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水素電気システムは、バッテリーと比べて飛行時間を数桁違いに増加させることができ、オーストラリア大陸の規模、人口密度の低さ、そして目視範囲外(BVLOS)の商用ドローン運用に関する世界的に特別な実績にふさわしいと言えます。
水素によって航続距離を延長できるため、電力線、パイプライン、鉱業マッピング、広大な土地の測量など、高額なヘリコプターや軽飛行機の使用に長らく依存しているCarbonixの既存の長距離線形検査アプリケーションをサポートできます。
この新たに発表された提携関係は、オーストラリアの全体的な水素および脱炭素化計画とも調和しています。Carbonixの主要なエンドユーザー市場である鉱業や物流では、旅客機やヘリコプターのほか、バッテリーや内燃エンジン搭載ドローンがすでに使用されていますが、これからは国産の水素を使用するように転換できるため、フォーテスキューなどのオーストラリアの大手企業の成功をさらに加速させることになるでしょう。
H3ダイナミクスは今から直ちに、自社の既製の水素システムをCarbonixの既存の小型無人VTOLシステムのフリートに統合し、研修を行い、現場での経験を加速させる予定です。
CarbonixのPhilip Van der Burg最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「当社にとって、インテリジェントな長距離飛行システムを開発し、遠隔地の重要データに信頼性の高い効果的な方法でアクセスしながら、環境にも配慮することは重要です。H3ダイナミクスと協力し、急成長中の幾つかのUAV分野向けに水素バリューチェーンを完成させ、ここオーストラリアでそれをより迅速に実現したいと考えています。」
Carbonixの次世代H2-VTOL UAVは、H3ダイナミクスの革新的な水素電気ナセル技術を活用します。この技術を用いた初飛行の成果は、数日前に発表されました。H3ダイナミクスの特許取得済みの分散型水素電気推進技術は、胴体スペースを解放できるため、より大型なセンサーを搭載したり、より多くの貨物を搭載し、長距離を飛行して自律的に配達したりできるようになります。この特殊なナセル・システムによって、空輸のために機体の容積を確保し、オーストラリアの遠隔地にあるコミュニティーへの医療品輸送の道を開くことができます。
H3ダイナミクスのタラス・ワンケウィッチCEOは、次のように述べています。「オーストラリアはおそらく、バッテリーの代わりに水素を使う商用電気駆動ドローンを使用する最初の国となり、一度に長時間飛行して、遠隔地に到達したり、より広大な土地を調査したりするために活用するでしょう。」
航続距離が延びることは、世界の商用UAS分野の規制の周辺領域である目視範囲外(BVLOS)飛行が可能になることも意味します。オーストラリアは、その広大な国土と低い人口密度ゆえに、目視範囲外(BVLOS)運用のための理想的な世界的実験拠点になるでしょう。
H3ダイナミクスは9月に、Carbonixのドローンを運用するオーストラリアのリッパー・グループと共に、オーストラリアにおけるBVLOS計画を発表しました。まず、鉱業や太陽光発電所の調査から、野生生物および海洋の保護、そして救命まで、幅広い用途のために、BVLOS運用が可能な完全自律型ドローン・ステーションを複数拠点に配備します。BVLOSドローン・ステーションの導入は、より高性能な水素BVLOSドローンの規制認可を容易にするために、Carbonixが取り組んでいるものを含め、すでに開始されています。
H3ダイナミクスの共同創立者でCEOのタラス・ワンケウィッチは、次のように語っています。「当社は無人システムが、水素を活用した飛行プラットフォームの大型化で、進化の出発点になると確信していますが、航空機の重量によって、試験、認証、規制認可の課題は異なります。H3ダイナミクスの計画は、旅客機サイズの航空機を飛ばせるまで、水素航空機の機体を毎年大きくすることです。その最終的なビジョンに向けた最初の重要な1歩として、現在ある無人航空機市場で空中水素技術を成熟させたいと考えています。」
完全なソリューションは、ASXに上場しているクイックステップとの緊密な連携の下、オーストラリアで製造します。同社は、オーストラリア最大の独立系航空宇宙複合材企業であり、CarbonixのUAV機体のメーカーでもあります。クイックステップはインテリジェントな複合材による水素貯蔵ソリューションの開発プログラムを進めており、間もなく水素飛行のために、H3ダイナミクスの水素燃料電池ナセルにも応用される可能性があります。
H3ダイナミクス(www.h3dynamics.com)について
H3ダイナミクスは、分散型水素電気推進や、地上充填ソリューションに関連した独自技術で、航空機を脱炭素化することを使命としています。旅客機規模の水素航空機の商業機会が成熟するまで、まだ何年もかかる見通しですが、当社は「小さく始める」製品・サービス・ロードマップに従い、徐々に規模、重量、複雑性を追加することで、安全性、技術、規制の課題を解決しています。最初の商業的な焦点は、市販のバッテリー搭載ドローン向けの充電ステーション・ネットワークと接続する自律的デジタル・サービスの規模拡大で、それによりBVLOS水素UASへの道を拓きます。当社は、トゥールーズ、オースティン、シンガポールの3つの地域本部に95人のチームメンバーを抱えています。H3ダイナミクスは欧州委員会傘下のゼロエミッション航空連合、サステイナブル・エアロ、ラボ、ルフトハンザ・クリーンテック・ハブ、パリ先進航空モビリティー同盟、そしてトゥールーズのエアロスペース・バレーのメンバーです。
Carbonix(https://carbonix.com.au)について
Carbonixは、商用無人航空機(UAV)の製造とソリューション提供を手がけるオーストラリアの主要企業です。アメリカズカップで活躍したDario Valenza氏が2012年に設立し、航空監視と精密データ取得のための長距離垂直離着陸(VTOL)ドローンの開発に、先駆的に取り組んできました。CarbonixのUAVは、インテリジェントで信頼できる安全な航空データ取得システムを通じて、遠隔地の環境に関する優れた洞察を提供し、ミッションの成功を実現します。Carbonixは、線形資産調査でAusgridと、農業アプリケーションにおけるリアルタイム検出で日立および富士通と提携し、そして現在は森林火災の早期発見でオーストラリアの有力大学のオーストラリア国立大学(ANU)と協業しています。
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Taras Wankewycz
CEO, H3 Dynamics
taras@h3dynamics.com