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富士ソフトが従来から固執してきた、自社オフィスの保有を重視する「持つ経営」と利益率よりも売上高成長を重視する「売上高偏重主義」は、低い事業効率と資本効率の主因となってきました。そして、コーポレートガバナンスが不十分なことで、それらの経営課題が長期に亘って放置された結果、株主は低い株主総利回りに悩まされてきました。
しかしながら、当社が株主提案説明資料改訂版を公表した後の11月18日以降の開示において、富士ソフトはようやく経営上の課題の所在を公に認め、解決への方向性を示し始めるようになりました。具体的には、11月中間報告資料において、資本コストにスプレッドを加えたハードルレートの導入を検討すると初めて発表し、保有自社オフィスについても、初めて「流動化」を含めて検討するとしています。また、利益率についても、2022年2月発表の中期経営計画ではほぼ横ばいの目標値が示されるだけで、2022年8月5日「企業価値向上委員会の新設について」や11月中間報告資料でも利益率改善へのコミットメントが明確にされていなかったものが、11月28日資料においては、当社への反論という形で、同社の「3・1・50」というスローガンに関して「1」が「10%以上の営業利益率確保」であるとし、「売上成長だけでなく利益率や株主価値の向上も追求する当社の姿勢を示すものである」として、売上成長、株主価値の向上と並ぶ重要な「追求」すべき対象として、これまでの低い営業利益率から脱却して利益率改善へのコミットメントを公に明確化するようになりました。
このように、富士ソフトが一連のコミットメントを行ったことは、当社による継続的な公の働きかけと、株主の皆様による会社との対話が結実したものであると考えております。当社は、過去2年半以上に亘って経営課題の再検証を求めてきましたが、11月以降の開示において富士ソフトがその所在を公に認め、解決への方向性を明確に打ち出し始めたことは一定の進歩であると考えております。
もっとも、これら一連のコミットメントは、経営課題の所在と解決の方向性を示したに過ぎません。また、臨時株主総会での支持を得るためのものといった側面が否定できず、今後コミットメントの実現に向けて誠実な取組みがなされるかどうかは依然として明らかではありません。富士ソフトが真に経営課題を解決し、企業価値成長を実現するためには、抜本的な変革が必要です。当社は、低い事業効率と資本効率という経営課題を放置してきた現取締役会が、執行からの高い独立性と経営課題に対応した高い専門性を有する新任社外取締役の参画なくして、必要な変革を実現できるのかについては、依然懐疑的です。株主の皆様におきましても、現状の開示を以て、富士ソフトが経営課題の解決に向けた抜本的な変革を株主にコミットメントしたと判断することは尚早であると考えております。
以上のような考えから、当社は、今後も富士ソフトにおいて必要な変革が実現されていくためには、執行からの高い独立性と経営課題に対応した高い専門性を有する新任社外取締役が参画し、執行に対する助言・監視を行うことで、取締役会の監督機能が強化されることが必要と考えております。そのため、執行及び当社からの完全な独立性と富士ソフトの経営課題に即応した高い専門性を有する当社推薦の4名(石丸慎太郎氏、清水雄也氏、岡村宏太朗氏、筒井高志氏)が社外取締役に就任することは、富士ソフトが迅速かつ確実にその経営課題を解決するために、必要不可欠です。株主の皆様におかれましては、是非、当社が推薦する社外取締役候補4名全員に賛成票を投じていただけますよう、お願い申し上げます。
3D Investment Partners Pte. Ltd.について
当社は、2015年に設立された、シンガポールを拠点に日本特化型のバリュー投資を行う独立系資産運用会社です。複利的な資本成長を通じた中長期的な価値創造を投資哲学とし、長期的なリターンの達成という共通の目的を共有する経営者とのパートナーシップを重視しております。
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