モバイル業界はバングラデシュのビジョン2021の目標を実現できる特別な立場にあり、税制改革によって5年間で約8億2500万ドルの増収が可能


香港--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --
GSMAは本日、バングラデシュのモバイル業界について概説した新報告書を発表しました。同国のモバイル業界は過去10年間に急成長を遂げ、現在はアジア太平洋で第5位の市場規模を誇るまでになっています。GSMAインテリジェンスによる同国の概説では、モバイル・サービスの料金、税制、周波数帯の価格設定など、ビジョン2021の目標達成に向けたバングラデシュ政府の取り組みを妨げる可能性があるいくつかの課題についても取り上げています。さらにGSMAは本報告書を補完する内容として、税制改革がバングラデシュのモバイル業界にもたらす可能性がある経済的影響について調査した結果も明らかにしました。これはEYに委託して作成した報告書です。




GSMAのアジア太平洋担当ヘッドのアラスデア・グラントは、次のように述べています。「バングラデシュ政府によるビジョン2021とデジタル・バングラデシュの取り組み、そして国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援する上で、モバイル業界が重要な役割を果たすことは明瞭です。モバイル技術はこれまで、そして今後もバングラデシュ国民に好影響をもたらし、バングラデシュのデジタル社会への進展を加速させることができます。しかし、同国はいまだに深刻なデジタル格差に直面しているため、モバイル・インターネット接続が繁栄するための適切な環境整備に向けて、対策を講じる必要があります。」



2017年末時点におけるユニークモバイル加入数は8500万人で、同国民の半数以上が必要不可欠なサービスを利用できます。しかし、3Gネットワークのカバー域にバングラデシュ人口の93パーセントがいるにもかかわらず、モバイル・インターネットの普及は2017年に21パーセントと、いまだに遅れをとっています。ネットワーク品質、廉価な周波数帯の提供、税制、サービス料金、使用性とスキルの欠如、地域に関連するコンテンツなど、導入を妨げている課題克服を優先することが、デジタル格差を縮めるカギとなるでしょう。



GSMAはバングラデシュの概説で、以下を含む幾つかの重要な知見を明らかにしました。



廉価性がモバイル普及の大きな障壁に




  • モバイル・アクセスの料金が高額な場合、月収に占める割合が高い最低所得者層の消費者に最も大きな影響を与えます。


  • 高額な税金や料金は、消費者に提示される小売料金に直接反映されるため、デジタル包摂の大きな障壁となります。



将来を見据えた規制環境が不可欠である




  • バングラデシュの政策立案者と規制当局は、重要分野の規制の見直し、改革、近代化を通じて、モバイル・ブロードバンドの利用および普及の拡大で、重要な役割を果たすことができます。


  • 業界関係者と協議の上、将来の周波数帯(700
    MHzなど)の割り当てに関する予測可能なロードマップを作成し、公正かつ適正な政策と規制を保証すると同時に、周波数帯の効果的な価格設定を支援すべきです。


  • モバイル・セクターへの個別課税を改革し、よりバランスの取れた効率的な構造を構築することで、消費者とモバイル通信事業者の税負担を軽減して、モバイル製品やモバイル・サービスの求めやすさを向上させることができます。



周波数帯が通信事業者の投資能力を低減する障壁に




  • 2018年2月に実施された周波数帯入札では、最低競売価格と関連ライセンス費用が高額だったため、いくつかの周波数帯が売れ残りました。これは、将来実施する周波数入札で、通信事業者が周波数を利用するために必要な資金のみならず、その後インフラを導入するための財政能力も考慮して、最低競売価格を設定することの重要性を浮き彫りにしています。


  • 政府は、周波数帯の時機を得た開放と適正な価格での利用を保証し、優れた品質と廉価なサービスを促進すべきです。



モバイル分野における税制改革がもたらす影響



またGSMAはEYに委託して、バングラデシュのモバイル分野で税制改革を行った場合の経済的影響について調査しました。報告書「バングラデシュにおけるモバイル分野の税制改革」は、モバイル分野の動向とバングラデシュにおけるモバイル課税の扱いについて分析し、税制改革で考えられる選択肢がモバイル分野、より広範な経済、そして政府の財政的立場にもたらす影響について推測しています。財政的には5年間にわたって、以下のような増収が見込まれます。




  • 2900万ドル:非公開企業であるモバイル企業の法人税を45パーセントから40パーセントへ、公開企業であるモバイル通信事業者の法人税を40パーセントから35パーセントへと引き下げ。


  • 3億9700万ドル:SIMに対する35パーセントの補足税と15パーセントのVATを廃止。


  • 3億9700万ドル:モバイル・サービスに課せられている5パーセントの補足税を廃止。



バングラデシュ政府はこれらの提案された税制改革により、改革後の初年度は初期コストが発生する可能性がありますが、税制改革は最終的には自己投資を上回る成果が期待できます。生産性が高まり、中期的にはGDPと税収が増える見通しです。また、税制改革は、投資を促進し、モバイル機器の所有コストを削減し、モバイル利用を促しますので、個人のモバイル・サービス利用を増やし、とりわけ低所得者層の利用が増加します。



グラントは次のようにつけ加えています。「課題は確かにありますが、政府とモバイル業界が協力して、何百万人ものバングラデシュ人のためにデジタル変革の力を解き放つことができる機会が存在します。」



GSMAインテリジェンスのバングラデシュの概説は、こちらからダウンロードできます:



https://www.gsmaintelligence.com/research/?file=a163eddca009553979bcdfb8fd5f2ef0&download



「バングラデシュにおけるモバイル分野の税制改革」報告書は、こちらからダウンロードできます:



http://www.gsma.com/publicpolicy/taxation-bangladesh-mobile-connectivity-through-efficient-tax



-以上-



GSMAについて



GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体で、モバイル事業約800社を結集しています。そのうち300社以上は携帯電話機および端末メーカー、ソフトウエア企業、機器プロバイダー、インターネット企業など、広範囲なモバイル・エコシステムを構成する企業であり、関連業界セクターの組織も参加しています。GSMAはモバイル・ワールド・コングレス、モバイル・ワールド・コングレス上海、GSMAモバイル・ワールド・コングレス・アメリカズ、モバイル360シリーズのカンファレンスなど、業界を主導するイベントの開催も行っています



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記事名:「 GSMA:バングラデシュのビジョン2021の目標達成には、モバイル周波数と税制に関する障壁を排除する必要あり