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—ジレベシランの単回投与後、血清アンジオテンシノーゲンの用量依存的低下と24時自由行動下血圧測定を6か月間継続—
—さらなる開発を支持する許容範囲の安全性プロファイル —
マサチューセッツ州ケンブリッジ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --RNAiに基づく医薬品の大手企業であるアルナイラム医薬品(Nasdaq:ALNY)は、高血圧治療のために開発中の、肝臓発現アンジオテンシノーゲン(AGT )を標的とした試験的RNAi治療薬であるジレベシランに関する第1相試験結果がニューイングランド医学誌(NEJM)に掲載されたことを発表しました。報告書のタイトルは、『高血圧のRNA干渉治療薬、ジレベシラン』であり、ニューイングランド医学誌(NEJM)の2023年7月20日号に掲載されています。報告書では、第1相試験でプラセボと比較してジレベシランは血清AGTの用量依存的低下と関連しており、ジレベシラン(≥ 200 mg)を単回投与した後、24時間一貫して持続的に血圧が低下して強壮血圧調節を達成し、最大6か月間持続したという重要データが公表されました。ジレベシランはまた、継続的な臨床開発を支持する許容範囲の安全性プロファイルを示しました。最も頻繁に起こった治療関連の有害事象は、軽度かつ一過性の注射部位反応でした。
「世界的に見て、高血圧は早期死亡、心血管疾患、慢性腎疾患の主な原因であり、世界の有病率は、人口高齢化や、長期的に見られる肥満、運動不足、不健康な食事といったリスク要因のまん延傾向と並行して着実に増加しています。効果的な高血圧治療が利用可能になったものの、高血圧患者の半数近くはガイドラインで推奨される血圧目標を達成できず、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病の進行および死亡率の残存リスクが残ります。臨床医にとって高血圧の治療を最適化するという課題を一層難しくしている原因は、処方された薬物療法が十分に守られず、通院時と24時間周期の間で血圧が大幅に変動することです」とアクシャイ・デサイ医学博士(本報告書の筆頭著者で、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の心臓血管部門進行性心疾患課「心筋症・心不全プログラム」ディレクター)は述べています。「この文脈では、NEJM に掲載したデータは高血圧に対する新しい皮下投与の遺伝子サイレンシング・アプローチを介した新しい高血圧治療におけるジレベシランの潜在的な役割を示唆しており、興味深いものです。この新たなアプローチにより、通院して投与する回数が少なくて済み、優れた安全性プロファイルを備えた、耐久性のある強壮性血圧調節ができるかもしれません。さらに臨床試験を行うことで、高血圧患者増加における臨床的転帰を改善するこのアプローチの可能性について、さらなる手掛かりが得られるでしょう。」
「NEJMで発表されたデータは、ジレベシランが高血圧患者の継続的な血圧調節をサポートし得る、効果的かつ高度に差別化された治療となる可能性を示唆しています」と、アルナイラムの副社長でジレベシラン・プログラム責任者を務めるサイモン・フォックス博士は述べています。「この目標に向け、当社は現在、KARDIA第2相試験プログラムでジレベシランの安全性と有効性を、単剤療法(KARDIA-1)として、または標準降圧薬(KARDIA-2)との併用で評価しています。2023年半ばと後半にそれぞれの試験結果を発表することを楽しみにしています。」
公表結果の要約
本試験は、軽度から中等度の高血圧患者107人(ジレベシランN=80、プラセボN=32)を対象に実施されました。パートAでは、高血圧患者は、2:1の割合で無作為に割り付けられて、ジレベシラン(10、25、50、100、200、400、または800mg)またはプラセボの単回用量漸増皮下投与を受けました。パートBでは、低塩食と高塩食条件のもと、血圧に対するジレベシラン800mgの効果を評価し、パートEでは、ジレベシラン800mgをイルベサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)と同時投与した場合の効果を評価した。 試験の主要評価項目は、有害事象の頻度(AEs)でした。AEsは、ジレベシランを投与された58人(72%)とプラセボを投与された28人(88%)について報告されました。最も頻繁に起きた治療関連の有害事象は、ジレベシランを投与された5人(6%)で報告された軽度かつ一過性の注射部位反応でした。低血圧、高カリウム血症、または介入を要とする腎機能悪化といった事象は観察されませんでした。副次的および探索的臨床評価項目には、血清AGTにおけるベースラインからの変化、薬物動態、および血圧におけるベースラインからの変化が含まれていました。パートAでは、ジレベシランはプラセボと比較して、最大6か月間持続した血清AGTの用量依存的低下と関連していた。ジレベシラン(≥200mg)の単回投与は、8週目までに収縮期血圧(>10mm Hg)と拡張期血圧(>5mm Hg)が低下し、これらの変化は概日周期内で一貫しており、6か月間持続しました。800mgを投与したジレベシラン治療では、6か月目に収縮期血圧と拡張期血圧の平均(±標準誤差)低下がそれぞれ22.5 ± 5.1mm Hgおよび10.8 ± 2.7mm Hgになりました。試験のパートBとパートEにおけるジレベシラン治療後の血圧変化は、食事時の高塩分摂取によって軽減される可能性があり、イルベサルタンを同時投与した場合に増大しました。
*試験のパートAでプラセボを投与された5人の患者は、パートEに再登録され、プラセボからジレベシランに移行しました。
ジレベシランについて
ジレベシランは、アンジオテンシノーゲン(AGT)を標的とした試験的な皮下投与RNAi治療薬で、ニーズが十分に満たされていない患者集団の高血圧治療に向けて第2相開発中です。AGTは、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)で最上流に位置する前駆体であり、血圧調節で実証済みの役割を持つカスケードです。その阻害には非常に安定した抗高血圧効果があります。ジレベシランは肝臓でのAGT合成を阻害し、AGTタンパク質を継続的に低下させる可能性があり、最終的には血管を収縮させるアンジオテンシン(Ang)IIも低下させます。ジレベシランは、アルナイラムの強化安定化化学プラス(ESC+)GalNAc共役技術を使用しており、より多い選択肢と幅広い治療指数の皮下投与を可能にします。ジレベシランの安全性と有効性は、FDA、EMA、または他の保健当局によって確立または評価されていません。
高血圧について
管理不良高血圧は、慢性的な血圧(BP)の上昇であり、2017年のACC/AHAガイドラインで収縮期血圧(SBP)が≥130mmHgかつ拡張期血圧(DBP)が≥80mmHgと定義されています。世界中で10億人以上の人々が高血圧症を患っています。i米国だけでも、成人の約47%が高血圧症を患っており、薬を服用している患者の半数以上が血圧の目標レベルを超えています。抗高血圧薬が利用可能であるにもかかわらず、特に既存の経口薬順守率が低く、満たされていない医療ニーズが大きいことから、血圧調節に一貫性がなくなり、脳卒中、心臓発作、早期死亡のリスクが高まります。ii特に、新たな高血圧アプローチの開発に重点を置く根拠となる、医療ニーズが十分に満たされない状況は複数あります。これには、服薬遵守不良、治療困難、治療抵抗性高血圧の患者、および心血管リスクが高い患者が含まれます。
RNAiについて
RNAi(RNA干渉)は、遺伝子発現抑制という細胞内の自然なプロセスであり、現在、生物学と創薬において最も期待され、急速に進歩している最先端領域の一つです。RNAiの発見は「10年に1度の画期的な科学の前進」とされ、その功績に対して 2006年にはノーベル生理学・医学賞が贈られています。細胞内で生じるこの自然な生物学的プロセスを利用することで、RNAi治療薬という新種の薬が現実のものとなっています。RNA干渉を仲介する分子で当社RNAi治療薬の基盤を構成する短鎖干渉RNA(siRNA)は、今日の医薬品の上流で機能します。疾患に関与するタンパク質をコードする遺伝的前駆体のメッセンジャーRNA(mRNA)発現を強力に抑制(サイレンシング)することで、そのタンパク質の産生を阻害するというものです。RNAi治療薬は、遺伝子疾患やその他の病気を抱える患者の治療法を変える可能性を持つ革命的なアプローチです。
アルナイラム医薬品について
アルナイラム医薬品(Nasdaq:ALNY)は、アンメットニーズがあり、希少疾患や罹患数の多い疾患を持つ患者さんの生活を変える可能性のある革新的な医薬品という全く新しい分野に、RNAiを応用してきました。RNAi治療薬はノーベル賞を受賞した科学に基づいており、効果が大きく臨床的に実証された革命的な医薬品をもたらすアプローチです。当社は2002年の設立以来RNAi革命を先導しており、科学的可能性を現実のものにするという果敢なビジョンを掲げています。当社の製品であるRNAi治療薬には、「ONPATTRO®」(パチシランナトリウム)、「AMVUTTRA®」(ブトリシラン)、「GIVLAARI®」(ギボシラン)、「OXLUMO®」(ルマシラン)、および当社パートナーであるノバルティスが開発と商業化を担う「Leqvio®」(インクリシラン)があります。当社は、後期開発段階にある製品候補を含む、充実した試験的医薬品パイプラインを有しています。今後も引き続き、希少疾患と一般的な疾患の両方に対して変革をもたらすような治療薬を提供することを目標とした「 アルナイラムP5x25」戦略を遂行し、持続可能なイノベーションと優れた財務実績を通して世界中の患者さんに貢献し、バイオ医薬品のリーディングカンパニーとして認知されることを目指します。当社はマサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置いています。詳細情報については、www.alnylam.comをご覧になるか、ツイッター(@Alnylam)、またはLinkedIn、Instagram 、Facebook(@AlnylamPharma)でご覧ください。
アルナイラム社の将来予測情報について
本プレスリリースには、1933年の証券法第27A条および1934年の証券取引法第21E条で定義される将来予測に関する記述が含まれています。アルナイラムの期待、目標、計画、見通しに関する過去の事実に基づいて作成された記述以外で将来予測に関する記述と見なすべきものは次の通りですが、これらに限定されません。高血圧に対する新しい皮下投与遺伝子サイレンシング・アプローチとしてのジレベシランの潜在的な役割に関するアルナイラムの見解。ジレベシランが効果的かつ高度に差別化された治療となる可能性があるという見解。バイオ医薬品のリーディング企業としての地位を確立するという抱負および「アルナイラムP5x25」戦略の見込み達成に関する期待。アルナイラムによる新たな医薬品候補の特定やその研究開発プログラムを前進させる可能性。新しい商用製品の承認または既存の製品にさらなる適応症を取得するアルナイラムの能力。アルナイラムが見積もる商業および財務実績。実際の業績や将来の計画は、さまざまな重大リスクや不確実性、その他の要因の結果として、将来予測情報と大きく異なる可能性があります。これには以下のものが含まれますが、これら限定されるものではありません。COVID-19の世界的流行または将来的に発生する可能性のある病気の大流行がアルナイラムの事業、業務実績および財務状況に及ぼす直接的または間接的な影響、ならびに大流行の影響を緩和するためのアルナイラムの取り組みの効果または適時性。「アルナイラムP5x255」戦略を成功裏に行う能力。新薬候補と提供アプローチを発見・開発し、新薬候補の有効性と安全性を実証するアルナイラムの能力、パチシランやブトリシランを含むアルナイラムの新薬候補の非臨床および臨床結果。規制当局の措置や勧告、ならびにパチシランやブトリシランなど新薬候補の薬事承認および良好な価格と診療報酬の払い戻しを取得・維持するアルナイラムの能力。アルナイラムの承認済製品の世界各地での順調な立ち上げ、マーケティング、販売。新薬候補や販売薬の製造および供給の遅延、中断、または障害。ヒト以外の霊長類について最近発生した供給障害を原因として起こる可能性のある、アルナイラムの研究・開発プログラムを進める上で必要な資源の供給遅延や中断。知的財産の取得、維持、および保護。将来的にONPATTROとAMVUTTRAの適応症拡大を成功させるアルナイラムの能力。アルナイラムが規律ある事業投資により企業成長と経営費を管理する能力と、将来にわたって持続可能な財務プロファイルを将来のエクイティファイナンスなしに達成する能力。戦略的業務提携を維持するアルナイラムの能力。特定の製品の開発と商業化についてのノバルティス、サノフィ、リジェネロン、Virを含む第三者への依存。訴訟の結果。現在の政府調査による影響と将来実施される可能性のある政府調査によるリスク。予期しない支出。アルナイラムが証券取引委員会(SEC)に提出したフォーム10-Kの2022年次報告書「リスク要因」に詳述したリスク(アルナイラムがその後にフォーム10-Qの四半期報告およびSECに提出するその他書類の中で適宜更新する可能性があります)。加えて、将来予測に関する記述は作成時点におけるアルナイラムの見解に基づくものであり、その日付以降の見解を表すものとして信頼を置くべきではありません。アルナイラムは、将来予測に関する記述を更新するいかなる責任も、法によって要求される範囲を除き、明示的に放棄します。 In addition, any forward-looking statements represent Alnylam's views only as of today and should not be relied upon as representing its views as of any subsequent date. Alnylam explicitly disclaims any obligation, except to the extent required by law, to update any forward-looking statements.
i高血圧。世界保健機関。https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/hypertension2019年9月公表。2021年11月にアクセス。
iiCarey, R. M., Muntner, P., Bosworth, H. B., &Whelton, P. K. (2018年)。 高血圧の予防と管理 : JACC健康増進シリーズ。 米国心臓病学会誌、 72(11)、 1278–1293。https://doi.org/10.1016/j.jacc.2018.07.008
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