中高生通学時1万人当たり事故件数ランキング(2025年)ワースト10


中高生の自転車事故加害者(第1当事者)割合ランキング(2025年)ワースト10


通学時の自転車事故の相手方


通学自転車事故時のヘルメット着用率

自転車の安全利用促進委員会は、2026年9月21日(月)から始まる「秋の全国交通安全運動」にあわせ、2025年中の全国都道府県別、中学生・高校生の通学時における自転車事故発生件数について調査・分析しました。本調査は、公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)から提供を受けた2025年(1月~12月)の事故データを、当委員会メンバーの古倉宗治(一般社団法人日本シェアサイクル協会 会長/NPO法人自転車政策・計画推進機構 理事長)が監修し調査・分析を行なっております。

2026年(令和8年)4月1日から、自転車にも「交通反則通告制度」(いわゆる青切符)が適用され、16歳以上の自転車運転者が制度の対象となりました。信号無視や携帯電話を使用しながらの運転など、自転車の交通違反について、一定の違反行為が取り締まりの対象となっています。こうした背景から、自転車通学をする中学生・高校生に対しても、交通ルールや安全な利用方法を身につけるための指導がこれまで以上に重要となっています。

自転車の安全利用促進委員会では、自転車の利用や安全に関する専門家が中心となり、安全・安心な利用のためのルールやマナー、安全な自転車の選び方などを啓発しています。また、教育関係者や学校と連携し、自転車通学指導セミナーの開催や意識・実態調査の実施などを通じて、理解と意識の向上を図っています。





【調査トピックス】

(1) 2025年都道府県別 通学時自転車事故件数ランキング

●全国の通学時の事故件数は微増

●中学生1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」、2位「徳島県」、3位「香川県」

●高校生1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」、2位「静岡県」、3位「愛知県」



(2) 2025年通学時自転車事故の加害者(第1当事者)率ランキング

●中高生ともに、約2割の学生は通学時自転車事故の加害者である

●中学生では、加害者(第1当事者)ワースト1位「栃木県」、2位「東京都」、3位「和歌山県」

●高校生では、加害者(第1当事者)ワースト1位「東京都」、2位「栃木県」、3位「兵庫県」

※全体の自転車事故件数が10件以下の県が、中学生10県、高校生1県あり、これらを除いて順位を出しています。

(これらの県は、件数が少なく、割合を比較するのに適当でないため)



(3) 通学時自転車事故の状況

●通学時自転車事故の相手方は中高生ともに8割強は自動車

●全国で通学自転車の事故時にヘルメット未着用の中学生は28.8%、高校生は83.8%

●高校生の通学自転車の事故時ヘルメット着用率トップは「愛媛県」の84.3%



(4) 通学時の事故発生場所

●中高生ともに交差点内が7割以上





【(1) 2025年都道府県別 通学時自転車事故件数ランキング】

●全国の通学時の事故件数は減少傾向

●中学生1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」、2位「徳島県」、3位「香川県」

●高校生1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」、2位「静岡県」、3位「愛知県」



2025年通学時の全国の事故件数は、前年に比べ中学生・高校生ともに微増傾向にあります。

〈全国の事故件数:【中学生2024年1,654件→2025年1,688件】、【高校生2024年6,843件→2025年7,081件】〉



都道府県別では、中学生の1万人当たりの通学時自転車事故件数ワースト3は、1位「群馬県」、2位「徳島県」、3位「香川県」です。高校生1万人当たりの自転車事故件数においては、ワースト3は、1位「群馬県」、2位「静岡県」、3位「愛知県」となりました。全国の総事故件数は、中学生・高校生のいずれも前年に比べ微増傾向にあります。自転車の安全利用促進委員会の本調査は、2025年で12年目を迎え、調査スタート以降、群馬県は高校生自転車事故12年連続ワースト1位となっています。

※中学生生徒数…文部科学省「学校基本調査」中学校、義務教育学校(7-9学年)、中等教育学校(前期)、特別支援学校(中学部)をもとに算出

※高校生生徒数…文部科学省「学校基本調査」高等学校本科、中等教育学校(後期)、特別支援学校(高等部)、高等専門学校(1-3年)をもとに算出



画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_1.jpg

中高生通学時1万人当たり事故件数ランキング(2025年)ワースト10



【(2) 2025年通学時自転車事故の加害者(第1当事者)率ランキング】

●中高生ともに、約2割の学生は通学時自転車事故の加害者である

●中学生では、加害者(第1当事者)ワースト1位「栃木県」、2位「東京都」、3位「和歌山県」

●高校生では、加害者(第1当事者)ワースト1位「東京都」、2位「栃木県」、3位「兵庫県」



通学時の自転車事故では、通学自転車が加害者となり死傷者を発生させるなど、悲惨な事故が過去に発生しています。通学時の中高生が加害者になった場合※の自転車事故について調査したところ、通学時において全体の約2割(中学生21.0%、高校生21.8%)が自転車側(=学生)の加害事故であることが分かりました。通学時は事故に遭う危険性だけでなく、事故を起こし死傷者を発生させてしまう危険性にも注意する必要があります。事故の加害者になった場合、多額の損害賠償が必要となるケースがあるほか、本人の将来の人生に影響を及ぼす場合もあります。都道府県別では、中学生のワースト3は、栃木県55.9%、東京都52.1%、和歌山県46.7%と、いずれも全国平均の21.0%を大幅に上回っています。

高校生のワースト3は、東京都55.3%、栃木県43.7%、兵庫県37.7%で、いずれも全国平均21.8%を上回っています。



※自転車が第1当事者(一当)の事故=自転車側が加害者の事故と定義した場合。第1当事者とは、事故当事者の中で一番過失が重い人を指す。

※全体の自転車事故件数が10件以下の県が、中学生10県、高校生1県あり、これらを除いて順位を出しています。

(これらの県は、件数が少なく、割合を比較するのに適当でないため)



画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_2.jpg

中高生の自転車事故加害者(第1当事者)割合ランキング(2025年)ワースト10



【(3) 通学時自転車事故の状況】

●通学時自転車事故の相手方は中高生ともに8割強は自動車

●全国で通学自転車の事故時にヘルメット未着用の中学生は28.8%、高校生は83.8%

●高校生の通学自転車の事故時ヘルメット着用率トップは「愛媛県」の84.3%



通学時の自転車事故の相手方は、ほとんどが自動車であり、これは事故の発生が通勤時間帯と重なっていることも一つの原因であると考えられます。出会い頭の自動車との衝突、接触には特に注意が必要です。

2023年4月よりヘルメット着用の努力義務化が始まりましたが、事故時の着用率は、全国的に、年齢的にも徹底しやすい中学生では高く70.3%、反して高校生では14.9%と極めて低く、約8割が未着用でした。中学校では着用が徹底されているのに対して、高校生ではより一層その着用の指導を徹底することが強く求められます。

高校生事故時のヘルメット着用率は、トップの愛媛県が84.3%、2位が大分県の77.8%、3位が山口県の69.2%となっており、これに対して最低は0%もあり、着用率の落差は全国的に大きい状況で、全国にわたり一層の着用の推進を図ることが求められます。



自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約6割が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを着用していなかった方の致死率(死傷者のうち死者の割合)は、着用者に比べ約2倍も高くなっていることがわかっています(警察庁)。頭部損傷、死亡事故を防ぐためにヘルメット着用の促進が急務となっています。



画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_3.jpg

通学時の自転車事故の相手方

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_4.jpg

通学自転車事故時のヘルメット着用率



【(4) 通学時の事故発生場所】

●中高生ともに交差点内が7割以上

交差点内の事故は、中学生71.1%、高校生70.1%と高い割合となっています。次いで歩車道分離の歩道が中学生12.9%、高校生14.8%、歩車道分離車道は中学生4.5%、高校生5.6%となっています。全国的に見ると、中高生とも、歩道が車道の2倍以上になっています。まず、交差点での信号や一時停止の遵守、安全確認の徹底等を指導し、歩道は事故の危険性が相当程度高いことを認識するとともに、歩道での無警戒・安易な運転を戒めることが必要です。



画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_5.jpg

事故発生場所 中学生

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事故発生場所 高校生



【2025年の通学時自転車事故調査・分析総評】

<監修> 古倉宗治(こくら むねはる)

自転車の安全利用促進委員会メンバー

一般社団法人日本シェアサイクル協会 会長/NPO法人自転車政策・計画推進機構 理事長



自転車の総合的体系的な利用促進策、データに基づく自転車の事故の詳細分析及び安全利用促進方策等、自転車に係る総合交通政策並びに、脱生活習慣病や脱炭素のまちづくり、コンパクトシティ、サイクルツーリズム、通勤、買物等のエビデンスデータに基づいたまちづくりの視点から自転車の活用のあり方を幅広く研究している。これら自転車まちづくりを都市計画・都市環境分野で、国・地方公共団体・民間に生かすべく活動している。長年にわたり、幅広い分野において国・地方公共団体の自転車利用促進に当たってきたことにより、国土交通大臣より令和6年度「自転車活用推進功績者」として表彰されている。



画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_7.jpg

古倉宗治



●2025年の全国の自転車の交通事故全体は、1975年以来、件数で最低、全交通事故に占める割合は最大

2025年の自転車事故件数は、全国で67,470件となり、前年の67,531件に比較し、61件、0.1%減少しました。この数値は、入手できた1975年以降の過去51年間のデータでは、自転車事故件数で最も少ない数値です。最近の自転車の交通事故件数の傾向を見ると、コロナ禍の2020年の67,673件を底にして、2023年の72,339件まで増加していましたが、2024年には一転して、1975年以来最低の件数となり、さらに、2025年にはさらにこれを更新する少ない件数となっています。自転車に関係する一連の道路交通法の改正などのルール対策や自転車走行空間の整備の進展の効果が現れているものと理解されます。



しかし、全交通事故に占める自転車事故の割合は、2016年を底にして上昇傾向にあり、2023年には23.49%と、1975年以来最大の割合になりました。2024年には23.26%とわずかに低下しましたが、2025年には23.51%と再び最大の割合となり、2016年18.20%以来、2024年を除き一貫して上昇してきており、割合としては1975年以来最高水準が続いていることになります。



この理由は、2016年までは自転車事故の件数の減少率が全体の事故の件数の減少率を上回って減少していましたが、2017年からは自転車の事故件数の減少率を大幅に上回るペースで全体の事故件数の減少率の方が大きくなり(2023年を除く)、自転車事故の全体に占める割合が相対的に増していること、また、自転車事故の件数が2021年から2023年に増加したこと等により、自転車事故の全交通事故に対する比重が高まっているのです。このような状況から、交通事故対策の中で自転車事故対策の比重が相対的に高まってきており、これに重点を置いた取り組みが求められております。



このため、安全対策の一層の強化拡充が図られ、ヘルメット着用の努力義務化、自転車の違反行為に対する反則金の適用措置(いわゆる青切符)等の対策が取られるようになっているのです。これらの対策に対応して一層的確な自転車の安全教育・啓発が求められます。



画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_8.jpg

警視庁交通局「令和6年中の交通事故の発生状況」等による



●中高生の通学時の自転車事故件数は全体が微減の中で微増

このような中で、中高生の通学時の自転車事故を見ますと、2025年の全国の事故件数で、中学生1,688件、高校生7,081件となっています。前年の中学生1,654件、同高校生6,843件に比較すると、中学生で34件 2.1%増加、高校生で238件 3.5%の増加となっています。2025年の全国の全自転車事故件数及び全交通事故件数が前年に比べて減少傾向にある中で、中高生の通学時の自転車事故件数が微増しており、中高生の通学時の自転車事故に焦点を当てた対策が求められます。



●全体の事故と中高生の事故の比較と特徴・対策の在り方

このような傾向に対して、中高生の通学時の自転車事故の状況について得られている次のような事故データから、その特徴を捉え、どのような点に注目して対策を考えることがよいかについて、次に述べます。



画像9: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_9.jpg

自転車事故に係るデータの比較(中高生及び全体)



(1) 自転車事故の1万人当たりの件数は高校生が群を抜いて多い

全体の件数に対して高校生の件数は4.2倍(23.79件/5.73件)となっており、さらに、中高生を比較した事故の比率は、高校生が中学生の4.5倍(23.79件/5.30件)となっており、自転車事故対策はより高校生に重点を置いて対策を講ずる必要があります。一般的に高校生の自転車通学は、通学範囲が広く公共交通で通学できる人が限られ、中学生よりも自転車通学の人数が多く、かつ、通学距離も長くなる傾向にあると思われ、その結果、自転車事故の件数が多くなることが想定されます。しかし、もともと高校生は自転車事故そのものが多いことも事実ですので、これに対して、ネットワーク計画上での通学路の環境整備とともに、安全教育啓発を重点的に取り組む必要があります。



(2) 自転車事故の相手方の「自動車」は、全体よりも中高生がかなり高い割合

自転車事故は自動車との事故が多く、全体の72%の割合ですが、中高生はもっと高く、高校生が81%、中学生が83%であるため、中高生に対して、自動車の動静に対する注意を促すことはもちろんのこと、通勤途中の自動車の運転者に対し、自転車通学中の中高生に対する暖かいきめ細かい配慮を呼びかけることが必要です。



(3) 加害率(一当率)は、中高生も2割強程度ある一方、「相手方」(8割以上が自動車)も8割近くと高い

中高生は2割強くらいであるが、特に自動車を中心とした相手方にも、通勤途上での中高生の自転車通学に対する配慮を含めた責任ある運転を呼び掛け、自動車運転者が自転車に対し加害者にならないように啓発する必要があります。一当率(加害率)が高いところは、栃木、東京、兵庫、和歌山などであり、自転車側が半分程度を超えるところもあるなど高い傾向にあります。特に、これらの加害率が高い都県では、自転車を運転する際に、責任意識の醸成を図る必要があり、自転車が日常の移動を担う重要な役割を果たす移動手段としての車両であることの認識を十分に持ってもらうよう啓発するとともに、事故の場合の重大な責任を負う必要があることをしっかりと理解するように教育することが求められます。



(4) 法令違反率は、「相手方」が95%程度と極めて高いが、中高生側も7割以上と高率

自転車を運転する場合は、法令を遵守することは当然ですが、自転車事故の際の自転車側の違反率が半分以上のところが、中高生とも全都道府県の4分の3以上(中学生37都道府県、高校生36都道府県)に上り、ルール教育が徹底されていないことが明らかです。これとともに、相手方の法令違反率の9割以上の都道府県が90%以上(中学生43道府県、高校生41道府県)ですので、相手方(自動車)と中高生の双方に対する徹底したルールの教育啓発が必要です。特に、自動車との事故では、自転車側の無傷率は0.4%に対して、四輪車側の無傷率99.9%と、ほとんど自転車側が死傷しています。

このような自転車側の死傷の割合が極端に高いことを双方が理解するとともにその事故原因になっている法令違反を中心にしてしっかりと教育し、緊張感をもって運転するように指導啓発する必要があります。



(5) 事故の人的要因(ミス)は全体よりも中高生に高い割合で存在し、発見の遅れが高い割合

人的要因(ミス)は、中高生に7割以上の高い割合で存在し、全体よりも高い。その中で最大のミスとしての発見の遅れや見落としである認知ミスの例としては、スマホを見ていたり、友達との会話に夢中になるなどのために前方を見ていないなどのミスが生じたものと考えられます。また、状況を認知していたが、来ないだろう、止まってくれるだろうなどの判断ミスもかなりあります。具体的なミスの内容を学習し、事故防止につなげることが必要です。なお、ハンドルがふらついたなどの操作ミスは全体よりも低く、認知ミスや判断ミスを中心とした学習啓発が求められます。



(6) 事故発生場所で交差点の割合は、中高生の方が全体よりも高い

自転車事故の発生場所は、交差点がかなり高い割合で、しかも、中高生の方が全体よりも高い割合になっています。交差点での事故は出会い頭の事故が多く、その特性上発見の遅れや見落としなど認知ミスによるものが多いと考えられます。交差点対策を中心にルールやミス等の学習を実施すること、特に、これらを加味した信号遵守、一時停止励行など交差点の安全運転対策の重点的な実施・指導が求められます。



なお、歩道の方が車道よりも2.6~2.8倍自転車事故の件数が多いので、「車道が原則、左側を通行」及び「歩道は例外、歩行者を優先」のルール(自転車安全利用五則)や歩道通行に際しては徐行・車道寄りの通行を徹底する必要があります。この場合の歩道上の事故では、自転車が歩行者に対して加害者となることがほとんどです(2025年の中高生を含めた全自転車事故のうち対歩行者との事故で歩道上が1,523件で、その中で自転車側が加害者(第1当事者)であるものは1,520件 99.8%、歩道を含めた全体では同3,269件中3,247件 99.3%)。歩行者との事故割合が高い都道府県では、特に自転車が徐行・車道寄り通行等の法令を遵守するとともに歩行者に対して優しい運転をするように指導を徹底し、歩行者との事故を防止する必要があります。



画像10: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_10.jpg

自転車事故の相手方(歩道上)全国全体

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歩道上の自転車とクルマの事故類型全国全体



中高生を含めた全事故について、歩車道分離区間の歩道上の自転車事故は10,087件あり、同区間の車道では6,033件となっていますので、歩道がある区間での歩道での事故は車道での事故の1.7倍となっており、歩道での事故の方が多いことに注意する必要があります。さらに、歩道では、自動車との事故が最も多く、5,506件発生しており(上の表の合計欄)歩道事故全体の55%を占めています。その事故類型は、出会い頭が6割(上表)もあり、歩道を通行する際には、自動車との出会い頭事故に特に注意する必要があります。

また、歩道と車道の分離区間での自動車との事故件数は、歩道が5,506件あるのに対して、車道は4,148件となっており、車道と歩道の事故が対比できる歩道と車道の分離区間の自動車との事故でも、車道よりも歩道の方が事故件数が多い状態が2016年以来継続しています。車道で自動車が怖いからと言って、安易に歩道に上がり、ルールを遵守しないで、無警戒で走行すると自動車との事故に遭遇する可能性が車道よりも高く、この面からも、歩道での通行も安全確認を怠らず、徐行と車道寄りの通行を徹底する必要があります。



また、上記で述べたように、歩道上での事故時の歩行者に対する安全確保がほとんどなされておらず、無責任な運転がなされていることがわかります。歩道通行の場合の徹底した歩行者優先を指導啓発する必要があります。

また、これらの場合に、自転車は単なる車両ではなく、地球環境にやさしく、健康を増進し医療費の削減等で重要な社会に貢献している移動手段であることの認識を持ってもらう指導が大切です。この重要な役割を持った移動手段である車両を運転しているということを十分に自覚し、軽い気持ちでルールを軽く考えたり、また、自転車をいい加減な態度で運転せず、責任ある態度でルールを遵守して運転するように指導しましょう。



(7) 高校生のヘルメットの着用率は極めて低い

中学生は着用率が7割と極めて高く、指導が徹底されていることがうかがえますが、高校生は15%程度と極めて低く、高校生にも中学生を模範とするようにしてもらう必要があります。

ヘルメットは、自転車の死亡事故の際の頭部外傷が多いことから、致命傷になるのを防ぐという重要な役割を果たします。努力義務であり、罰則がないといっても、非着用の場合は事故の際のいい加減な運転態度や過失を問われたりし、ヘルメットを着用しないで死傷した場合も損害賠償額も減額される可能性もあります。



中高生のみならず、大人から率先して、本人たちに対する啓発とともに、大人がもっと模範を示して推進する必要があります。自らヘルメットの着用を推進することで、ヘルメットの着用が社会全体で定着し習慣化されるようにしなければなりません。大人を中心として全体の底上げを図る必要があり、非着用が逆に目立って恥ずかしいように感じさせる自転車走行感覚の醸成を図る必要があります。このためには、非着用の場合の事故の死亡率が極めて高いことなどとともに、着用することがルール遵守の象徴として他の交通主体からの積極的な評価を受けるという雰囲気の形成が必要です。



事故時のヘルメット着用率は地域の走行時の着用の実態を如実に反映していると考えられます※。中学生の事故時の着用率は2022年の67.6%から2023年70.9%、2024年70.9%、2025年70.3%、高校生の着用率は2022年7.8%から2023年10.8%、2024年12.8%、2025年14.9%と少しずつ改善してきています。中学生の着用率が5割以上のところは39県(2024年40県)で、それ未満が8都道府県あります。また、高校生は愛媛県84.3%(2024年91.7%)と大分県77.8%(2024年83.6%)、山口県69.2%(2024年56.0%)が5割以上ですが、その他の44都道府県では5割を切っており、1割未満のところが23都道府県もあり、全体的に極めて低い着用率が目立ちます。



全年齢での自転車事故時の着用率は13.0%(2024年14.6%)で、前年より少し低くなっており、低水準が続いています。上記のように大人から率先垂範して着用を進めるには、この全年齢の着用の割合を高くする必要があります。自転車事故が発生した場合の自転車運転者の重傷・死亡の場合に、ヘルメットを着用して離脱しなかった割合は、全体で13.0%、高校生で11.3%と圧倒的に着用されていなかった(離脱も含め)のに対して、中学生では62.8%と高く、多くがヘルメットで危険の程度が減少し救われたかもしれません。このようなヘルメット着用の効果を街頭広告や情報媒体等の様々な場面で広報啓発が求められます。



また、昨今では自転車保険の義務を課している地方公共団体も多くなってきています。自転車という車両を運転する者の責任として、加害者になってしまったときのリスクに備え、相手方の損害を適切に保障するため、自分が自転車保険に入っているか、保障内容は十分か、いま一度確認するようにしましょう。



ヘルメット着用と保険加入は、事故が起こった時いずれも身体的または経済的に自分を守り、支えることになり、極めて重要ですので、率先して着用および加入をするようにしてください。



※自転車事故におけるヘルメット着用の有無は、街頭調査よりも、走行の際に生じた事故が現実を反映しており、実態に基づいた着用状況が分かります。すなわち、ヘルメットは必ずしも街頭調査が実施されている自転車走行量が多い駅前や繁華街などでのみ着用されているわけではなく、事故が起こる現実の走行場所等での着用の有無が実態に近いと考えられます。また、アンケート調査の回答よりは現実の実態を反映していると考えられます。また、自転車利用者の属性(中学生や高校生等)は街頭調査では正確には分かりません。特に、中高生に焦点を当てて考察する場合は、事故の全数把握ができている中高生の属性データとともに着用の分析に活用でき、より現実的な方法であると考えられます。



●点検について

3年間ほぼ毎日走る通学自転車は、1年間で日本縦断できるほどの走行距離になるとも言われています。事故を防ぐための車両点検と安全性確認を定期的に必ず行いましょう。直接の事故原因になったものは、中学生では全国で2件、高校生では11件ですが、全体では160件もあり、思わぬ事故に巻き込まれる可能性もあり、いざという時に自転車が制御できないこともあります。また、自転車が早期に乗れなくなるケースや運転がスムーズにできないケースなどもあります。自転車の安全利用促進委員会のホームページの「定期メンテナンス」などを参照して行ってください。

神奈川県茅ヶ崎市で、自転車店の方々が学校に出向いて、約2,900台の自転車を点検したところ、整備が良好であったのはわずか34.3%で、ブレーキに整備不良があるものは44.6%など、何らかの整備不良が見つかったものが65.7%もあったということです。自転車事故を防ぐための車両点検と安全性確認は、見落とされがちなポイントですが大変重要です。粗悪な製品の場合、いくら修理をしても次々に不具合が出るケースも見受けられ、「自転車そのものの安全性」は事故を防ぐだけでなく、安全な自転車利用の基盤です。購入時には、耐久性や強度などの安全基準をクリアした「BAAマーク」(※)を目印にしましょう。



※≪BAAマーク≫

BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。



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BAAマーク

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BAAマーク2



●47都道府県別 中学生・高校生の1万人当たりの自転車事故件数ランキング(2025年)



画像14: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_14.jpg

中学生の通学時1万人当たり事故件数ランキング(2025年)

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高校生の通学時1万人当たり事故件数ランキング(2025年)



●47都道府県別 中学生・高校生の自転車事故 加害者(第1当事者)割合ランキング(2025年)



画像16: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_16.jpg

中学生の自転車事故加害者(第1当事者)割合ランキング(2025年)

画像17: https://www.atpress.ne.jp/releases/630576/LL_img_630576_17.jpg

高校生の自転車事故加害者(第1当事者)割合ランキング(2025年)



≪自転車の安全利用促進委員会≫

自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送っていただくため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。

http://jitensha-anzen.com/

情報提供元: @Press