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東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社ENEOSマテリアル(本社:東京都港区 代表取締役社長:平野 勇人 以下、ENEOSマテリアル)と横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿 以下、横河電機)は、共同実証実験(横河電機とJSR株式会社とで行っていた共同実証実験を2022年4月1日にENEOSマテリアルが承継。以下、本実証実験)を継続して行い、AIが約1年にわたり、化学プラントを高いパフォーマンスで自律制御できることを確認し、ENEOSマテリアルが自律制御AI※1(強化学習AI アルゴリズム FKDPP:Factorial Kernel Dynamic Policy Programming)を正式採用することに合意いたしましたのでお知らせします。なお、強化学習AIがプラントを直接制御するものとして正式に採用されるのは世界初となります※2。
本実証実験は、2022年1月17日から2月21日までの35日間(840時間)連続で、既存の制御手法(PID制御・APC)が適用できず、運転員が制御で使用するバルブの操作量を自ら考えて入力していた、手動制御のみでしか対応できなかった箇所をAIが制御できることを確認※3した後、プラントの定期修理を経て、現在まで継続して行っているものです。蒸留塔の留出物の品質や液面レベルを適切な状態に保ち、かつ排熱を熱源として最大限に活用するという複雑な条件を満たす制御をAIが行い、品質の安定化、高収量、省エネを実現しました。
確認できたことは以下の4点です。
ENEOSマテリアルは、約1年間の実証により、自律制御AIが限られた状況だけでなく、夏冬を含めて安定した性能で最適運転を実現するロバスト(頑健)なシステムであることを見出しました。他工程、他プラントへの応用を検討し、自律化の範囲拡大を通じて、さらなる生産性の向上、省エネルギー化に努めていきます。
横河電機は、本年2月27日、プラントの自律化を実現する製品として自律制御AIをエッジコントローラで利用できるサービスを世界で初めて※5開始※6しました。これに加えて、本件同様のプラント操業の自律化を目指すお客様に、制御箇所の課題抽出から最適な制御方法の検討とその費用対効果の試算、安全確保、実装、保守・運営までを含めたコンサルティングサービスをグローバルで提供します。
両社は、今後も協力して、プラントでの制御や状態基準保全へのAI活用も含めたDXを広く検討してまいります。
各社・専門家からのコメント
ENEOSマテリアル 生産技術本部長 桝谷 昌隆
保安人材の高齢化・不足感などの石油化学業界を取り巻く厳しい環境変化の中、マニュアル操作が求められる工程をAIによって自律制御できる実績を示せたことをうれしく思います。オペレーターの負荷が軽減されただけでなく、約1年間の連続稼働により、定期修理前後や季節変動にも影響されずに安定して稼働し、省エネ・GHG削減効果を示すことが出来ました。今後も生産のスマート化により安全・安定操業と脱炭素化、競争力強化に取り組んでいきます。
奈良先端科学技術大学院大学 教授 松原 崇充
強化学習は、報酬関数の設計が肝になります。プロセス産業における制御の知見が報酬関数に精緻に反映されることによって、四季を通じて安定的に稼働できる信頼性と妥当性の高いAI制御モデルが生成されたと言えます。ある程度の定期修理後にもそのまま適用できたと確認できたことは、AI制御モデルのロバストさを示唆しています。複雑な条件を取り持つ新しい制御技術であるFKDPPは、世界の産業の発展に広く貢献していくでしょう。
横河電機 執行役員 横河プロダクト本部長 長谷川 健司
世界に類を見ない自律化の取り組みに、お客様とともに挑戦できたことに感謝いたします。実プラントでは物理的、化学的な事象が複雑に影響する中での制御の難しさから、今回のように、熟練運転員が介入しなければならない箇所が数多く残っています。当社は製品とコンサルティングの両軸でこの領域にて自律制御AIを展開し、お客様と共に脱炭素化、DX、自律化を進めていきます。
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本文中および別紙で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴなどは、株式会社ENEOSマテリアル、横河電機株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。
会社概要
株式会社ENEOSマテリアル
設立:2022年4月1日
代表取締役社長:平野 勇人
主な事業内容:合成ゴム、その他化学工業製品・原料の製造販売
所在地:〒105-0021 東京都港区東新橋1-9-2
ホームページ:https://www.eneos-materials.com/
横河電機株式会社
創立:1915年9月
代表取締役社長:奈良 寿
主な事業内容:産業向け制御・計測機器等の製造、販売、保守サービスなど
所在地:〒180-8750 東京都武蔵野市中町2-9-32
ホームページ:https://www.yokogawa.co.jp/
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
株式会社ENEOSマテリアル
経営企画部
横河電機株式会社
コミュニケーション統括センター広報課
E-mail:Yokogawa-pr@cs.jp.yokogawa.com