【「第30回国際個別化医療学会学術集会」テーマ】 <次世代の予防医療―Thrive, not just survive> 我が国では、65歳以上の人口が3割を占め、超高齢社会の進行が加速しており、「健康寿命の延伸」が喫緊の重要課題です。解決に不可欠である「予防医療」は、従来の一次、二次、三次予防に加え、0次(出生前)を含めた疾患リスク評価、予防策や健康管理支援などの研究領域が拡大し、まさに進化の時代を迎えています。 さらに、近年進展している医療アプローチ「個別化予防」は、個人の遺伝情報や生活習慣、環境要因などの情報を考慮して、一人ひとりに最適化された予防戦略を立てることを可能にしています。「個別化予防」は、従来の画一的な予防策ではなく、個々人の特性に合わせた予防を行うことで、より効果的な健康管理を目指すものです。人が病気になる前に介入し、QOL(生活の質)を向上させ、より輝く人生を実現するための基盤として、今後ますます重要になると考えられます。
*Thrive, not just survive(生き抜くだけでなく、輝いて生きる) 個別化医療を語る上で欠かせない「患者中心主義の医療」という視点があります。人は、たとえ病気に罹患し治療後に回復したとしても、その後の人生は続いていきます。「生き抜くだけではなく、人生を輝いて生きる」一人ひとりのために、個別化医療が果たすべき役割は大変重要です。