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コンクリートは少なくとも半世紀にわたって、世界で最も広く使用されてきた建築材料です。そして、建設資材と解体廃棄物の両方の多くを占めています。欧州では、コンクリートの建物は一般的にプレキャストコンクリート要素を使って建設されています。新しい要素を製造する代わりに古い要素を再使用することができれば、環境に大きなメリットをもたらすでしょう。
「コンクリート要素を再使用することで、膨大な量のエネルギーと原材料を節約できます」と、ReCreateプロジェクトを率いるタンペレ大学建造環境学部のサトゥ・フウカ非常勤教授は述べています。
最近開始され、タンペレ大学が調整を担う国際的なReCreateプロジェクト(2021~2025)は、取り壊される建物のコンクリート要素を新しい建物の建設で新たに使用する方法を見つけることを目指しています。この4年間のプロジェクトは、欧州連合のホライズン2020の公募の枠組みの中で資金提供を受けており、建築廃材と解体廃棄物の再使用に向けたソリューションを探しています。プロジェクトの予算は全体で1250万ユーロです。このプロジェクトには、フィンランド、スウェーデン、オランダ、ドイツの4カ国の大学と地域企業クラスターが参加しています。コミュニケーション・パートナーは、クロアチアのグリーン・ビルディング評議会が務めています。すべての国のクラスターが、プレキャストコンクリート要素を完全なまま分解し、新しい建物に再使用する独自のパイロット・プロジェクトを実行します。
「私たちは特に、新しい物の原材料としてではなく、コンクリート要素全体を再使用することを目指しています」と、フウカは述べています。
フィンランドの世界クラスの専門知識を活用
建造環境学部の研究者は、10年にわたって建設部門の循環型経済に関する画期的な研究を行ってきました。さらに、建造物の修復とライフサイクル・エンジニアリングに関する長期的な研究は、品質保証の手順開発のための堅固な基盤をもたらしており、再使用される要素の安全性と完全性を保証します。今回、研究者たちはソリューションの技術的な実行だけでなく、ビジネスの展望も探ろうとしています。
フウカは、問いかけています。「答えを見つけるべき質問はたくさんあります。いかに要素を損傷することなく建物から取り出すか。その構造的完全性をどう評価するか。回収された要素をいかに再度保証し、建築基準法の要件を満たす製品に変えるか。要素の品質が一様でないため、どのようにこれを実行可能なビジネスに変えることができるか。私たちはまた、このプロセスに新しいスキルや新しい働き方が必要になるのかという社会的な側面も考慮する必要があります。」
タンペレ大学の研究者はまた、循環型経済のビジネスモデルや、建築規制と法律、職業社会学に関する専門的知見をプロジェクトにもたらします。フィンランドのクラスターには、タンペレ大学、建設会社のSkanska、解体会社のUmacon、プレキャストコンクリート会社のConsolis Parma、エンジニアリングおよびコンサルティング会社のRamboll、建築事務所のLiike Oy Arkkitehtistudio、そしてタンペレ市が含まれています。
タンペレ大学
学際的なタンペレ大学は、フィンランドで2番目に大きな大学です。その研究と学習の最先端分野は、テクノロジー、健康、社会です。本学は、私たちの社会が直面する最大の課題に対処し、新しい機会を創り出すことに取り組んでいます。国際的に認められた研究分野のほぼすべてを、本学は擁しています。タンペレ大学とタンペレ応用科学大学により、3万人以上の学生と5000人近い従業員から成るタンペレ大学コミュニティーが構成されています。www.tuni.fi/en
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