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2017年10月4日(水)、清原織物の「SOHACHIの名刺入れ」が2017年度グッドデザイン賞を受賞しました。西陣織の歴史上で最も古く、およそ四千年の歴史を誇る伝統工芸の「綴織(つづれおり)」の特性をうまく生かしながら、洗練されたスタイリッシュなデザインと日本古来の和裁技術「千鳥がけ」の機能性を高く評価していただきました。
【 審査員のコメント 】
伝統的な工芸品としてのデザインをうまく生かした機能性の高い製品と言える。ひとつひとつ丁寧に制作されている点で好感が持てる。多彩な色の組み合わせが提案されており、小さな製品の中での平面構成が美しく、プレゼンテーションまで統一された、全体的なコレクションとしても優れている。
【 3つの特徴 】
特徴(1)
先人の知恵から、新しい発見。和裁の伝統的な手縫いの技法「千鳥がけ」に優れた機能性を見い出しました。一般的な名刺入れのマチは、紙袋のマチのように内側に折り畳まれる為に、格納部を考慮してポケットを大きく設計しなければなりません。さらに、生地が折り重なる部分は、必然的に分厚くなってしまいます。しかし、糸で構成された千鳥がけは伸縮性がありながら、格納部が必要ありません。実はマチとしての利便性と機能性を兼ね備えていたのです。
特徴(2)
縦糸が見えない独自の組織構造と、天然シルクの上質な光沢と品のある生地感は控えめながらも存在感を放ち、目線を惹きつけます。さらに引張強度は最大で本革の約五倍です。(工業技術センター調べ)文化財などに使われている100年以上前の綴織の幕地が、その美しさと強さを証明しています。
特徴(3)
スリムでコンパクトなフォルムだから、シャツやジャケットのポケットに入れても目立ちにくく、服のシルエットを崩しません。デスクに置かれていても美しく見えるように、全体のフォルムは人が最も美しいと感じる黄金比(1:1.618)の比率で設計しました。
【 綴織とは? 】
綴織は西陣織の中でも最も古い歴史ある織物です。その歴史は非常に古く、起源については世界各地で諸説ありあますが、紀元前1500年頃のコジプトの古代遺跡から出土しているものが世界最古といわれており、実に約4000年の歴史をもつ織物です。 日本には1300年前の飛鳥時代の頃に伝わったとされ、古来より神社仏閣の装飾用の幕地として利用されてきました。中でもギザギザに研いだ爪先を巧みに使う「爪掻き本つづれ織り」はその高い表現力と芸術性から、最上級の芸術品と称されてきました。
【 清原織物について 】
創業明治六年。始祖は室町時代にまでさかのぼると伝わっています。先祖は京都御室地区で操業しており、大正9年に京都御室地区から滋賀県守山市へと拠点を移し、代々家業として綴織を継承。皇室(今上天皇)への献上経験もあり、神社仏閣の幕地の復元新調や横綱の化粧回しの制作にも携わり、儀式用の袱紗・着物の名古屋帯などを主に制作しています。また、8代目岩次郎がはじめた劇場用のどん帳の制作も行っています。
【 自社ブランドSOHACHIについて 】
綴織はおよそ四千年の歴史を誇る織物でありながら、非日常的な商品が多く、一般には知られていません。この長い歴史のバトンを預かる現代の作り手として、未来の次の世代につなげる役割があると考えています。アンカーではなくランナーであるために、その手段として「SOHACHI」を立ち上げました。「伝統を織り込み、未来を綴る」というブランドコンセプトを掲げ、現代に調和するものづくりに取り組んでいます。
【 東京ミッドタウンで期間限定販売! 】
グッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2017」に出展します。
本年 11 月 1 日(水)から東京ミッドタウンで開催される、最新のグッドデザイン全件が集まる受賞展「GOODDESIGN EXHIBITION 2017」において、「SOHACHIの名刺入れ」が本年度受賞デザインとして紹介されます。また、イベントに合わせてOPENするポップアップストアにて販売も致します。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2017
会期:11 月 1 日(水)~11 月 5 日(日)
会場:東京ミッドタウン(東京都港区六本木)
http://www.g-mark.org/gde2017/