- 週間ランキング
LG化学が独自の技術や製造工法を活用して開発したこの難燃性プラスチック素材は、火炎遮断性能があり、射出成形加工が可能である。耐熱性が優れており、電気自動車のバッテリー部品に適用した場合、一般の難燃性プラスチックに比べて長い時間火炎を遮断できることが特長である。また、温度変化に対しても形態を維持する寸法安全性も優れており、LG化学の独自試験の結果では、1000度でも熱暴走による火炎伝播を10分以上防止する。これは一般の難燃性プラスチックに比べて10倍以上優れた性能である。
「熱暴走」は、自動車のバッテリー火災の主要原因であり、様々な原因によりバッテリーセルに負荷が加えられて熱が発生する現象である。過電圧、過放電など短絡によってバッテリーの内部温度がある程度のレベル以上に上がれば火炎が発生するが、リチウムイオンバッテリーは水との反応性が高く、火災時に水で消火する事が難しい。
今回LG化学が開発した新規特殊難燃性素材は、ポリフェニレンオキサイド(PPO)系とナイロン樹脂であるポリアミド(PA)系の多様な素材群を有する高機能性エンジニアリングプラスチック素材である。バッテリー部品にLG化学の新規エンジニアリングプラスチック素材を適用すれば、火災発生時に火炎を遮断して拡散を防止し、運転手の待避や火災鎮圧に必要とされる時間を確保するために役立つと期待される。
LG化学は、顧客のニーズを満足させるために2009年から粘り強く研究開発を継続してきた結果、遂にバッテリー部品に適用可能な世界でも群を抜く性能の特殊難燃性素材を開発することができた。
LG化学エンジニアリング素材事業部長のキム・スティーブン専務は「顧客のペインポイント(Pain Point)の解消のために10年以上弛まず研究して解決策を探し出したことに大きな意味がある」と述べ、「世界でトップレベルのコンパウンディング技術力を土台として、継続的なR&D及び量産投資によって、成長の速い電動モビリティ(e-Mobility)の素材市場をリードして行く」と語った。
LG化学は今年量産体系の構築を完了し、顧客企業の日程に合わせて2023年から本格的な製品生産を開始する予定である。現在韓国内をはじめ、米国、欧州などで特許出願手続きを進めている。今後、自動車だけではなく多様な産業分野に素材適用を拡大して行く計画である。
LG化学の紹介
LG化学は石油化学、先端素材、ライフサイエンスなどの核心分野において、多角化された事業ポートフォリオを有するグローバル化学メーカーである。石油化学製品から再生プラスチックに至るまで多様な高付加価値製品を生産しており、先端電子及びバッテリー素材、医薬品及びワクチンなど差別化された製品を顧客に提供している。LG化学は気候危機対応のために、再生可能エネルギーと責任ある供給網を通して社会に寄与することにより、2030年までにカーボンニュートラル成長、2050年までに炭素排出ゼロを達成するために努力している。LG化学はソウルに本社があり、全世界に事業場を有する。2021年には、42兆7千億ウォン(373億米ドル)の売上げを達成した。詳細な内容はwww.lgchem.comを参照。
LG Chem, Ltd.
Sangkyu Choi, Manager
+82-2-3773-7869
choisg@lgchem.com