東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 東芝は、機能安全注1に対応したマルチ出力の車載向け汎用システム電源IC「TB9044FNG」を製品化し、本日からサンプル出荷を開始します。量産開始は2017年10月からの予定です。








非常に高い安全性が要求される電動パワーステアリングシステム(EPS:Electric Power
Steering)、ブレーキシステムなどでは、機能安全規格ISO 26262で規定されている最も高い自動車安全度水準であるASIL-D注2を求められるケースが多くなっています。



本製品は、製品自身の動作異常を監視する機能として電源の高電圧・低電圧検出や過熱検出、周波数異常検出を、また外部のマイコンの動作異常に対する監視機能としてウォッチドッグタイマの異常検出回路を内蔵しています。さらに、Latent-fault(潜在的な故障)を検出するために異常検出回路の診断回路を内蔵し、機能安全の向上を図っています。
加えて、当社では様々なシステム異常を想定した機能安全分析を実施しており、ユーザーが安全設計・安全分析を行う上で必要となる機能安全FMEDA注3などの各種ドキュメントを提供します。



新製品の主な特長




  1. 各種異常検出回路(機能安全を考慮)
    バッテリ電源の低電圧検出回路、DC-DCコンバータ(6V)の高電圧検出回路、シリーズ電源(5V)の高電圧/低電圧検出回路、IC内部過熱検出回路、IC内部発振周波数監視回路、MCU監視用ウォッチドッグタイマ回路を内蔵しています。


  2. 異常検出回路の診断回路(機能安全を考慮)
    Latent-fault(潜在的な故障)を検出するため、異常検出回路の診断回路を内蔵しています。


  3. 昇降圧型DC-DCコンバータ回路内蔵
    車載バッテリから高効率DC-DCコンバータで6Vを生成します。また、アイドルストップ時に一時的に電圧が低下するクランキング動作を考慮し、バッテリ動作の電源電圧範囲は2.7V(min.)としています。


  4. シリーズ電源注44回路内蔵(4出力)
    DC-DCコンバータで生成された6V電源を入力とする4回路のシリーズ電源を内蔵しています。
    マイコン用の5V定電圧(電流容量400mA)1回路と、センサーやその他インタフェース用の5V定電圧出力(電流容量100mA)3回路から、独立して電圧出力可能です。


  5. 異常時の動作を選択可能
    異常を検出した時、システムにリセットを出力するのか、または、システムに通知するのみとするのかをSPI通信注5のレジスタ設定を変えることにより選択することが可能です。これにより、アプリケーションやシステムの違いによってIC制御、またはシステム制御を選ぶことが可能になるため、様々なシステムに適用することができます。














































































 


新製品の主な仕様



品番

 

TB9044FNG

量産開始予定時期


2017年10月

量産規模



年間100万個



出力電圧


400mA出力(1回路):5.0V±0.1V


100mA出力(3回路):400mA出力(1回路)±20mV



出力電流能力


400mA出力(1回路)、100mA出力(3回路)

動作電圧範囲



+2.7~18V



異常検出回路


バッテリ電源の低電圧検出回路、DC-DCコンバータ(6V)の高電圧検出回路、シリーズ電源(5V)の高電圧/低電圧検出回路、IC内部過熱検出回路、IC内部発振周波数監視回路、MCU監視用ウォッチドッグタイマ回路

パワーオンリセット


外部コンデンサによる時間調整可能

ウォッチドックタイマ


ウィンドウ方式(高速検知及び低速検知は独立して時間選択可能)

ウォッチドック停止制御


ウォッチドックタイマセレクト(WS端子)による動作と停止切替可能

動作電源電圧範囲



2.7~18V



動作温度範囲



-40~125℃



パッケージ

 

HTSSOP48-P-300-0.50(6.1mm×12.5mm×1.0mm)

 


注1:
機能安全とは、電気・電子システムの機能不全が引き起こす故障によるリスクを許容できるレベルまで下げるという考え方です。特に第三者に対して、システムが安全であることを合理的に説明できることが重要となっています。自動車向け機能安全の規格である「ISO26262」では、機能安全を正しく実現するための開発プロセスなどが規定されています。
注2:
ASIL:Automotive Safety Integrity Level (自動車安全度水準)
注3: FMEDA:Failure
Modes Effects and Diagnostics Analysis (故障モード影響診断解析)
注4:負荷に直列に電圧制御素子が接続された、定電圧電源回路
注5:SPI:Serial
Peripheral Interface(同期式シリアル通信)



東芝の車載システム電源ICについては下記ページをご覧ください。
http://toshiba.semicon-storage.com/jp/product/automotive/powersupply.html



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情報提供元: ビジネスワイヤ
記事名:「 東芝:機能安全に対応したマルチ出力の車載向け汎用システム電源ICのサンプル出荷開始について