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− 経口標的治療薬であるモボセルチニブは、全生存期間の中央値で24カ月を示し、多様なEGFRエクソン20挿入変異に対して奏功を示した
− 本結果は、米国食品医薬品局(FDA)が最近優先審査に指定したモボセルチニブの新薬承認申請(NDA)に追加
− ASCO年次総会で発表予定のデータは、承認された標的療法が存在しない患者集団にとってモボセルチニブが持つ治療薬としての可能性を強化
大阪 & 米マサチューセッツ州ケンブリッジ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(「武田薬品」)は本日、プラチナ製剤ベースの化学療法による治療歴を有し、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)の患者に経口投与したモボセルチニブ(TAK-788)の第1/2相試験の最新データを発表しました。試験結果は、1年間の追跡調査後も臨床的に意義のあるモボセルチニブの効果が持続することを示すもので、6月4日にバーチャル形式で開催される第57回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されます。
エモリー大学ウィンシップがん研究所の副所長であるSuresh S. Ramalingam医師(MD)は、次のように述べています。「EGFRエクソン20挿入変異を持つmNSCLC患者には、実証済みの標的治療薬の選択肢がありません。モボセルチニブの第1/2相試験の最新結果は、プラチナ製剤ベースの化学療法による治療歴を持つ患者で有望な客観的奏効率、奏功期間、全生存期間を示しています。」
第1/2相試験の解析には、プラチナ製剤ベースの化学療法による治療歴を有し、EGFRエクソン20挿入変異を伴うmNSCLC患者を含めました。患者は全員、160 mgの経口投与を1日1回受けました。1月に国際肺がん学会(IASLC)2020年世界肺がん学会議(WCLC)で発表された成果を基礎とした研究結果は、中央値14カ月の追跡期間で全生存期間(OS)の中央値が24カ月であることを示しており、多様なEGFRエクソン20挿入変異で奏功が観察されました。その他の主要なデータポイントは、独立評価委員会(IRC)による28%の確定客観的奏功率(ORR)、17.5カ月の奏功期間(DoR)中央値、78%の疾患制御率(DCR)を含め、既報データと一貫して一致するものでした。
観察された安全性プロファイルは、管理可能でこれまでの研究結果と一致するものでした。最新データでは、プラチナ製剤による前治療歴を有する患者で最も多かった治療関連有害事象(TRAEs)(20%以上で発現)は、下痢(91%)、発疹(45%)、爪周囲炎(38%)、食欲減退(35%)、悪心(34%)、乾燥皮膚(31%)、嘔吐(30%)でした。グレード3以上のTRAE(5%以上で発現)は下痢(21%)のみでした。2%を超える患者で治療中止に至った有害事象は下痢(4%)と悪心(4%)でした。
武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリストファー・アーレント博士は、次のように述べています。「モボセルチニブがプラチナ製剤による前治療歴を有し、EGFRエクソン20挿入変異を伴うmNSCLC患者にとって、有効な経口治療薬の選択肢としての潜在力があることを実証する一連の証拠がありますが、全生存率に関するこの有望なデータを加えることができて当社は感激しています。モボセルチニブは現在、米国FDAが優先審査を実施中で、当社は世界各国の規制当局との協議を継続し、モボセルチニブをこれらの患者に対する新しい治療選択肢として上市することに期待を寄せています。」
FDAはモボセルチニブについて、2020年4月にブレークスルーセラピーの指定し、2021年4月に新薬承認申請(NDA)を優先審査に指定しました。モボセルチニブは承認された場合、EGFRエクソン20挿入変異を選択的に標的とするように特別設計された初の経口市販薬となります。
武田薬品は、モボセルチニブが規制当局による審査を受けている間、本治験薬による治療が適格となり得る患者さんを対象に、拡大アクセスプログラム(EAP)を発足させました。武田薬品のEAPを受ける資格のための具体的条件を含め、詳細情報についてはこちらをご覧ください。
今年のASCO年次総会におけるTakeda Oncologyの報告内容の詳細をご覧ください。武田薬品は東部時間の6月8日(火曜)午後6時30分にアナリスト・投資家向けのウェブキャストを開催し、ASCOで発表するこれらのデータおよびその他のデータについて討論し、オンコロジー領域のパイプラインについての最新情報を提供します。詳細情報についてはTakedaRandDEvents@fticonsulting.comまでご連絡ください。ウェブキャストのプレゼンテーションスライドおよび再生用録画は、https://www.takeda.com/investors/reports/ir-events/でご利用いただけるようになります。
モボセルチニブ(TAK-788)について
モボセルチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特別設計したファーストインクラス治験薬の経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。米国FDAは2019年、エクソン20挿入変異などのHER2変異あるいはEGFR変異を伴う肺がんの治療薬として、モボセルチニブを希少疾病治療薬に指定しました。モボセルチニブは2020年4月、EGFRエクソン20挿入変異陽性転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者で、プラチナ製剤による化学療法を実施中か実施後に病勢が進行した患者に対するブレークスルーセラピーの指定をFDAより受けました。モボセルチニブは2020年10月、1種類以上の全身化学療法による治療歴を有するEGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行性/転移性NSCLC患者に対する治療薬として、中国の医薬品審査評価センター(CDE)からブレークスルーセラピーの指定を受けました。
第1/2相試験について
第1/2相試験は非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、経口投与したモボセルチニブの安全性、薬物動態、抗腫瘍活性を評価しました。本試験は、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性NSCLC(mNSCLC)患者を対象に、モボセルチニブの単剤療法および化学療法との併用療法を評価した第1相用量漸増試験と、幾つかの拡大コホートおよび1つの延長コホートで構成されています。
プラチナ製剤による前治療群の有効性解析の対象となったmNSCLC患者114人は、EGFRエクソン20挿入変異があり、第1/2相試験でプラチナ製剤ベースの治療を受け、モボセルチニブ160 mgを1日1回投与された患者となります。
EGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)について
非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの最も一般的な形態であり、世界保健機関によれば、世界中で毎年診断される推定180万人の新規肺がん症例の約85パーセントを占めています1,2。上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性NSCLC(mNSCLC)患者さんは、NSCLC患者さんの約1~2%を占め、欧米人よりアジア人で多く見られます3-7。現在、EGFRエクソン20挿入変異を標的とするFDA承認済みの治療薬は存在しておらず、これらの患者さんに対する現在のEGFR TKIおよび化学療法の効果は限定的であるため、この疾患は他のEGFR変異を伴う疾患よりも予後が不良となっています。
武田薬品は、EGFRエクソン20挿入変異を伴うmNSCLCの継続的な研究開発に傾倒しており、世界中で毎年本疾患と診断される約3万人(米国だけで3000人)の患者さんに対する標的治療の選択肢を導入することを目指しています3,4。
武田薬品のオンコロジー領域に対する取り組み
当社の研究開発上の中核的使命は、科学に対する傾倒、画期的イノベーション、患者の生活改善への熱意を通じ、世界中のがん患者に新規医薬品を届けることです。当社の血液疾患治療薬、充実したパイプライン、固形腫瘍治療薬のいずれにおいても、当社は患者に必要な治療を届けるべく、革新的であるとともに競争力のある立場の保持を目指しています。詳細情報についてはwww.takedaoncology.comをご覧ください。
武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、患者さん、従業員、そして地球に対する約束に従って、人生・生活を変える治療薬を創出し、お届けすることに傾倒しています。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少な遺伝性疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。
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1 World Health Organization. Latest Global Cancer Data. https://www.who.int/cancer/PRGlobocanFinal.pdf. Accessed May 11, 2019. (世界保健機関、世界の最新がんデータ)
2 American Cancer Society. What is Non-Small Cell Lung Cancer? https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/what-is-non-small-cell-lung-cancer.html.(米国がん協会、「非小細胞肺がんとは何か」)
3 Riess, Jonathan W. Diverse EGFR Exon 20 Insertions and Co-Occurring Molecular Alterations Identified by Comprehensive Genomic Profiling of NSCLC. https://www.jto.org/article/S1556-0864(18)30770-6/fulltext. Accessed April 7, 2020.
4 Fang, Wenfeng. BMC Cancer. EGFR exon 20 insertion mutations and response to osimertinib in non-small-cell lung cancer. https://bmccancer.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12885-019-5820-0. Accessed April 7, 2020.
5 Kobayashi Y, Mitsudomi T. Not all epidermal growth factor receptor mutations in lung cancer are created equal: Perspectives for individualized treatment strategy. Cancer Sci. 2016;107(9):1179-1186. doi:10.1111/cas.12996
6 Yatabe Y, Kerr KM, Utomo A, et al. EGFR mutation testing practices within the Asia Pacific region: results of a multicenter diagnostic survey. J Thorac Oncol. 2015;10(3):438-445. doi:10.1097/JTO.0000000000000422
7 Kris MG, Johnson BE, Berry LD, et al. Using multiplexed assays of oncogenic drivers in lung cancers to select targeted drugs. JAMA. 2014;311(19):1998-2006. doi:10.1001/jama.2014.3741
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