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自動車の電動化において、市場では充電時間の短縮やコスト低減などが求められています。その対応策としてバッテリーの高電圧化やモーターとインバーターの一体化などを導入するケースが増加していますが、その中で使用されるモーター用ベアリング(注1)の電食(注2)が課題となっており、電動車の高信頼性化、および普及の妨げになりかねません。このため、近年、スチール製の内外輪に、現在主流の金属製のボールに代えて強度や耐摩耗性に優れたセラミックス製のボールを組み合わせたハイブリッドベアリングの採用が有力な方策のひとつとなっています。
当社は、(株)東芝時代の1974年に窒化ケイ素の特許を取得し、それ以降、ファインセラミックス製品の開発・生産に一貫して注力しております。ファインセラミックスの中でも特に高い機械的特性と信頼性を有する窒化ケイ素ボールについては、工作機械、風力発電機、鉄道車両など、高速回転や耐電食が求められる各分野のベアリングボールとして多数の実績があり、当社は世界で約50%(注3)のシェアを有しています。当社では、電動車用ベアリングボールとしても、窒化ケイ素ボールの大幅な需要増加が見込まれると判断し、本投資を決定しました。
当社は、本社工場敷地内の既存建屋を解体し、窒化ケイ素ボールの新規製造棟を建設します。また、需要増加に対応するため、さらなる製造能力増強についても検討を開始しています。
当社は、今後も高品位な製品を安定して供給し、環境に優しい電動車の普及に貢献していきます。
窒化ケイ素ボールの特長
窒化ケイ素ボール応用製品の例
(注1) ベアリング:機械の中の軸をなめらかに回転させる部品で、内輪・ボール・外輪から形成される
(注2) 電食:ベアリングに電流が流れることにより、ベアリングが損傷する事象
(注3) 窒化ケイ素ボールの市場シェア(2022年7月時点)、当社調べ
報道関係の本資料に関するお問い合わせ先:
東芝デバイス&ストレージ株式会社
経営企画部 広報・予測調査担当 田中、杉崎
Tel: 044-548-2122
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