• 世界の大企業の取締役会における女性の構成比は2016年の18.5%から20.4%へ上昇


  • 同数化に向けた進捗は減速し、新たに任命された取締役の4分の3近くが男性であることから、女性役員の採用を大幅に増やさない限り、完全に均衡のとれた取締役会を実現するのは非常に困難


  • エゴンゼンダーは「重要な節目となる人数」を達成して男女多様性の恩恵を得るために1つの取締役会に最低3人の女性取締役の採用を呼びかけ


ロンドン & ニューヨーク & チューリヒ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --
世界的経営陣アドバイザリー企業のエゴンゼンダーは本日、世界の取締役会の男女多様性を調査した「2018年グローバル・ボード・ダイバーシティー・トラッカー」の結果を公表しました。この調査は、西ヨーロッパで見られていた急速な女性役員の増加が今や横ばいとなり、その他の地域での増加は鈍いままであることから、現在の進捗度合いでは取締役の男女同数化という目標を達成できないかもしれないと指摘しています。



44カ国の時価総額70億ユーロ以上の上場企業1610社を対象とするデータを検証した調査は、女性取締役の人数は徐々に増えているものの、世界で新たに任命された取締役のほぼ4分の3が男性であることを明らかにしました。



エゴンゼンダー会長のジル・エイダーは、次のように述べています。「男女多様性が必要であるにも関わらず、その実現は遅々として進んでいません。多くの企業が求めている、変革を起こす力を発揮するには、別の角度からの意見と観点が不可欠です。トップレベルの企業を筆頭に、企業は節目となる人数の女性を取締役会と執行委員会に採用することで生まれる影響の大きさを認識し、こうした目標を達成するための方策を講じなくてはなりません。」



主な知見



隔年で行われた調査により、女性取締役の割合と取締役会の国際化は、エゴンゼンダーが取締役会の多様性の追跡調査を始めた2004年に比べて、大幅に向上したことが判明しました。



しかし、取締役会に現実社会の男女比を反映させるには、新たな方策が必要です。エゴンゼンダーは企業に対し、「『3』は魔法の数(magic of
three)」原則の導入を提案しています。男女多様性による恩恵を得るには、女性取締役を1人任命しただけでは不十分です。取締役会のあり方を変え、女性が自分たちの意見を表明できるようにするには、少なくとも3人の女性取締役が必要となります。



調査の一環としてエゴンゼンダーが面談した企業幹部は一様に、企業戦略に多様性を取り入れることの重要性を説いています。ユニリーバのポール・ポールマン最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「当社が事業を運営する社会の姿をまず自社に反映することができなければ、どうやって企業として成功できるのか、理解に苦しんだことでしょう。」そして、男女多様性の推進は「企業の最高経営責任者が断固として実行しなければならないこと」だと回答しました。



女性取締役の人数は増えていますが、増加の勢いは減速しています。




  • 世界の大企業の取締役会における女性の構成比は2016年の18.5%に比べて20.4%に上昇しています。世界のトップを走るのはフランスで、取締役会の42%を女性が占めています。これに対し、ハンガリー、日本、サウジアラビア、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)では女性取締役の構成比が6%未満となっています。


  • 2018年に新たに就任した取締役は世界の全取締役の11.4%を占め、新任取締役のうちの27.0%が女性でした。これは、前回レポート時の24.1%を上回る数字ですが、全取締役のうち、新任女性取締役が占める割合はわずか3.1%であることも意味しています。


  • しかし、女性取締役の任命は地域によって大きく異なります。2018年の新任取締役のうち、オーストラレーシア、西ヨーロッパ、米国、カナダでは女性が35%を占めますが、これに対し、南米では16.7%、アジアでは12.5%となっています。米国では、全体的な女性取締役のパーセンテージは2012年に比べて、わずか3.2%の上昇にとどまっています。



近年において大幅な進捗を見せてきたものの、多くの企業は「魔法の数」である3人の女性取締役の採用からは、かけ離れた状態にあります。




  • 調査対象の44カ国中19カ国で、時価総額の高い大企業はすべて1人以上の女性取締役を採用しています。この数字は2016年では15カ国、2012年ではわずか8カ国でした。


  • 大企業の取締役会1つにつき平均で3人以上の女性取締役を採用しているのは44カ国中13カ国だけで、そのうち5カ国(ベルギー、フランス、ドイツ、スウェーデン、イタリア)では平均4人以上となっています。この5カ国のうちスウェーデンを除く4カ国では、何らかの形で取締役会の男女定員制度を設けています。取締役会あたりの女性の人数は平均3.8人の西ヨーロッパがトップで、続いてオーストラリア/ニュージーランド(2.7人)が第2位、北米(2.5人)が第3位となっています。



取締役会における女性の構成比が拡大しているとは言え、女性幹部、特に最高経営責任者(CEO)の女性比率は依然として低いままです。




  • 世界の最高経営責任者のうち女性が占める割合はたった3.7%で、この数字は過去2年間変わっていません。


  • 執行委員会のメンバーのうち女性が占める割合はわずか5.6%です。


  • 他の多様性指標では上位に来るノルウェー、ドイツ、カナダを含む23カ国で、調査を行った多数の企業のうち女性が最高経営責任者を務める企業はありませんでした。



行動計画



エゴンゼンダーは、男女多様性を真の意味で進めるなら、企業は運営方針を変えなくてはならないと確信しています。




  • 可能性で選ぶ - 企業への調査により、華やかな経歴よりも特定の個人的資質の方が成功につながる指標であることが判明しています。


  • 経営陣が責任を担う - 多様性への注力は中核とするべき企業戦略であり、上級幹部と取締役が企業の明確な目標として設定すべきです。


  • 目標を高く保つ:「女性取締役3人」に取り組む
    取締役会が重要な節目となる人数である3人の女性取締役を擁するようになるまで、大きな状況の変化は望めないでしょう。取締役会は能動的に有能な女性を抜擢すべきであり、取締役の任期制限や積極的な再編成について検討しなくてはなりません。


  • 取締役に成功のための思考を促す
    取締役会の会長と取締役は、多様な観点や意見を持つことで取締役会としての任務遂行の効率が落ちる可能性があると同時に、それを補う効果があるという事実を受け入れる必要があります。



エゴンゼンダーのインタラクティブツールを用いて、レポートのすべての提案と知見のビジュアルを閲覧することができます:www.egonzehnder.com/global-board-diversity-tracker



地域別・国別分析を含むレポート全文は、こちらでご覧いただけます:www.egonzehnder.com/global-board-diversity-tracker



編集者への注記:



エゴンゼンダーについて



エゴンゼンダーは世界的な経営陣アドバイザリー会社であり、優れたリーダーシップにより人々、組織、世界に変革を起こすという唯一の目標を共有しています。



エゴンゼンダーは優れたリーダーが持つ力を理解し、お客さまに最善のリーダーシップ・ソリューションを提供することに熱意をもって取り組んでいます。



1つの会社として、当社では40カ国68カ所のオフィスで450人を超えるコンサルタントが個々の力を結集し、1つの強力かつ協調的なチームを作っています。



当社は、公共団体、民間企業、家族経営会社、非営利組織、政府機関に緊密に協力し、ボードアドバイザリー・サービス、CEOサーチと継承計画、エグゼクティブ・サーチ、エグゼクティブ評価、リーダー&チーム育成、組織変革といったサービスを提供しています。



エゴンゼンダーは、成功したキャリア、より強力な企業、より良い世界の実現に貢献することに力を注いでおり、そうすることに誇りを持っています。



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情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 エゴンゼンダーのグローバル・ボード・ダイバーシティー・トラッカーが取締役の男女同数化は達成困難な目標であると指摘