるべき医療とはなにか、本当の幸せとはなにかを伝えています。




【書籍情報】
書 名:『在宅医の告白 「多死社会」のリアル』
著 者:米田 浩基(ヨネダ ヒロキ)
発売日:2018年2月28日
定 価:1,512円(税込) 
体 裁:四六判並製/278ページ
ISBN :978-4-344-91545-9

【目次】
第1章 迫り来る「多死社会」――最期をどこで迎えるか?
第2章 増える終末期医療の選択肢――患者も家族も迷っている
第3章 患者さんが望む「本当の幸せ」を実現するために――在宅医のミッションと苦悩
第4章 住み慣れた我が家で最期を迎えたい――本人の希望をかなえる「幸せな看取り」とは
第5章 患者さんの思いに最期まで寄り添う――在宅医療は多死社会に必須

【著者プロフィール】
医療法人社団千優会藤沢在宅クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業。医師免許取得後、脳卒中を深く診るため脳外科の専門病院などに勤務。日本脳神経外科学会と日本頭痛学会の専門医。介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格を取得したのち、かねてから興味のあった在宅医療の現場に飛び込む。2014年藤沢在宅クリニックを設立し現在に至る。500人以上の患者に対して24時間365日体制で向き合っている。




情報提供元: Dream News