非常に明るいシーンでも高速に変化する被写体を正確に捉えるとともに、動き方向の検出も可能に


大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- パナソニック株式会社は、有機薄膜*2を用いたCMOSイメージセンサにおいて、従来に比べ約10倍*1の明るさまで忠実に画像を撮像できるグローバルシャッタ技術を開発しました。光電変換を行う有機薄膜と、信号の電荷蓄積を行う回路部を独立に設計可能な構造上の特長を生かし、これまでグローバルシャッタ機能で制約されていた飽和信号量を拡大させ、明るいシーンでも高速な被写体を正確に捉えることが可能です。さらに、有機薄膜へ印加する電圧を変化させることでシャッタ感度を制御し、1枚の画像内で対象物の動きを色の濃淡で表現することができることから、動き方向の検出(モーションセンシング)が可能となります。







*1 : グローバルシャッタ機能搭載シリコンCMOSイメージセンサ従来品と比較して。(単位画素面積当たり)
*2
: 富士フイルム株式会社が開発した有機薄膜を使用



本技術により、例えば回転するプロペラのような動く被写体の撮像時に、従来のシャッタ機能で発生していた画像歪みが生じることなく、動きを正確に捉えることができます。また、被写体速度に合わせた撮影による動体・文字認識や、動き方向の検出が可能です。これまで適用が難しいと考えられてきた高速被写体撮影など新たな用途への展開・拡大が期待されます。



本開発は以下の特長を有しています。




  1. 光電変換機能を有する有機薄膜と、信号読み出し回路部を完全に独立させることで、広い入射光線角度(60度)、高感度、高飽和、信号処理回路の高機能化が可能。


  2. 当社独自の「光電変換制御シャッタ技術」により、従来のグローバルシャッタ機能を有するイメージセンサと比べ約10倍の飽和信号拡大を実現。



また本開発の特長は、以下の技術により実現しています。



(1) 光電変換部と回路部を独立設計可能な有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサ設計技術。



(2) 有機薄膜の感度制御によりグローバルシャッタ機能を実現する光電変換制御シャッタ技術。



(3) 露光毎の感度を可変とする感度可変多重露光技術。



従来のグローバルシャッタ機能を有するイメージセンサでは、各画素内にメモリを設け、光電変換した信号を格納することで、機能実現を図っていましたが、メモリを設けることで画素内受光部の有効面積に制約を受けるため、飽和信号量が低下してしまうという課題がありました。また感度を変えた多重露光撮像も面積制約から実現が難しいという課題がありました。



当社は本技術に対し、国内60件、外国41件(出願中含む)の特許を有しています。



また本技術の一部は2016年1月31日~2月4日に米国サンフランシスコで開催された国際学会ISSCC(International
Solid-State Circuit Conference)2016にて発表しました。




Contacts


【お問い合わせ先】
パナソニック株式会社 
全社CTO室 広報担当
Email : crdpress@ml.jp.panasonic.com

情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 パナソニックが、従来比約10倍*1の明るさまで忠実に画像を撮像できる有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサ向け高機能グローバルシャッタ技術を開発