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これまでの道のりに関して明確な情報を読者に与えるため、CGTNは、最も大きな打撃を受けた7カ国*をインタラクティブ資料「スーパーウイルス」で取り上げました。取り上げられた国々(中国、韓国、米国、ドイツ、フランス、イタリア、英国)はいずれも感染蔓延の初期段階で最初の確定症例を報告し、どの国も比較的成熟している医療制度が今回の闘いにおいて逼迫する事態を経験しました。しかし、各国の政策対応の違いによって、結果はさまざまなものとなりました。
単純な結論を引き出すにはあまりにも時期尚早ですが、それぞれの国で取られた政策措置には精査が必要です。このインタラクティブ資料は、比較対照アプローチでの視覚化を行い、このような措置がパンデミックの過程でいつどれほど迅速に実行されたかを示しています。CGTNが収集して分析したデータは、検査(早期検出に必須)、予防措置(経済封鎖や公衆の集合の中止など)のほか、臨床手法や最終的な治療薬(有効なワクチン)の開発の領域にわたっています。
検査に関して早期に各国が取った行動が、その後の大きな違いに関係したように見えます。イタリアは大規模な検査を当初実施しましたが、その後規模を縮小して症状を持つ患者のみに集中するようになりました。英国では蔓延状況が悪化するにつれて、検査と医療資源を重症患者に集中させました。
韓国と米国は、最初のコロナウイルスの症例をほぼ同時期に報告しています。しかし、感染拡大時の両国政府の検査に対する姿勢は、この上なく大きなものでした。
韓国は、最初の症例を報告した1週間後に保健福祉部がCOVID-19の検査手段を確保するために20社を超える製薬会社を集め、これはその8日後に完了しました。一方、米国では、コロナウイルスが上陸してから数週間が経っても、診断検査の配布上の問題や検査キットの欠陥などの問題が続きました。まずCOVID-19検査キットの承認に関するお役所仕事に対する批判が吹き出し、次には検査を受けられる対象者に関する混乱が発生しました。
移動制限については、6カ国の多くで異なる国境管理が採用されました。取られた措置には、空港での健康検査や渡航警告・制限から、帰国した海外旅行者の検疫まで、さまざまなものがありました。国境管理を行った時期が遅かった中国は、世界的な発症が既に爆発的に増加していた3月の末まで制限を実施しませんでした。
いくつかの国では、このような政策には極端な措置が伴っていました。トランプ政権は、コロナウイルスによって失業が過去最高レベルを記録する中で、国内労働者を保護するという名目で米国への入国を60日にわたって停止しました。しかし、この政策により雇用が増加するのではなく、無数の家族や企業がよろめくこととなりました。
早期の国境管理は、ある1つの問題につながった面もあります。つまり、ほとんどの西洋諸国は国境内での予防と抑制を怠ることになりました。
国境内での人の動きを制限する措置の効果には、差がありました。例えば、6カ国のほとんどではロックダウンの前に外出禁止措置が行われ、唯一の例外は中国でした。最初の発症者クラスターが報告されてから20日以上経過した1月23日の早朝、武漢では厳しいロックダウンが開始され、すべての自動車、鉄道、飛行機の出入りがその後76日間にわたって禁じられました。
イタリアでは北部のロンバルディア州とヴェネト州(両州合わせてイタリア経済の30%を占めます)で同様の措置が取られることになり、住民は自宅待機が義務化され、必須でない企業活動はすべて停止されました。その一方、米国や英国のような一部の国では、さまざまな理由から早期に自宅待機が義務化されることはありませんでした。
COVID-19は世界全体を不意に襲い、これほどの規模と範囲のパンデミックに対する我々の備えが不十分であったことを明らかにしました。ウイルスは、世界で最も優れた医療制度すら逼迫させる厳しさを見せ、7カ国すべてで医療専門家と用品が不足する事態となりました。医師と看護師は自らが感染する危険に直面し続け、自分が他の患者に疾病を広げるかもしれない、あるいは前線から戻って仕事を失うかもしれないという心理的負担を抱えています。
コロナウイルスは、平等に人を襲っているわけではなく、歴史的に周辺に追いやられてきた人々に特に厳しい被害を及ぼしてきました。コロナウイルスの感染率と死亡率は、平均して白人よりも貧困なアフリカ系市民や先住アメリカ人の方が高くなっています。年齢別では、全死者数の中で高齢者が大きな割合を占め、これはコロナウイルスによる合併症やその他の条件によるものでした。また、先住民族は居住する国の全国平均と比較して高い割合で感染しています。欧州では、過密状態で簡素な小屋で暮らしているロマ族が、生活環境の衛生状態の問題から感染拡大の影響を特に大きく受けました。
先進的医療が整っているこれらの国の多くで大規模感染が続いている一方、未来は運命や暗闇が支配するものにはならなさそうです。1月に感染拡大が始まって以来、数百もの大学、製薬会社、国際組織がおよそ320件の試験を実施し、COVID-19の多様な治療法について研究してきました。COVID-19は分断的なものであり、このような膨大な規模の試みには、国家間、組織間、団体間での協力が必要です。急速に広がるパンデミックに対しては時間の経過が最も大きな意味を持ちますが、この種の協力の精神を育むことに遅すぎるわけではなりません。
* インタラクティブ資料のモバイル版は、最適なユーザー体験を実現するために6カ国のみに絞られています。
原記事:https://news.cgtn.com/news/2020-06-09/Super-Virus-COVID-19-How-we-got-here--Ra9s4L7rBC/index.html
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Jiang Simin
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