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- 武田薬品は実臨床データからの重要な知見を適用し、血液疾患ポートフォリオを一貫して発展させ、出血性疾患コミュニティーのための治療を前進
- 前臨床科学研究は血友病やその他の単一遺伝子疾患に対するアデノ随伴ウイルス遺伝子治療を改善するための可能性を示す
大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE:TAK)(以下、武田薬品)は本日、第61回米国血液学会(ASH)年次総会で血液疾患に関する9件のポスター発表を行いました。これらの発表は、実臨床のデータを取り入れるとともに、革新的なアデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子療法を開発することで、希少出血性疾患の治療を前進させるという当社の真剣な取り組みを明確に示すものです。
実臨床下でのエビデンスを理解して出血性疾患における患者中心のイノベーションを前進させる
当社の血友病治療薬ポートフォリオの多くについての研究から得た実臨床下のエビデンスは、現行の個別化治療がもたらしている経費削減と患者にとっての利点を証明しています。ただ、フォン・ヴィレブランド病の場合、実臨床下におけるエビデンスは、個別化治療によって治療転帰の改善が可能であると思われ、個別化治療の臨床ニーズが依然として満たされていないことを浮き彫りにするものです。ASHで発表した詳細な知見には下記が含まれます。
イリノイ州ピオリアの出血・凝固障害研究所でアソシエイトメディカルディレクターを務めるジョナサン・ロバーツ氏(MD)は、次のように述べています。「厳格な臨床研究とは別に、実臨床下におけるエビデンスは、日々の診療で発生するケアのパターンを理解する上で非常に重要な役割を果たします。米国の医療費請求データは、小児・青年におけるフォン・ヴィレブランド病の管理をめぐり、治療を最適化して診断後の出血エピソードの回数・程度を減らすための改善が必要であることを示しています。」
現行のAAV遺伝子治療薬が抱える問題に取り組む前臨床科学研究
武田薬品は、AAV遺伝子治療薬について知られている一定の限界に関する前臨床科学研究のデータも発表しました。これらの研究は、武田薬品のAAV遺伝子療法治験薬プログラムにおける当社のアプローチについての情報を与えるものです。その1つであるTAK-754は血友病Aに対するAAV遺伝子療法治験薬で、現時点で第1相臨床試験の段階にあり、血友病Bに対する遺伝子療法治験薬TAK-748を含む遺伝子治療薬候補が間もなく続きます。
血友病の遺伝子療法における治療目標は、複数年にわたり内因性凝固因子を治療効果のあるレベルに維持することです。血友病の遺伝子療法は、凝固因子の持続的で高濃度の発現を実現し、頻繁な凝固因子注入の必要性を減らせる可能性を持っています1,2。遺伝子治療薬を患者に送達するためには、欠けている遺伝子の正常なコピーを、ベクターと呼ばれる送達手段内にパッケージ化します3。組み換え型AAV、特にAAV5/AAV8カプシド血清型によって送達されるものが、進行中の血友病研究の大半でベクターとして機能しています3。ベクターは機能遺伝子を患者の肝細胞へと送達し、同細胞が血液凝固タンパク質を適切に産生できるようになります4,5。ただしAAV8カプシドやその他のAAV血清型に対する患者の既存免疫が、これら治療薬の安全性と有効性に影響を与える可能性があります3。
成人の血友病患者で一般的に使用されるAAV2、AAV5、AAV8のカプシドに対する既存免疫の発現に関する理解を深めるために、武田薬品は国際前向き疫学研究(継続中)「成人血友病患者における異なる血清型のアデノ随伴ウイルス(AAV)に対する既存免疫の同時発現」(Co-Prevalence of Pre-Existing Immunity to Different Serotypes of Adeno-Associated Virus (AAV) in Adults with Hemophilia)(アブストラクト3349)を実施し、血友病患者の50%がAAV2、AAV5、AAV8のいずれかのカプシドに対する中和抗体を保有しており、40%が評価対象となった3種類の血清型すべてに同時発現を示したことを発見しました。そのためこれらの患者は、AAVベクターを使用した遺伝子療法が奏功しそうにありません3。
武田薬品Rare Diseases Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるDan Curran(M.D.)は、次のように述べています。「当社は、血友病Aおよび血友病Bに対する遺伝子療法治験薬プログラムを一貫して前進させていますが、現在のAAV遺伝子治療薬が抱える問題を克服するためのアプローチは、血友病やその他の希少な単一遺伝子疾患に適用できる可能性があり、この究明にも取り組んでいます。AAVに対する既存免疫への対処、再投与の実現、投与量の削減、生体内分布の改善、遺伝子送達の代替手段の開発を含め、遺伝子療法の新アプローチの開発は、患者に機能的治癒をもたらす日に向けて非常に重要です。」
ポスター発表「AAV8特異的免疫吸着カラム:既存の抗AAV8中和抗体を持つ患者にとっての治療選択肢」(AAV8-Specific Immune Adsorption Column: A Treatment Option for Patients with Pre-Existing Anti-AAV8 Neutralizing Antibodies)(アブストラクト5922)は、既存のAAV免疫を克服できる可能性を持つアプローチの1つに関する前臨床データを報告したものです6。本研究では、AAV8特異的な免疫吸着カラム(IAC)を使用し、血漿リザーバーに異なる処理サイクルを適用することで、インビトロ環境で患者血漿の処理を模倣し、抗AAV8力価を失効させられることが示されました6。本研究から得た詳細な知見は、IACにより、既存免疫を持つ患者に対するAAV8遺伝子治療薬の投与が可能になるかどうか、遺伝子治療薬の再投与が容易になる可能性があるかどうかを確認するための武田薬品の研究に適用することになります6。
アディノベイトの重要情報(専門家向け)
アディノベイト[抗血友病因子(遺伝子組み換え)、ペグ化]の重要情報
適応症および使用制限
アディノベイトは血友病A(先天性第VIII因子欠乏症)の小児患者および成人患者の下記を適応症とするヒト抗血友病因子です。
アディノベイトはフォン・ヴィレブランド病の治療を適応としていません。
重要なリスク情報の詳細
禁忌
アディノベイト、その親分子(アドベイト[抗血友病因子(遺伝子組み換え)]、マウス/ハムスタータンパク質、アディノベイトの賦形剤(例:トリス、マンニトール、トレハロース、グルタチオン、ポリソルベート80のいずれかもしくはすべて)に対するアナフィラキシー反応の既往がある場合。
警告および注意
過敏反応
アディノベイト投与で過敏反応が発生する場合があります。アディノベイトの親分子であるアドベイトを含め、他の遺伝子組み換え抗血友病第VIII因子製剤で、アナフィラキシーを含むアレルギー型の過敏反応が報告されています。アナフィラキシーに進行する可能性がある過敏反応の初期兆候には、血管性浮腫、胸部圧迫感、呼吸困難、喘鳴、じんま疹、掻痒があり得ます。過敏症の反応が現れたら速やかに投与を中止し、適切な治療を開始します。
中和抗体
アディノベイト投与後、第VIII因子に対する中和抗体(インヒビター)が形成される場合があります。適切な臨床観察と臨床検査により、第VIII因子インヒビターの発現につき患者を定期的にモニタリングします。血漿第VIII因子濃度が想定通りに上昇しない場合、または想定された投与量で出血がコントロールできない場合、第VIII因子インヒビターの濃度を測定するアッセイを実施します。
有害反応
臨床試験で報告された最も発生頻度の高い有害反応(試験参加者の1%以上)は頭痛と悪心でした。
完全な処方情報についてはこちらをクリックしてください
https://www.shirecontent.com/PI/PDFs/ADYNOVATE_USA_ENG.pdf
ファイバ[血液凝固因子抗体迂回活性複合体]の適応症および重要なリスク情報の詳細
ファイバの適応症
ファイバは血友病Aおよび血友病Bのインヒビター保有患者において下記を適応症とする血液凝固因子抗体迂回活性複合体です。
ファイバは、血液凝固第VIII因子または血液凝固第IX因子に対するインヒビターが不在の血液凝固因子欠乏症を原因とする出血エピソードの治療を適応としていません。
ファイバの重要なリスク情報の詳細
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禁忌
ファイバは下記の患者で禁忌となっています:
警告および注意
血栓塞栓性イベント(静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中を含む)が、特に高用量(200 unit/kg/day超)の投与後もしくは血栓性リスク因子を持つ患者の場合またはその両方の場合に発現する可能性があります。
DIC、進行性アテローム性動脈硬化症、挫滅外傷、敗血症を患っているか、遺伝子組み換え第VIIa因子との併用療法を受けている患者は、血中組織因子または素因となる血液凝固障害が原因で血栓性イベントが発現するリスクが増大します。治療による潜在的利点を、これら血栓塞栓性イベントの潜在的リスクと比較評価する必要があります。
注入は1回の投与量が100 unit/kg、1日の投与量が200 unit/kgを超えてはなりません。注射またな注入の最大速度は2 unit/kg/minを超えてはなりません。100 unit/kgを超える量の投与を受けている患者は、DIC、急性冠動脈虚血、その他の血栓塞栓性イベントの兆候や症状につきモニタリングします。胸部痛・胸部圧迫感、息切れ、意識・視覚・発話の変容、四肢・腹部の膨張もしくは疼痛またはその両方などの臨床兆候または症状が現れた場合、ファイバ投与を中止し、適切な診断および治療を開始します。
エミシズマブの投与を受けている患者での破綻出血に対するファイバの安全性と有効性は確立していません。エミシズマブによる治療後の破綻出血に対する治療レジメンの一部として被験者にファイバを投与した臨床試験では、血栓性微小血管症(TMA)の症例が報告されています。エミシズマブの予防投与を受けている患者でファイバの必要性を検討する場合、そのベネフィットとリスクを考慮します。エミシズマブの投与を受けている患者でファイバによる治療が必要とされる場合、血友病の治療に当たる医師はTMAの兆候・症状につき注意深くモニタリングする必要があります。ファイバの臨床試験でTMAは報告されていません。
過敏反応や、重度アナフィラキシー様反応を含むアレルギー反応が発現する場合があります。症状にはじんま疹、血管性浮腫、消化器症状、気管支けいれん、低血圧が含まれます。反応は重度で全身性となる場合があります(例:じんま疹と血管性浮腫を伴うアナフィラキシー、気管支けいれん、循環性ショック)。悪寒、発熱、高血圧など、他の注入反応も報告されています。重度のアレルギー反応の兆候や症状が発現した場合、ファイバ投与を速やかに中止して適切な支持療法を施します。
ファイバはヒト血漿を原料としているため、感染因子(例:ウイルス、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)病原体、理論的にはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)病原体)の拡散リスクを伴う場合があります。
ファイバは血液型イソヘマグルチニン(抗A型および抗B型)を含みます。赤血球抗原(例:A抗原、B抗原、D抗原)への抗体の受動的移行は、赤血球抗体に対する一部の血清検査、例えば抗グロブリン試験(クームス試験)に支障をきたす場合があります。
有害反応
予防療法の試験対象者の5%超で観察された最も報告頻度の高い有害反応は、貧血、下痢、関節血症、B型肝炎表面抗体陽性、悪心、嘔吐でした。
観察された重篤有害反応は過敏反応と、脳卒中・肺塞栓症・深部静脈血栓症を含む血栓塞栓性イベントです。
薬物相互作用
トラネキサム酸やアミノカプロン酸などの全身用抗線維素溶解薬をファイバと併用する場合、血栓性イベントが発現する可能性を考慮します。ファイバと、遺伝子組み換え第VIIa因子、抗線維素溶解薬、エミシズマブとの併用または逐次使用に関し、適切な対照を置いてよく管理された試験は1件も実施されていません。ファイバ投与後約6~12時間以内の抗線維素溶解薬の使用は推奨されません。
エミシズマブの臨床試験における臨床経験は、エミシズマブとの薬物相互作用が存在する可能性を示しています。
塞栓性・血栓性イベントに関する枠組み警告を含め、ファイバの完全な処方情報をご覧ください。
血友病について
血友病は困難を伴う慢性疾患で、血液中における凝固因子の欠如または不足が原因で正常よりも長時間の出血をもたらします7。血友病Aは血友病Bよりも一般的であり7、世界における血友病A患者の数は約15万8225人、血友病B患者の数は約3万1247人です8。
血友病患者は、担当の医療専門家と密に連携することで、適切なケアと十分な治療を受けて健康な生活を送ることができます7。治療レジメンでは通常、凝固因子補充のオンデマンド療法もしくは定期的予防療法または両方を実施して、出血リスクの管理や予防を行います7,8。
Takeda Hematologyについて
武田薬品は最近のシャイアー買収後、血友病分野のリーダー企業として、最長の伝統と市場をリードするポートフォリオを備えることとなりました。本ポートフォリオは数十年にわたる実臨床経験により、確立済みの安全性と有効性によって裏打ちされています。当社は70年以上にわたり患者さんのための革新を推進しており9、その広範なポートフォリオは複数種の出血性疾患を対象に11製品に及びます10。当社が血液病分野のリーダーとしての経験を持っているということは、出血性疾患の治療で今後の発展を追求している中で、今日のニーズを満たすための用意が整っているということを意味します。当社は血友病のコミュニティーと共に、早期診断、出血に対する早期の完全な予防、より個別化された患者ケアを含め、将来への期待を高めています。
武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、希少疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。
References
1. 米国血友病協会。「将来の治療法」(Future Therapies)。https://www.hemophilia.org/Bleeding-Disorders/Future-Therapiesよりアクセス可能。アクセス:2019年11月。
2. Wong, T. &Recht, M. Drugs (2011) 71: 305.
3. Rajavel, K et al.「成人血友病患者における異なる血清型のアデノ随伴ウイルス(AAV)に対する既存免疫の同時発現」(Co-Prevalence of Pre-Existing Immunity to Different Serotypes of Adeno-Associated Virus (AAV) in Adults with Hemophilia)。社内資料。
4. Doshi BS, Arruda VR. Gene Therapy for Hemophilia: What Does the Future Hold? Therapeutic Advances in Hematology. 2018;9(9):273-293.
5. Pipe, SW. Gene therapy for hemophilia. Pediatric Blood Cancer. 2018;65(2): e26865.
6. Kruzik, A et al. 「AAV8特異的免疫吸着カラム:既存の抗AAV8中和抗体を持つ患者にとっての治療選択肢」(AAV8-specific immune adsorption column: A treatment option for patients with pre- existing anti-AAV8 neutralizing antibodies)。社内資料。
7. 世界血友病連盟。「血友病とは?」(What is hemophilia?)。世界血友病連盟ウェブサイト。http://www.wfh.org/en/page.aspx?pid=646。最終アクセス:2019年4月。
8. 世界血友病連盟。「2017年度版年次国際調査に関する報告」(Report on the Annual Global Survey 2017)。世界血友病連盟ウェブサイト。http://www1.wfh.org/publications/files/pdf-1714。最終アクセス:2019年4月。
9. 世界血友病連盟。「出血性疾患について:治療」(About Bleeding Disorders: Treatment)。世界血友病連盟ウェブサイト。https://www.wfh.org/en/page.aspx?pid=642。最終アクセス:2019年4月。
10.シャイアー社ウェブサイト。製品リスト。ウェブサイト:https://www.shire.com/products/product-list?t=。最終アクセス:2019年6月。
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