カリブ海に漂着する「サルガッサム」を堆肥化 滋賀県の試験農場で農業利用の可能性を検証
@Press 2026年09月24日 10:30:00
キュウリ生育状況比較
サルガッサム堆肥
生育状況
野菜のヒ素分析
■検証結果
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/633332/LL_img_633332_6.png
生育結果
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/633332/LL_img_633332_2.png
サルガッサム堆肥
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/633332/LL_img_633332_3.png
生育状況
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/633332/LL_img_633332_1.png
キュウリ生育状況比較
■試験の概要
・施肥日 : 2026年5月31日
・試験場所: 滋賀県大津市のWEF試験農場
・供試堆肥: ドミニカ共和国由来のサルガッサムをα-GaiaでAOS処理し、炭、
ぬか、納豆菌を加えて10日間で堆肥化
・対照区 : 馬ふん堆肥を施用。両区にもみ殻シリカ(熱対策)を追加
・栽培作物: キュウリ、ミニトマト、ピーマン、トウガラシ、モロヘイヤ
■収穫野菜のヒ素は定量下限未満
2026年8月18日に採取したキュウリ、ピーマン、ミニトマトについて、第三者分析機関がヒ素を分析しました。3検体はいずれも0.01 mg/kg未満でした。この結果は、今回の栽培条件と分析対象において、収穫物から定量可能なヒ素が検出されなかったことを示します。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/633332/LL_img_633332_4.png
野菜のヒ素分析
■AOS+炭の堆肥化技術で農業利用の課題に対応
サルガッサムは鉄、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどを含み、農業資材としての活用が期待されています。琵琶湖の水草のミネラル分は5%程度ですが、サルガッサムは20~40%程度あります。これが農作物の生育に影響した可能性があると考えられますが、一方で、サルガッサムにはヒ素を蓄積する可能性があり、このため積極的な農業利用はされてきませんでした。
WEFは、AOSによる植物の細胞壁分解と、炭を組み合わせた堆肥化を進めています。炭利用は堆肥の高速処理化と共に、ヒ素対策にも有効です。炭・バイオ炭による重金属等の固定化、土壌中での移動抑制、植物への取り込み低減については、多数の研究が報告されています。WEFはこの科学的知見をサルガッサム堆肥に応用し、今回の試験でも収穫野菜のヒ素が0.01 mg/kg未満であることを確認しました。
一方、ヒ素の挙動は炭の原料・製造条件、土壌pH、酸化還元状態、ヒ素の化学形態などによって変わります。今後、原料サルガッサム、完成堆肥、土壌および作物の継続分析を行い、WEF方式による固定化効果と安全な使用条件を定量的に検証します。
■沿岸に被害を与えるサルガッサムを地域の農業資源へ
カリブ海沿岸では、大量漂着したサルガッサムが漁業、観光、沿岸環境や住民の健康に影響を与えています。2026年6月には、東カリブ海で約900万トン、西カリブ海で約360万トン、メキシコ湾で約500万トンが観測され、各海域で過去最高となりました。回収物を短期間で農業資材へ転換できれば、処分負担の軽減と地域農業への還元を同時に進められる可能性があります。また、今後危惧されている世界的な食糧不足においても、この大量のサルガッサム堆肥化利用は、大きな可能性を秘めていると言えます。
ベリーズおよびトリニダード・トバゴの政府関係者もWEFを訪問し、サルガッサムの処理と地域内資源循環への活用について技術を確認しています。WEFは今後、カリブ海地域の政府、大学、農業関係者と連携し、現地原料を用いた成分・安全性評価、再現性のある栽培試験、実証設備の導入検討を進めます。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/633332/LL_img_633332_5.png
カリブ沿岸諸国の来社
■WEF技術によるサルガッサム有効利用まとめ
(1)活性酸素(AOS)+炭により、通常完熟に3ヶ月かかる堆肥化が5~10日で終了。
→大量のサルガッサム処理に効果。
(2)炭入りコンポストは、ヒ素がサルガッサムに入っていても、農作物への吸収が避けられる。
→安全な使用条件の検証。
(3)多量のミネラルを含有するサルガッサム堆肥+炭は、農作物の収量増加につながる可能性がある。
→農業の採算性向上や農家の収入増加への貢献が期待される。
(4)炭入り堆肥は、堆肥から発生するメタン発生量を30~50%削減する。
→WEFサルガッサム堆肥利用農業は、CO2の削減に貢献(CO2排出農業からCO2削減農業へ)
■代表コメント
「海岸に大量漂着し、地域に損失をもたらしてきたサルガッサムを、農作物の生育を支える資源へ変えられる可能性が見えてきました。今回の結果を出発点として、安全性と再現性を科学的に確認し、カリブ海地域の環境対策と食料生産の双方に役立つ仕組みを現地の皆様と構築していきます」
■今後の検証項目
・複数区画と反復を設けた栽培試験による収量差の統計的検証
・原料、堆肥、施用前後土壌、作物可食部の総ヒ素およびヒ素化学形態の分析
・塩分、重金属、成熟度、施用量を含む品質・使用基準の策定
・炭の配合量や性状と、ヒ素の溶出・植物移行抑制効果の確認
■WEF技術開発株式会社について
WEF技術開発株式会社は、活性酸素種(AOS)を利用した水処理、廃棄物処理、乾燥・減容および資源循環技術を開発しています。α-Gaiaは、常温でAOSをシャワーリングすることで、有機物の細胞壁分解と低温乾燥を促進する装置です。琵琶湖の水草を含む未利用バイオマスの堆肥化・資源化に取り組んでいます。
■研究背景資料
・NASA Earth Observatory Sizing Up the Sargassum Belt
・FAO Seeking solutions to sargassum algae in the Caribbean
・Environmental Science and Pollution Research 漂着サルガッサムのヒ素等に関する研究
・Science of the Total Environment バイオ炭とヒ素・カドミウムのメタ分析
・Plants バイオ炭による土壌・植物系のヒ素管理に関する総説
・Ecotoxicology and Environmental Safety バイオ炭によるヒ素汚染土壌修復の総説
・Sustainability サルガッサムの農業利用に関する研究
■本リリースの結果について
本試験はWEF試験農場で行った予備的な比較試験です。区画数、株数、施用量、土壌条件等の詳細が揃った反復試験ではなく、作物・地域・年度を越えた効果を保証するものではありません。「5倍」「約3倍」は今回の観察値です。ヒ素分析結果の「0.01 mg/kg未満」は、ヒ素が存在しないことや、すべての栽培条件で安全であることを意味しません。
■会社概要
商号 : WEF技術開発株式会社
代表者 : 代表取締役 青山 章
所在地 : 滋賀県大津市堂1-19-15
設立 : 2016年7月
事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売
URL : https://aoyama-wefit.com
https://mgworld.aoyama-wefit.com (マグネシウムワールド)
情報提供元: @Press