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株式会社ビジネス社(東京都新宿区:代表取締役社長 唐津隆)は、2015年8月21日に『非婚ですが、それが何か!?』を発売いたしました。
本書は、現在、訪れつつある「非婚時代」という現実を見つめ直し、旧来の結婚や家族観を超えて、幸福になるための方法を気鋭の社会学者上野千鶴子と水無田気流の二人が探求した1冊です。
日本人は、今なお結婚へのこだわり強く、晩婚化・非婚化の進行や、離婚率の上昇にもかかわらず、出産・育児となると、今なお婚姻関係にある「普通の」カップル以外認められないとの規範が根強いため、婚外子出生率は極めて低い状況です。一方、昨今は急速な「結婚離れ」も指摘され、生涯未婚率は上昇の一途を辿り、男性の2割、女性の1割が生涯未婚となっています。このまま行けば、男性の3人に1人、女性の4人に1人が一生独身の社会がやってくると言われています。
「結婚へのインセンティブ」に対しても変化が見られていて、たとえば、未婚男女の8割以上が「いずれ結婚するつもり」と回答しているものの、若年男性では「積極的非婚選択者」が急増しています。具体的には、平成25年版『厚生労働白書』によれば、「一生結婚するつもりがない」と回答した者は、女性は過去28年で2倍になりましたが、同男性では5倍超になってきています。その背景にあるのは、旧来の幸福な家庭像、すなわち「夫は一家の大黒柱として妻子を養い、妻は専業主婦として家事育児に専念し、子どもに高等教育を受けさせ、マイホーム・マイカーを所有」……という高度成長期に形作られた家族観と、若年層の「現実」とのズレだと、本書では指摘しています。つまり、「戦後昭和的幸福観」は、今や家計破綻リスクの高いライフスタイルとなったと言えそうです。
一方で、誰もが結婚することを前提に作られた社会制度や地域社会のあり方は、今や「制度疲労」という側面も指摘されています。今後も増加が見込まれる孤立死や介護の担い手の枯渇などは、既存の「結婚を前提とした社会」では対処が困難です。これらの観点から本書では、(1)結婚をリスク視する若年男性、(2)女性の今なお高い結婚への期待値というリスク、そして(3)誰もが結婚することを前提として設計された社会の抱えるリスクの三点を軸に、考察しています。
本書の構成
第一章 非婚時代
第二章 シングル社会と少子化を迎えて
第三章 非婚時代の家族の肖像・親子関係の真実
第四章 オス負け犬と女子文化の爛熟
第五章 非婚時代のセクシュアリティ
第六章 非婚時代をどう生きるか
非婚という烙印 / 結婚願望は低下していないが、婚姻率は下がっている / 確信犯的シングルの増加 / 一生結婚できないという女子大生の不安 / 保守的な家族観をもっている先進国ほど少子化は進む / 日本の男は世界一孤独 / 父親に期待せず、祖母を当てにする育児 / 結婚させたかったら、兵糧攻めにせよ / 非婚、少子化で困るのは財界だけ / 社畜と家畜の結婚生活 / 専業主婦という上流階級 / オス負け犬という悲惨な存在 / 男の病は、モテればすべて解決!? / 離婚の損得勘定 / 親から分離できない子どもたち(本書見出しから抜粋)
著者:
上野千鶴子(うえの・ちづこ)
1948年、富山県生まれ。東京大学名誉教授。立命館大学大学院先端学術研究科特別招聘教授。NPO法人WAN(ウィメンズアクションネットワーク)理事長。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア。近年は介護とケアの現場にも関心を持ち、積極的にとり組んでいる。『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(紀伊國屋書店)など著書多数。
水無田気流(みなした・きりう)
1970年、神奈川県生まれ。詩人、社会学者。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。詩人として『音速平和』で中原中也賞、『Z境』で晩翠賞を受賞。著書に『シングルマザーの貧困』(光文社新書)、『無頼化した女たち』(亜紀書房)、『「居場所」のない男、「時間」がない女』(日本経済新聞出版社)など。
(著者)上野千鶴子 水無田気流
(価格)1,400円+税
〈発売日〉2015年8月21日
〈出版元〉ビジネス社
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