研究者らは、重度の頸動脈狭窄症に対する定石の治療法であるCEAの際に、脳の血液供給が「著しく妨げられる」可能性があり、脳機能は酸素や血液の供給の短時間の変化に対してさえも、また頸動脈狭窄症のような脳血管疾患に対しても、「非常に脆弱」であると指摘しています。PODは「一般的でありながら深刻な」類いの高齢者の神経機能障害であり、短期および長期の予後の悪化や医療費の増加と結び付いています。研究チームは、PODの発現率が手術中のEEGサプレッション時間と関連していることに着目し、CEAのような手術中に麻酔の指針を得るために複数のEEG信号処理パラメーターを同時にモニタリングすることで、単一のパラメーターのみを使用する場合と比較して、PODの発現率に好影響を与えるかどうかを究明しようとしました。
著者らは、CEAが予定されている患者255人を登録し、介入群(n=127、平均年齢62歳)と標準群(n=128、平均年齢63歳)にランダム割り付けしました。介入群では、Masimo SedLine PSiとDSAモニタリング(術中EEGバースト・サプレッションのリスクを低減するように設計)を組み合わせて全身麻酔を管理し、標準群ではDSAモニタリングなしのPSiを使用しました。両群とも、患者は連続的な経頭蓋ドップラー超音波と近赤外分光法(NIRS)(周術期の脳の低灌流または高灌流を回避するように設計)でもモニタリングしました。主要評価項目は、術後の最初の3日間の精神錯乱評価法(CAM)を用いて測定したPODの発現率としました。副次的評価項目は、術後の入院期間(LOS)とその他の神経学的合併症としました。神経生理学者のチームは、SedLineで取得したEEGデータを独自に評価し、各患者のバースト・サプレッションの累積時間を算出しました。
研究者らは、PODの発現率は介入群(患者の7.87%)が標準群(患者の28.91%、p<0.01)と比べて有意に低いことを見いだしました。また、介入群の患者は、EEGサプレッションを伴う全時間が有意に短くなっていました。その他の神経学的合併症の発現率には有意な差がありませんでした。
研究者らは、「PSiとDSAモニタリングを併用した信号処理脳波図を指針とする全身麻酔管理により、CEAを受ける患者の術後せん妄のリスクを大幅に低減することができる。特に血行動態の変動を示す患者や、脳血流を乱す外科手術を受ける患者は、手術中に複数のEEGパラメーターをモニタリングすることで利益が得られる可能性がある」と結論付けています。
術後せん妄とは、注意力や意識の変化、混乱した思考を特徴とする急性の精神錯乱状態です。一般的な重篤合併症であるPODは、大規模な手術を受けた患者の最大60%が罹患し2-5、高齢者で最も頻度が高くなっており2-5、重症患者の最大91%が罹患しています6。PODは、短期的および長期的な転帰の悪化とコストの増加に関連しており3,6-9、米国麻酔科学会(ASA)、英国国立医療技術評価機構、米国老年医学会、米国外科学会など、多くの医療団体がPODの予防を公衆衛生上の優先事項としています10-13。ASAのブレインヘルス・イニシアチブは、既存の認知障害の影響を最小限に抑え、65歳以上の成人が手術を受ける際の認知機能の回復と周術期の体験を最適化することに専心しており、PODを「公衆衛生上の主要な課題」と表現しています14。PODの発現率は、術前の脆弱性と、術中のEEGバースト・サプレッションの累積時間(今回のような研究で重要な意味を持つ)の両方に関連しています。今回の研究や他の研究で明らかになったように、手術中のprocessed EEGモニタリングにより、臨床医がバースト・サプレッションの時間を最小限に抑えることができれば、PODの発現率を下げられる可能性があります1,15-19。
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マシモ(NASDAQ: MASI)は世界的な医療技術企業として、革新的な測定法、センサー、患者モニター、自動化ソリューション、接続ソリューションを含め、業界をリードする多様なモニタリング技術の開発・製造に当たっています。当社の使命は、患者転帰を向上させ、ケアのコストを削減することです。1995年投入のMasimo SET® Measure-through Motion and Low Perfusion™(体動時・低灌流時モニタリング可能)パルスオキシメトリーは、他のパルスオキシメトリー技術より性能面で優れていることが100件を超える独立した客観的研究で示されています20。またMasimo SET®は医師が新生児における重度の未熟児網膜症を減らし21、新生児におけるCCHDスクリーニング値を改善し22、術後の病棟におけるマシモ・ペイシェント・セーフティーネット(Masimo Patient SafetyNet™)での連続的モニタリングで使用した場合、救急対応チームの実動、ICUへの移動、コストを削減する23-26ことが示されています。Masimo SET®は世界各国の主要な病院やその他の医療現場で推定2億人以上の患者に使用されており27、USニューズ&ワールド・レポート誌の2021-22年全米優良病院ランキング28において上位10病院中の9病院で最重要のパルスオキシメトリーとなっています。マシモはSET®の改善を続けており、2018年には体動時の状態におけるRD SET®センサーのSpO2精度が大幅に改善されたことを発表し、医師らが頼りにしているSpO2値は患者の生理状態を正確に反映しているとの信頼感を高めることとなりました。2005年、マシモはrainbow® Pulse CO-Oximetry技術を発表し、それまで侵襲的な手段でのみ可能であった血液成分モニタリングを非侵襲的、連続的なものとすることを可能にしました。測定できるのは、トータルヘモグロビン濃度(SpHb®)、酸素含量(SpOC™)、カルボキシヘモグロビン濃度(SpCO®)、メトヘモグロビン濃度(SpMet®)、脈波変動指標(PVi®)、RPVi™(rainbow® PVi)、予備酸素摂量指数(ORi™)です。2013年、マシモは患者モニタリング&コネクティビティ・プラットフォームRoot®を導入しました。本プラットフォームは可能な限り柔軟で拡張可能なものとなるようゼロから構築し、その他のマシモ製モニタリング技術やサードパーティー製モニタリング技術の追加を容易化しました。マシモの重要な追加技術には、次世代SedLine®脳機能モニタリング、O3®リージョナルオキシメトリー、NomoLine®サンプリングライン付きISA™カプノグラフィーが含まれます。マシモの連続モニタリング/スポットチェック製品ファミリーPulse CO-Oximeters®には、Radius-7®やRadius PPG™などのテザーレスなウエアラブル技術、Rad-67™などのポータブルデバイス、MightySat® Rxなどのフィンガーチップパルスオキシメーター、Rad-97®などの病院と自宅の両方で使用できる装置を含め、様々な臨床/非臨床シナリオで使用できるようデザインした装置があります。マシモの病院自動化/接続ソリューションはMasimo Hospital Automation™プラットフォームを中心に構成されており、Iris®Gateway、iSirona™、Patient SafetyNet、Replica™、Halo ION™、UniView®、UniView: 60™、Masimo SafetyNet™を含みます。マシモと当社製品の追加情報については、www.masimo.comをご覧ください。マシモの製品に関して発表済みの臨床研究の結果はwww.masimo.com/evidence/featured-studies/feature/でご覧いただけます。
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推定値:マシモの社内資料
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将来見通しに関する記述
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