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第5回年次世界患者安全・科学・技術サミットにて、今年のイノベーション賞の受賞者が発表されました。今回の年次サミットには数百人の医療専門家、病院管理者、医療技術企業幹部、患者支援者が招集され、諸課題や、米国の病院で毎年20万件以上、世界中では毎年数百万件も発生している予防可能な患者死亡の根絶に役立つ革新的なプロセスや手順について議論しました。
2016年イノベーション賞の3組の受賞者は、発明家や起業家が提出した100件以上の革新的な製品やプロセスの中から選出されました。これらはすべて、予防可能な患者死亡の根絶に貢献することを狙ったものです。一等の賞金5万ドルを受賞したのはReavillMED,
LLCで、同社の「輸液挿入セントラルラインの手法」(infusion inserted central lines
procedure)が評価されました。二等の賞金2万5000ドルはSafeDose Scanが評価され、eBroselow,
LLCに授与されました。三等の賞金1万ドルは、「自殺の体系的専門リスク評価」(Systematic Expert Risk Assessment
of Suicide、SERAS™)のための製品・プロセスを提出したWISER Systems, LLCに授与されました。
患者安全運動創設者のジョー・キアニは、患者安全の分野でこれほど多くのイノベーションを推進し続ける懸命の努力と創造力に対する感謝の言葉を述べました。「受賞者のすべてに祝意を表します。また命を救う装置や手法を提出いただいた参加者のすべてに大変感謝しています。」
受賞した3件のイノベーションは次の通りです。
一等賞の受賞者:ReavillMED, LLC — 「輸液挿入セントラルラインの手法」
ReavillMEDは、セントラルラインの挿入を以前にも増して簡素・安全・迅速なものにします。「点滴挿入セントラルラインの手法」はルーチン的な腕でのIVスタートを、長期留置PICC(セントラルライン)と30秒以内の簡単な輸液のIVプッシュに変えるものです。この手法は気胸、ガイドワイヤーロス、頚部動脈穿刺のリスクを取り除くと同時に、感染症のリスクをほぼ完全に取り除きます。この手法により、現行のプロトコルや、重症敗血症プロトコルなどさらに困難な場合が多いプロトコルが数時間ではなく数分で、しかもすべて1本の針で実施可能になります。考案者のMatt
Reavill氏とDulie
Reavill氏は、「患者安全運動に感謝します。表彰いただきありがとうございます。他の9件の優れた技術は同等に優秀であると私たちは思っており、これらと共に選出されたことは光栄です。前進を続け、患者安全運動を発展させることは、名誉であり、私たちにとっての責任でもあります。この運動は私たちの父が亡くなった1994年に始まりましたが、私たちは世界に変革をもたらすと考えるソリューションによって運動を前進させてきました」と述べています。
二等賞の受賞者:eBroselow, LLC — SafeDose Scan
命を救い得る医薬品や終末期医薬品を、急性疾患を持つか負傷した小児に迅速かつ安全に投与する能力は、医師にとって最も大きな課題の1つとなっています。あらゆる医薬品、体重、適応症に関して毎回100パーセント正しい用量、濃度、容積、希釈度を確保するには、小児科薬剤師を24時間配置することが必要になります。eBroselowのSafeDose
Scanは、決して過ちを犯すことがなく、ストレスを感じず、手のひらに収まる携帯型・オフラインの「仮想小児科薬剤師」を提供することで、この問題を解決します。本技術はアクセスポイントとして普遍的な医薬品NDCバーコードを使用し、ポイントオブケアにおける数値的な誤りや記憶上の誤りの可能性を排除します。受賞に当たり、eBroselowのジェームズ・ブロズロー最高経営責任者(CEO)は、「キアニ氏と患者安全運動の素晴らしいチームに感謝します。これほど意義深い仕事を成し遂げたいという志を同じくする人々のチームにかかわったことは今までありませんでした。このグループに参加できるだけで最高の報いを受けました」と述べています。
三等賞の受賞者:WISER Systems, LLC — 「自殺の体系的専門リスク評価」(SERAS™)
1日おきに誰かが病院で自殺し、その12倍の人数が自殺を企図し未遂に終わっています。SERAS™は神経回路網を利用したエキスパートシステム意思決定支援ツールで、経験豊富な医師がリスク要因を比較検討し、患者が72時間以内に自殺するリスクを評価する際のクリティカルシンキングを再現します。患者はタブレットを用いた質問票に回答するのに1分も要しません。プロセスはウェブを利用しているため、多くの臨床現場やプロバイダーの間で一貫性・体系性・質を確保した評価が可能です。SERAS™は差し迫った自殺のリスク評価で非メンタルヘルス系の第一線の医療提供者を支援し、ベストプラクティスの介入方法を提案します。受賞に当たり、WISER
Systemsの最高経営責任者(CEO)であるDr. Isabelle
Dejardinsは、「自殺はサイレントキラーです。自殺に直面して無力感にさいなまれるのは容易なことです。全体的に見て、これ以上手をこまねいているわけにはいきません。私たちは自殺が予防可能であると考えています。受賞は当社のビジョンが正しいことを示すもので、以前にも増す献身度でこの道を歩み続けるよう私たちを鼓舞するものです。当社は受賞に大いに感謝し、2020年までに予防可能な死亡を根絶するという目標に傾倒しています」と述べています。
2017年世界患者安全・科学・技術サミットのビデオと概要は、まもなくwww.patientsafetymovement.orgに掲載予定です。
患者安全運動財団について
米国の病院で毎年20万人以上、そして世界で300万人が予防可能な要因により死亡しています。患者安全運動財団は、2020年までにこれら予防可能な死亡を0まで(0X2020)減らすべく、マシモ医療倫理・革新・競争財団の支援により設立されました。患者安全を改善するには、患者、医療提供者、医療技術企業、政府、雇用主、民間保険組織を含むすべての関係者の協働努力が必要です。患者安全運動財団は、すべての関係者と協力して患者安全の問題と解決策に取り組みます。当財団は、患者安全・科学・技術サミットも開催しています。サミットでは、世界最高の良心の一部を呼び集め、示唆に富む議論や現状打破に挑戦する新しいアイデアを交わします。患者安全運動は、患者安全の課題に対処するための具体的で影響力が大きい手法である「実施可能な患者安全ソリューション」を紹介し、自社製品の購入者にデータを共有するよう医療技術企業に促し、病院に「実施可能な患者安全ソリューション」を導入するよう呼び掛けることで、2020年までに予防可能な死亡の根絶に向けた活動を続けています。http://patientsafetymovement.org/をご覧ください。
@0X2020 #patientsafety #0X2020
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Patient Safety Movement Foundation
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