米国海洋大気庁による海中「スニッファー」技術のためのボーナス賞(100万ドル)の受賞者も決定


モナコ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- 本日、人類の重要課題の解決に向けた賞金付きコンペティションの考案・運営で世界をリードするXプライズは、高速・無人・高解像度海洋探査・発見のための海洋技術の進歩を目指した世界的コンペティション「シェル・オーシャン・ディスカバリーXプライズ」(賞金700万ドル)の優勝者を発表しました。




コンペティションの結果は、世界的に知られるモナコ海洋博物館(アルベール2世モナコ財団海洋研究所の一部)で行われた授賞式で公表されました。総額400万ドルが贈られる優勝チームはGEBCO-NF
Alumni
(米国に拠点を置く国際チーム)に決まり、日本のKUROSHIOが準優勝(賞金100万ドル)に決まりました。




  • GEBCO-NF(国際チーム)
    – Rochelle Wigley氏(Ph.D.)とYulia
    Zarayskaya氏(Ph.D.)を中心とする14カ国の国際チーム。既存の技術と海洋マッピングの経験を頑強で低コストの無人洋上船「SeaKIT」と組み合わせ、新規のクラウドベースのデータ処理システムにより高速での海底可視化を可能にし、2030年を目標とする海底面の包括的なマッピングに貢献。


  • KUROSHIO(日本、横須賀)

    中西武志氏(Ph.D.)を中心とするチーム。各パートナーの技術を統合することで、異種の複数の自律的海中艇を運用できる洋上船とソフトウェア・プラットフォームを構築し、高い多目的性を達成。



海中の化学的・生物学的信号を検出して自律的に発生源まで追跡できる技術を開発したチームに贈られる米国海洋大気庁(NOAA)による100万ドルのボーナス賞は、カリフォルニア州サンノゼの中学校チームのOcean
Quest
(優勝、賞金80万ドル)と、フロリダ州のTampa
Deep Sea Xplorers
(準優勝、20万ドル)が共同で受賞しました。



オーシャン・ディスカバリーXプライズのエグゼクティブディレクターのJyotika
Virmani(Ph.D.)は、このように語りました。「現在、世界の海洋の80%以上がマッピングされていません。このXプライズの中でその課題に挑戦する人々と共に活動できたことを誇りに思います。私たちのビジョンは、このような新技術によって新たな海洋種、海洋資源、地質的特徴、深海の安全な探査方法の発見を可能にすることであり、深海の神秘に光が当たることや太古から未知のまま残されているものが発見されることへの貢献も目指しています。」



また、英国のTeam
Taoに賞金20万ドルの「ムーンショット賞」を授与することも審査員団が全員一致で推薦しました。コンペティションの基準を満たすには至りませんでしたが、海底マッピングに対する独自のアプローチが評価されました。



XプライズのCEOのAnousheh
Ansariは、このように述べています。「オーシャン・ディスカバリーXプライズ参加チームの成果には、人々に動機を与えることが革新と投資を促進して市場の状況に大きな変革をもたらすというXプライズの中核的信念が忠実に反映されています。これまでにない革新的なアプローチを示した受賞チームのGEBCO-NF
Alumni、KUROSHIO、Ocean Quest、Tampa Deep Sea Xplorers、そしてTeam
Taoを祝福できることを栄誉に感じます。パイオニアである各チームが海洋探査の未来と海洋での新発見の中心になっていく様子が見られることを心待ちにしています。」



受賞者の決定に当たっては、ギリシャのカラマタとプエルトリコのポンセで行われた実地試験によるデータを独立的な審査員団が検討しました。カラマタでは、各チームは24時間の制限時間内に最低でも5mの水平解像度で250
km2以上の海底をマッピングすることが求められました。各チームのマップを判断する基準となった高解像度基準マップはOcean
InfinityとFugroが提供し、地理情報システム(GIS)ソフトウェアおよびジオデータベース管理の世界的リーダーであるEsriが各チームと審査員団が利用できるArcGIS
Onlineプラットフォームを寄贈しました。



シェルの北米・ブラジル探査担当バイスプレジデントのMartin
Stauble氏は、次のように述べています。「シェルでは、大きな問題を解決する上でのアイデアのパワーと協業の価値を固く信じています。私たちは、シェル・オーシャン・ディスカバリーXプライズに関与できたことを誇りに思います。この賞は世界各地のチームに活力を与え、革新と技術、学習を刺激し、私たちの海についての理解を深めるためのデータ収集に貢献しました。Xプライズの結果が促進剤となり、企業、研究所、社会が利用できるデータの収集ペースと質に飛躍的変化が起きることを期待しています。」



総額700万ドルの賞金の一部として、4つのチームが100万ドルのNOAAボーナス賞を競うことを選択しました。プエルトリコのポンセでの実地試験において、各チームは海中の特定の物体を「嗅ぎ分ける」能力を立証する必要がありました。これは、生物的・化学的信号をまず検出して、次に発生源まで追跡する能力です。審査員団が判断したところ、所定の時間内に信号を発生源まで追跡できたチームはなかったため、賞は、最も近くまで近づいた2つのチームに分割して授与されることになりました。



昨年は、700万ドルの賞金枠の最初の100万ドルが9つの最終候補チームに均等に授与されました。これは、それまでの前進を認め、各チームの継続的な技術的発展を支援するためでした。



NOAA長官代理のNeil
Jacobs氏(Ph.D.)は、次のように述べています。「NOAAにとって、海中の化学的・生物的信号を追跡できる無人ツールの開発を加速させているこの重要なコンペティションを支援することは誇りです。NOAAボーナス賞の結果として生まれた最先端技術は、ブルーエコノミーの発達を促進する一助となり、将来の技術革新の刺激となるでしょう。」



コンペティション終了後の活動の一環として、Xプライズは、Seabed
2030とのパートナーシップを発表しました。これは、日本財団と大洋水深総図(GEBCO)の共同プロジェクトであり、世界の海洋のマッピングの2030年までの完了を促し、すべての水深データを無料で利用できるGEBCO
Ocean Mapとして編纂することを目指しています。



さらに、6月8日の世界海洋デーを控え、Xプライズは、19本のオリジナル・ショート・ストーリーとアートをまとめたSF海洋アンソロジーを開始します。その舞台は、テクノロジーの力によって世界の海洋の秘密が解き明かされた未来に設定されています。



詳細情報については、oceandiscovery.xprize.orgをご覧ください。



Xプライズについて



Xプライズは、技術的ブレークスルーの開発を奨励する数百万ドル規模の世界的コンテストを考案・運営し、より良い未来に向けた人類の歩みを促進できるようにしています。現在実施中のコンテストには、賞金2000万ドルのNRG
COSIAカーボンXプライズ、賞金1000万ドルのANAアバターXプライズ、賞金500万ドルのIBMワトソンAI
Xプライズがあります。詳細情報については、xprize.orgをご覧ください。



ロイヤル・ダッチ・シェルについて



シェルは100年以上にわたって、技術のパイオニアとして多数の変革的な「業界初」を達成し、顧客とパートナーが必要するエネルギーを提供してきました。2007年以来、シェルは年間10億ドル以上を研究開発に投じています。2014年のシェルの研究開発費は12億ドルでした。シェルは、技術およびエンジニアリングに従事するスタッフを4万3000人以上抱えています。



シェル傘下の企業は70以上の国・地域に拠点を持ち、その事業は石油・ガスの探査・生産、液化天然ガスの生産・販売と天然ガスの液化、石油製品と化学品の製造・マーケティング・出荷、再生可能エネルギープロジェクトなどを含みます。ロイヤル・ダッチ・シェルはイングランドとウェールズで設立され、ハーグに本拠を構えています。ロンドン、アムステルダム、ニューヨークの証券取引所に上場しています。詳細情報については、www.shell.comをご覧ください。



米国海洋大気庁(NOAA)について



米国海洋大気庁(NOAA)は、商務省内に設置されている科学的な連邦政府機関です。規制、運営、情報サービスに関する業務を担い、米国のすべての州・地域に拠点があります。NOAAの使命は、深海から太陽の表面に至るまで、地球環境の変化を理解・予測し、沿岸資源と海洋資源の保全と管理を行うことです。詳しい情報については、www.noaa.govをご覧ください。



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310.741.4880 / eric@xprize.org
katherine.schelbert@xprize.org

情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 自律的海洋探査の発展を目指した賞金700万ドルのシェル・オーシャン・ディスカバリーXプライズで、優勝者が決定