株式会社パテント・リザルトは2015年7月23日、日本に出願された感熱記録材料の発色剤について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用い、参入企業に関する調査結果をまとめ、レポートの販売を開始しました。

感熱記録材料は、主に紙など材料表面に特殊薬品が塗工されたもので、熱を加えるだけで印字することができます。インクやトナーが不要で、プリンターの小型化にも適しているため、レシート、FAX、鉄道の切符、検針票などの印字で利用されています。本調査では、この感熱記録材料のうち発色剤に着目し、特許の質と量から総合的に参入企業の競争力を見た「特許総合力ランキング」を集計した結果、1位 王子ホールディングス、2位 リコー、3位 日本製紙となりました。

1位王子ホールディングスの注目度の高い特許には、「塗工に欠陥がなく、発色感度、画質、及び耐薬品性に優れた感熱記録材料」などが挙げられます。

2位リコーは、「高いコントラストで耐久性に優れ、発色・消色の繰返し使用も可能な可逆性感熱記録媒体」などが注目度の高い特許として挙げられます。

そのほか、3位日本製紙は、「発色感度が高く、発色画像および未発色部の保存安定性に優れた感熱記録材料」などが、4位日本曹達は、「湿度、熱、光、可塑剤などに対する保存性が高く、発色剤を混合使用するものの印字前に着色することのない記録材料及び記録シート」などが注目度の高い特許として挙げられます。

5位 ケミプロ化成は、保有する12件の有効特許のうち6件を2006年と2008年に旭化成から、5件を2006年に旭化成ケミカルズからそれぞれ権利取得しています。同社の注目度の高い特許には、「ウレアウレタン化合物を顕色剤として用いた、画像保存性及び発色濃度に優れた新規発色剤」などが挙げられます。

6位以下では、エーピーアイコーポレーション、日華化学、日本化薬、富士フイルム、三菱製紙など、また外国企業ではDATALASE(英)などがそれぞれ上位にランクインしています。

総合力上位5社の注力領域を整理するため、特許庁が定義する「ロイコ染料を発色させる材料」に関するFタームを2000年以降の出願について集計しました。

王子ホールディングスは、「フェノール系、カルボン酸系以外の有機材料」が2000年以降最も多くみられます。2003-2005年の期間以降に同分野を出願する割合がやや減少するものの、直近の2012-2014年にはスルホンアミド化合物などの出願により、再び同分野の割合が高くなっています。

リコーは、2000-2002年の期間は「フェノール系、カルボン酸系以外の有機材料」が最も多いものの、2003-2008年の期間では「モノフェノール」が中心となっています。

日本製紙や日本曹達は、「ビスフェノール」が減少する一方で「ジフェノール」の割合が増加しています。直近の2012-2014年に割合が増加する日本製紙の「フェノール系、カルボン酸系以外の有機材料」には、スルホン酸系化合物やウレアウレタン化合物に関する特許がみられます。

ケミプロ化成は、旭化成や旭化成ケミカルズから権利取得したウレアウレタン化合物に関する「フェノール系、カルボン酸系以外の有機材料」が主体であるものの、近年、新たな出願はみられません。

本分析の詳細については、特許・技術調査レポート「感熱記録材料の発色剤関連技術」にてご覧いただけます。

■価格:100,000円~(税抜)
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情報提供元: Dream News