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スリーシェルズの西耕一は、企画構成を行う、黛敏郎メモリアルコンサートVol.2の内容を7月4日に発表した。
4月よりはじまった「没20年、生誕88年となる黛敏郎メモリアルシリーズ(全3回)」のVol.2は、「黛敏郎作品による野平一郎ピアノ・リサイタル」として、ピアノの可能性を多角的に探求します。
コンサートは、7月21日(金・18:45~オペラシティリサイタルホール)にてが開催されます。
Voll.1は黛敏郎の多彩な仕事を編成、演奏者も多様にとりあげました。
Vol.2は、野平一郎による演奏で、黛敏郎のピアノ作品を「全曲」(現時点で確認できた全曲)取り上げます。
黛敏郎の東京音楽学校(現在の東京藝術大学)入学直後の作品番号0番の「12の前奏曲」、ジャズのイディオムを使った「オールデウーヴル」、留学直前に書き上げた「バレエかぐや姫」のピアノ曲、パリ留学を経て電子音楽や様々な経験を経たあと、「涅槃交響曲」を作曲中に書いていた「プリペアド・ピアノと弦楽のための小品」(日本初のプリペアド・ピアノ使用曲)、世界中の映画音楽ファンが知る「天地創造」のピアノ組曲、作曲当時の資料と草稿、NHK電子音楽スタジオでの初演録音を分析、解析して、楽譜を復元して、当時の音響を現代に蘇らせての舞台初演となる「マルチピアノのためのカンパノロジー」などを演奏します。作曲家、ピアニスト、指揮者、教育者など、幅広い活動を行う野平一郎の精緻で、奥深い表現によって黛敏郎の音楽へ新たな光が当たる一夜となることでしょう。
【黛敏郎作品による野平一郎ピアノリサイタル 黛敏郎メモリアルVol.2】
黛敏郎没20年・生誕88年シリーズ
2017年7月21日19時開演 東京オペラシティリサイタルホール(B1F)初台駅直結
予定曲目
プレコンサート18時45分より 「弦楽四重奏のためのプレリュード」(1961)
19時から(記載は演奏順ではありません)
・12の前奏曲op.0(1945-1946)
・オールデウーヴル(1947)
・バレエ「かぐや姫」より「金の枝の踊り」(1950)
・プリペアド・ピアノと弦楽のための小品(1957)
・映画「天地創造 」組曲(1965)
・マルチピアノのためのカンパノロジー(1967/復元・舞台初演)
ピアノ:野平一郎 音響:磯部英彬 企画構成:西耕一
楽譜作成:青島佳祐、青柿将大、助川舞
弦楽四重奏:トリプティークSQ:三瀬俊吾、荒井智子、伊藤美香、任キョンア
■一般4000円 学生2000円 高校生以下1000円
■チケット販売:03-5353-9999(オペラシティチケットセンター)
■webチケット予約 https://www.3s-cd.net/concert/mm/vol-2/
■問:jcacon@gmail.com 070-5464-5060
制作:スリーシェルズ、JCA、青島佳祐
黛敏郎 Toshiro MAYUZUMI
1929年(昭和4年)2月20日、横浜生まれ。
東京音楽学校(東京藝術大学)へ入学、池内友次郎、伊福部昭等に師事。1948年(昭和23年)に作曲した「十個の独奏楽器の為のディヴェルティメント」により、才能を認められる。1950年(昭和25年)作曲の「スフェノグラム」は、翌年の国際現代音楽祭に入選、その名が内外に知られる。1951年(昭和26年)パリ・コンセルヴァトワールへ留学、トニー・オーバン等に学ぶ。フランスから帰国後、我が国で初めての電子音楽を手がけると共に「ミュージック・コンクレートの為の作品X・Y・Z」等を発表。1953年(昭和28年)芥川也寸志、團伊玖磨等と「3人の会」を結成。また、吉田秀和等と「二十世紀音楽研究所」を設立。雅楽・声明をはじめ、日本の伝統音楽にも造詣を深める一方、バレエ、オペラ、映画音楽とシンフォニックな大作を多数作曲。1964年(昭和39年)より、テレビ番組「題名のない音楽会」の企画、出演。東京藝術大学講師、茶道「裏千家淡交会」顧問、評議員。「日本作曲家協議会」会長、「日本著作権協会」会長などを歴任した。
1997年(平成9年)4月10日逝去。
野平一郎(作曲・ピアノ・指揮)
1953年生まれ。東京芸術大学、同大学院修士課程作曲科を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。作曲、ピアノ、指揮、プロデュース、教育などの多方面にわたる活動を行う。
ピアニストとしては内外の主要オーケストラにソリストとして出演する一方、多くの内外の名手たちと共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までレパートリーは幅広い。マヌリやベンジャミン、松平頼則の作品を世界初演、またリゲティ、武満徹作品他の日本初演を行なう。80曲以上に及ぶ作品の中には、フランス文化庁、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、ベルリンドイツ交響楽団、国立劇場その他からの委嘱作品がある。2002年に東京でエレキギター協奏曲「炎の弦」をスティーヴ・ヴァイのソロで、2005年にはドイツでオペラ「マドルガーダ」をケント・ナガノ指揮で、2006年にはチェロとオーケストラのための「響きの連鎖」を堤剛のソロで、また2012年にはパリでサクソフォンとコンピュータのための「息の道」をクロード・ドラングルにより初演。2013年にはモスクワで開催された「ザ・シーズンズ国際音楽祭」、2014年には台北国際現代音楽祭に招聘され多くの作品が演奏された。2016年2月にはモントリオール交響楽団委嘱作品「祝典序曲」がケント・ナガノの指揮で世界初演され大成功を収めた。同年6月にはサントリーホール委嘱による『触知できない領域~チェロとピアノのための~』、10月にはサントリー芸術財団主催「作曲家の個展2016」において、『管弦楽のための「時の歪み」』、西村朗氏との共作による『ピアノ協奏曲〈クロッシングA・I〉』が立て続けに初演され、いずれも圧倒的な成功を収めた。第13回中島健蔵音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞、第35回サントリー音楽賞、第55回芸術選奨文部科学大臣賞、第44回、第61回尾高賞を受賞。2012年には紫綬褒章を受章。現在、静岡音楽館AOI芸術監督。東京藝術大学作曲科教授。
トリプティーク・カルテット(オーケストラ・トリプティークメンバーによる)
ヴァイオリン 三瀬俊吾(みせ・しゅんご)
東京音楽大学卒業後、桐朋学園大学院大学修了。篠崎功子、岡山潔、藤原浜雄の各氏に師事。第1回横浜国際音楽コンクール弦楽器一般部門第1位。同コンクールより奨学金を得、パリ・エコール・ノルマル音楽院へ留学。ドゥヴィ・エルリ、原田幸一郎の両氏に師事。千々岩英一氏の指導も受け、パリでソロや室内楽、新作の演奏活動も行う。2010年帰国。「mmm...」を結成し、東日本大震災義援音楽配信プロジェクト「ヒバリ」では国内外から100作品を録音、ネット配信した。古典落語と現代音楽を取り上げた「淡座」、「室内楽 '70」の全委嘱作品を再演した「リレーション '70」など、ソロや室内楽やオーケストラなど幅広く活動中。桐朋学園芸術短期大学非常勤講師
ヴァイオリン 荒井智子(あらい・さとこ)
東京音楽大学付属高校・同大学を経て同大学院修了。
ヴァイオリンを景山誠治、浦川宜也の両氏に、室内楽をD.フェイギン氏に、
ヴィオラを百武由紀氏に師事。
東京音楽大学付属高等学校非常勤講師。東京音楽大学付属幼稚園助手。
東京音楽大学教職課程管弦楽指導助手。
ヴィオラ 伊藤美香(いとう・はるか)
東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。在学中に特待生奨学金を得る。
くらしき作陽大学音楽学部研究生修了後、同大学の非常勤講師を勤め、
現在、尚美学園大学オーケストラ演奏員、アンサンブル・アープルスのメンバー、オーケストラ・トリプティークの団長を務める。
第七回日本アンサンブルコンクール室内楽部門にて優秀演奏者賞・全音楽譜出版社賞、
第七回大阪国際音楽コンクールアンサンブル部門第三位受賞。
別宮貞雄氏の「ヴィオラ協奏曲」を井上道義氏指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢と共演。
また、西村朗氏の「ヴィオラ協奏曲」、水野修孝氏の「ヴィオラ協奏曲」(初演)を、
水戸博之氏指揮によるオーケストラ・トリプティークと共演。
これまでにヴィオラを兎束俊之氏に師事。
チェロ 任炅娥(いむ・きょんあ)
宮城県仙台市出身。東京音楽大学を経て、同大学院科目履修修了。
在学中、オーディション合格者による室内楽演奏会に出演。
現在、ソロや室内楽、オーケストラなどで活動する傍、音楽教室講師も務める。
その他、NHK教育TV「ゆうがたクインテット」の人形操演や、飯舘村のドキュメンタリー「遺言」のエンディング演奏を担当するなど活動の幅を広げている。
これまでにチェロを山本純、勝田聰一、苅田雅治、ドミトリー・フェイギンの各氏に師事。
音響:磯部英彬(いそべ・ひであき)
作曲家。メディアアーティスト。東京音楽大学非常勤講師。
1982年山梨県出身。作曲及び音響技術、コンピューター音楽を土屋雄氏に師事。コンピュータを中心とした作曲活動のほか様々な他の作曲家の電子作品のオペレーターを担当する。オペラ「RAMPO2011」(土屋雄ほか作曲)や、和光大学特殊音楽祭、2016年にAura-Jで初演された山本和智の打楽器協奏曲、スリーシェルズの「黛敏郎個展」など幾多の公演で音響技術を務めた。MAXIMUM主宰。スリーシェルズ所属。
楽譜作成・ライブラリアン:青島佳祐(あおしま けいすけ)
静岡県出身、東京藝術大学作曲科卒業。これまでに渡会美帆、有馬禮子、野平一郎に師事。大学在学時、木曜コンサートに弦楽四重奏が推薦、演奏された。第20回東京国際室内楽作曲コンクールで入選。第12、14回弘前桜の園作曲コンクール一般の部で共に2位。第85回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽)にて入選。軽井沢国際音楽祭ライブラリアン。スリーシェルズ所属。
西耕一 (企画プロデュース)
日本の現代音楽評論と企画を専門とする。2004年より、日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズにて、伊福部昭や3人の会(黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志)を中心に演奏・CD化を行う。これまでにNHK 、東京藝術大学、日本作曲家協議会、日本現代音楽協会等、放送局や研究機関の依頼による企画協力や、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京バレエ団、新国立劇場等のプログラム冊子執筆で評価される。執筆雑誌は『音楽現代』、『音楽の友』、『邦楽ジャーナル』、『バンドジャーナル』、『New Composer』等。
近年の主な仕事として、セントラル愛知交響楽団による日本の管弦楽曲100周年企画選曲や東京フィルハーモニー交響楽団黛敏郎個展における論文のほか、『松村禎三 作曲家の言葉』(春秋社)や『黛敏郎の世界』(ヤマト文庫)の企画・編集、CD『松村禎三作品集』(Naxos Japan)解説などがある。
関連URL
黛敏郎サイト
http://www003.upp.so-net.ne.jp/johakyu/
黛敏郎Facebookページ
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