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スリーシェルズはWINDS CAFEと共催で10月18日に「日本のヴィオラ傑作集」を開催する。
日本で最初に作られたヴィオラ・ソナタである諸井三郎の作品から、水野修孝の新曲まで6作を上演する。
演奏は西村朗のヴィオラ協奏曲のソロで作曲者にも絶賛された伊藤美香のヴィオラ、鍛えぬかれた耳と柔軟な思考を持つ中川俊郎のピアノでお届けする。
企画と司会を務めるのは音楽評論の西耕一。
演目のなかでも幻の傑作とされる矢代秋雄(1929-1976)のヴィオラ・ソナタ(1949)の上演は、これまで録音もなく、楽譜も未出版であった。ヴィオラ奏者による演奏は初とされ、日本音楽界の巨匠が若き日に作曲した幻の作品の復活上演に音楽関係者から多数の期待と注目が集まっている。
WINDS CAFE × スリーシェルズ共催企画
【日本のヴィオラ音楽傑作集】
伊藤美香(ヴィオラ)
中川俊郎(ピアノ)
西耕一(企画・構成)
2015年10月18日(日) 午後2時半開場 午後3時開演
スペース Do 東京都新宿区百人町2-8-9(管楽器専門店DAC地下) 新大久保駅から徒歩約3分
http://www.kkdac.co.jp/do/#anc1
入場無料(投げ銭方式) 差し入れ大歓迎!(特にお酒や食べ物)
※できるだけ開演時刻に遅れないようご来場ください。
14:30 開場
15:00 開演
17:00 終演
設営の撤収後、交流パーティー(差し入れ飲み物などによる)
▼プログラム
諸井三郎(1903-1977):ヴィオラとピアノのためのソナタ(1935)
鈴木行一(1954-2010):ヴィオラとピアノのための響唱の森(2009・遺作)
水野修孝(1934-):無伴奏ヴィオラのための四章(委嘱初演)
西村朗(1953-):ヴィオラ独奏のための「鳥の歌」による幻想曲(2005)
真鍋理一郎(1924-2015):ヴィオラとピアノのための長安早春賦(1988)追悼演奏
矢代秋雄(1929-1976):ヴィオラとピアノのためのソナタ(1949)
■コンサートについて
日本のヴィオラ音楽、その第一歩は、80年前に諸井三郎のヴィオラ・ソナタで始まりました。しかし、LP時代に録音が出たきりです。
諸井の弟子・矢代秋雄は戦後日本初のヴィオラ・ソナタを作りましたが、初演もされず埋もれてしまいました。フランス留学前の若き矢代の音楽への夢が詰まった作品です。何故これが埋もれていたのでしょう。
矢代と同じく、伊福部昭と池内友次郎に習った真鍋理一郎の長安早春賦は、21絃箏とヴィオラのために作曲された作品をリアレンジしたもので、この楽器の妖しい魅力を引き出した佳作です(追悼演奏)。
西村朗の「鳥の歌」による幻想曲は、カザルスの演奏で知られる「鳥の歌」を使ったもので、深い祈りの声が聴こえる傑作です。
黛敏郎時代の題名のない音楽会などで活躍した鈴木行一は伝統を踏まえた色彩と響きの絶妙な采配を聴かせます。
81歳の水野修孝は無伴奏曲で過去から未来へ音楽の歴史をたどり、ヴィオラの可能性を追求します。
これら傑作と、これから傑作と称されるであろう曲を上演。演奏は西村朗のヴィオラ協奏曲のソロで作曲者にも絶賛された伊藤美香。鍛えぬかれた耳と柔軟な思考を持つ中川俊郎のピアノでお届けします。
■WINDS CAFE とは
WINDS CAFE とは、1997年1月から、川村龍俊が、音楽を中心に美術演劇映画などさまざまなジャンルの方々に企画していただきながら続けている、イベント+パーティーです。いわゆる「オフ会」ではありません。基本的に入場料は無料、出入り自由で、パーティーでの飲食は参加者のみなさまからの差し入れを期待しております。ご来場にあたって予約は必要ありません。WINDS CAFE のコンセプトは、「好きなことやものを楽しんでいる人と一緒にいるのはなんて楽しいことだろう」です。出演を依頼するときには、このコンセプトを共有していただけることが条件になっています。
第1回から第120回までは現代陶芸家の板橋廣美氏の私邸である東京吉祥寺の空中庭園 WINDS GALLERY を、第121回から第135回までは建築家藤村貞夫氏の私邸である東京三軒茶屋の住宅街の隠れ家レンタルスペースSFを、第136・137回は現代美術コレクターの増井常吉氏の私邸である住宅街の秘密基地 MACA GALLERY を会場として行ってきましたが、2008年6月の第138回以降は、内容によって最適な場所を選んで開催します。
1997年1月にスタートした WINDS CAFE も、2015年には、ついに19周年目を迎えることになりました。
http://www.st.rim.or.jp/~mal/Cafe/
▼プロフィール
●伊藤美香(いとう・はるか)
北鎌倉女子学園高等学校音楽科(ヴァイオリン)を卒業し、ヴィオラ専攻として東京音楽大学・同大学院修士課程修了。在学中に特待生奨学金を得る。くらしき作陽大学音楽学部研究生修了後、くらしき作陽大学音楽学部非常勤講師を勤める。
学生時代からアンサンブルやソロ活動を通じて、古典からクラシックまでヴィオラ音楽の普及と開拓のため活動する。近年はオーケストラ奏者として、日本人の新作初演や復活上演にも関わり、別宮貞雄氏の「ヴィオラ協奏曲」を井上道義氏指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢と共演(くらしき作陽大学管弦楽団特別演奏会にて)。西村朗氏の「ヴィオラ協奏曲」、水野修孝氏の「ヴィオラ協奏曲」(初演)を、水戸博之氏指揮によるオーケストラ・トリプティークと共演。
第七回日本アンサンブルコンクール室内楽部門にて優秀演奏者賞・全音楽譜出版社賞、第七回大阪国際音楽コンクールアンサンブル部門第三位受賞。
これまでに、ヴィオラを兎束俊之、室内楽を河合訓子、浦川宜也、ドミトリー・フェイギン、ヴァイオリンを鈴木稔、田尻かをり、大谷康子、指揮を船橋洋介の各氏に師事。
アンサンブル・アープルスのメンバーとして活動し、オーケストラ・トリプティークの代表を務める。
●中川俊郎(なかがわ・としお)
作曲家、ピアニスト。1958年東京生まれ。
桐朋学園大学作曲科卒業。作曲を三善晃、ピアノを末光勝世、森安耀子各氏に師事。70歳になるジョン・ケージを迎えて行われた「Music Today '82(武満徹企画構成)」の一環として開催された10周年記念国際作曲コンクールで第1位を受賞し、ケージにも高く評価される。1988年村松賞、2009年、サントリー芸術財団主催で「作曲家の個展2009、中川俊郎」が開催され、その成果に対して、第28回中島健蔵音楽賞受賞。他にCM音楽界において「ACC賞」等多数受賞。
これまでに歌手の木村弓、邦楽囃子笛方の福原徹、ダンスカンパニー「パパ・タラフマラ」の演出家、小池博史らともコラボレーションを重ね、また2005年にTrp.曽我部清典、Bar.松平敬とともに結成した「双子座三重奏団」の活動も近年注目されている。
東芝EMIから、自作のサントリー「烏龍茶CM曲シリーズ」を収録したCD「chai」.「cocoloni utao」などをリリース。テレビ朝日「題名のない音楽会」などテレビ出演も多数。
現在、日本現代音楽協会副会長、日本作曲家協議会常務理事、作曲家団体「深新會」副代表、お茶の水女子大学非常勤講師、エル・システマジャパン作曲講師。
●西耕一(にし・こういち)
日本の現代音楽評論と企画を専門とする。2004年より、日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズにて、伊福部昭や3人の会(黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志)を中心に演奏・CD化を行う。
これまでにNHK、東京藝術大学、日本作曲家協議会、日本現代音楽協会等、放送局や研究機関の依頼による企画協力や、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京バレエ団、新国立劇場等のプログラム冊子執筆で評価される。執筆雑誌は『音楽現代』、『音楽の友』、『邦楽ジャーナル』、『バンドジャーナル』、『New Composer』等。
近年の主な仕事として、セントラル愛知交響楽団による日本の管弦楽曲100周年企画選曲や東京フィルハーモニー交響楽団黛敏郎個展、京都市響黛敏郎個展、伊福部昭音楽祭、伊福部昭百年紀シリーズ、芥川也寸志生誕90年メモリアル、渡辺宙明卆寿記念コンサートシリーズなど。『松村禎三 作曲家の言葉』(春秋社)や『黛敏郎の世界』(ヤマト文庫)の企画・編集、CD『松村禎三作品集』(Naxos Japan)解説などがある。
オーケストラ・トリプティークと展開する「日本の作曲家シリーズ」では、日本の前衛音楽、近現代音楽、映像音楽をテーマにコンサートを行っている。
■本件や所属・関連アーティストに関するお問い合わせは下記までお願い致します。
株式会社スリーシェルズ
〒170-0013 東京都豊島区東池袋5-7-6-604
TEL:070-5464-5060
http://www.3s-cd.net/
メール jcacon@gmail.com
担当:西