採取口を取り付ける生産者

世界のメープルシロップの約7割を生産するケベック・メープルシロップ生産者協会(QMSP 所在地：カナダ ケベック州 会長：Luc Goulet リュック・ゴーレ)は、2025年春の収穫の総重量が2億2,500万ポンド(約102,000トン)に達し、金額にして約7億5,000万カナダドル(826億5000万円＊)相当にのぼったと発表しました。これは、史上最高を記録した昨年の2億3,900万ポンド(約108,409トン)に次ぐ収穫量です。さらに、QMSPはメープル製品への高まる需要に応えるため、今年さらにメープルシロップの原料となるカエデの樹液を採取する採取口を新たに700万設置する計画を決定しました。
＊1カナドル＝115円として

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/440883/LL_img_440883_1.jpg
採取口を取り付ける生産者

QMSP会長のリュック・ゴーレは、「素晴らしい収穫量でした。しかし、世界的に高まるメープル製品への需要に応えるため、将来に備えて今は、さらに歩を進める時です」と語ります。そこで当協会は、今年中に、700万の新規採取口の設置を許可することを決定しました。これにより、年間平均で2,500万ポンド(約11,000トン)の増産が見込まれ、グローバルな需要に応える体制をさらに強化します。今回の採取口の新規設置計画は、新規参入や事業拡大を目指す生産者に割り当てられ、今後3年間で生産体制に組み込まれる予定です。この700万の採取口追加策は、2021年および2023年にも実施されており、5年間で50％の増加に相当します。


■メープルを絶やさないために――「戦略的備蓄」と将来への投資
メープルシロップは自然に左右される農産品であるため、QMSPは不作年に備えた「世界戦略的メープルシロップ備蓄制度」を運用しています。しかし現在、その備蓄量は約4,000万ポンド(約18,000トン)とやや少なめの状況。QMSPでは今後の販売の見通しや国際的な貿易情勢を踏まえ、今期の豊作でも現行需要をぎりぎり満たす程度であると予測。今回の採取口新設計画は、そうした供給不安を回避するための戦略的判断によるものです。


■持続可能な森とともに――5万ヘクタールのメープル樹林を公有林に整備へ
さらに、QMSPはケベック州政府との合意に基づき、今後20年をかけて5万ヘクタールの公有林に「ダイナミック・バンク(将来の需要に備えた機動的なメープル樹林の備蓄地)」を整備する計画です。この取り組みは、サステナブルな収穫を支える基盤となり、将来的な安定供給への道筋を描いています。


■「Maple from Canada」ブランド―日本の食卓にも、確かな品質とストーリーを
ケベック・メープルシロップ生産者協会(QMSP)は、1万3,500人の生産者と8,400のメープル関連企業を代表し、「Maple from Canada」ブランドのもと、70カ国以上へ品質と誇りを届けています。
パンケーキやワッフルだけでなく、和食やスイーツ、ドリンクにも幅広く活用されているメープルシロップ。気候変動や供給不安のなかでも、その魅力を途切れさせないための取り組みを、今日も着々と進めています。

ケベック・メープルシロップ生産者協会
https://maplefromcanada.jp/
情報提供元： ＠Press