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株式会社リベラル社(名古屋市中区・代表取締役社長:隅田直樹)は、『スマホを手放せない子どもたち』(中山秀紀 著/990円税込/リベラル新書)を2024年5月23日に全国の書店・オンライン書店で発売いたしました。

子どもがスマホを肌身離さず四六時中いじっている、夜中遅くまでゲームやSNSに夢中で朝起きられない……いつの間にか子どもが「スマホ依存」になっているケースが増えています。「スマホ依存」は「アルコール依存」や「ギャンブル依存」に匹敵する深刻な病気です。本書は、その実態を理解し、症状が悪化する前に適切な対応を取るためのガイドブックです。

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『スマホを手放せない子どもたち』
https://liberalsya.com/rs08_sumaho/

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令和4年の調査によると、自分専用のスマホを持っている割合は、小学生高学年で約5割、中学生で約8割、高校生はほぼ100%だそうです。いまや日常生活に不可欠となったスマホですが、便利な反面、さまざまな弊害も出てきました。就寝時間の遅延による学力の低下や不登校、ゲーム等への多額の課金、視力の低下や睡眠障害、さらには不安症状やうつの発症まで、心身への深刻な影響が報告されています。
では、家庭内のルールはどうつくればいいのか?ルールを守らない子どもへの接し方は?症状が悪化した場合は誰に相談すればよいのか?本書は、依存症の専門医として実績を持つ著者が、スマホ依存の実態を最新の情報をもとに解説(著者が治療に当たった子どもたちのリアルなケースも詳述)、そのうえで依存を予防するための有効な対策を紹介します。


■■本文の抜粋■■

意見の一致しているところからアプローチ

スマホに依存している子どもたちに向かって、家族がいきなり「スマホをやめろ」「スマホ時間を減らせ」と迫っても、子どもたちの抵抗が強くなってしまい、徒労に終わることが多いようです。またそれが一因となって家族関係が悪化すると、さらにそれが子どもたちにとってのストレス因となり、ますますスマホの依存度が高くなる可能性があります。
子どもたちが「スマホをやめたい」「スマホの時間を減らしたい」と強く考えていると、このアプローチでもうまくいく場合もあると思いますが、そうは思っていない場合も多いのです。
もしくは、子どもたちはスマホ時間を減らしたいと思っていても、思春期以降では、そのために親から何らかの制約を受けたり、強制されたりということには抵抗しがちです。
スマホの使用をどうするかという点において、使用を減らしたい(やめたい)家族と、減らしたい、もしくは減らすために家族から何らかの制約や強制を受けるべきとは考えていない子どもたちの意見は、相違してしまうことが多いのです。
しかし、子どもたちは何も考えずに、ひたすらスマホに没頭しているのかというとそうではなく、内心では「学校に行けたらよい」「○○高校に行きたい」「単位をとって高校を卒業したい」「将来○○をしたい」などの目標や希望を持っていることがほとんどです。そして、これらの子どもの目標や希望を応援したいと思っている親も多いはずです。
もちろんこれらの目標や希望を達成するためには、スマホの使用法を変えることが重要です。そのためには、意見が相違しているところよりも、意見が一致しているところを議論の中心に持ってきたほうが建設的です。親たちは「スマホをどうする」ということで子どもとかみ合わない議論をするより、子どもたちの目標や希望を達成するためにはどうするのか、ということを議論し、今後の方向性を模索していくほうがよいと思います。

アルバイトや家事がお勧め

高校生以降の年齢の人にお勧めなのはアルバイトです。朝起きることができない人であっても、昼以降や夕方の時間でもできますし、何よりも1カ月ほど働くと、何万円かもらうことができます。高校生にとっては2~3万円でも大金です。さらにアルバイト先でのコミュニケーションは、学校よりも単純なことがほとんどです。
高校生(世代)はアルバイト先では一番下でしょうから、基本的に上司の指示することを聞くだけです。仕事に行ってお金をもらうのが目的なので、休み時間に絶対に会話に混ざらなければいけないということもないでしょう。コミュニケーションに多少苦手感のあるような子どもたちでも問題のない職場は多いものです。
仕事内容も、高校などで習う難解な方程式や、長くややこしい英文に比べたら単純なことがほとんどなので、まったく理解できないことも少ないでしょう。アルバイト先の先輩の話は、(年の離れた)親の説教よりも耳に入ってくることが多いものです。今後の人生の方向付けに影響を与えることもあるといいます。アルバイトは、学業よりもよほど即時的な成功体験や報酬が得やすく、リアルの世界での自信や貴重な経験につながりやすいので、お勧めです。
とくに、スマホに依存的になって学校にほとんど行かないような状態が続いているような場合には、親から、アルバイトをして自分のお小遣いは自分で賄うことや、ゲーム機器などを自分で購入するように勧めるとよいかもしれません、
中学生以下の年齢の子どもや、高校生以降の年齢の人でアルバイトに向かない場合には、家事をしてもらうことがお勧めです。
ここで重要なのは、報酬の与え方です。報酬は、親からの感謝の言葉でもよいのですが、やはり目に見えて数字に表れるもの(要するにお金)のほうがより効果的でしょう。報酬(お金)も、家事の対価として見える形である必要があります。何となく家の掃除をしてくれるから、ひと月に5000円というようなスタイルだと、いつのまにかその5000円は単にお小遣いの意味合いになってしまうことがあります。親にとって面倒でも、ふろ掃除1回につき〇円、買い物1回につき△円、夕食の手伝い×円のように細かく設定したほうがよりよいと思います。家事をして支えてくれる人がいるから、家族は外で仕事をして稼いでくることができるのです。家事には間接的な社会参加の意味合いがあります。十分なねぎらいの言葉も必要でしょう。

外の世界に触れさせる機会をつくる

スマホの依存が悪化すると、ひきこもり状態となり、ときどき夕方や夜にコンビニに行くぐらいで、ほとんど外出しなくなってしまうことがあります。これは、学校に行っていないのに外出すると、同級生に出くわしたときに何かいわれるのではないかとか、近所の人の目が気になるので外出できないといった場合もありますし、とくに外出の用事がないので出ないという場合もあります。
親としては、できるだけ家の外に触れる機会をつくったほうがよいと考えられます。外食、サイクリング、スポーツ、ドライブ、買い物、釣り、旅行など何でもよいと思います。外に出ているあいだ、ずっとスマホを触っていて、一見まったく意味がないように見えるかもしれません。しかし、少しは外の景色を見るでしょうし、外の世界の雰囲気に触れることができます。
とくにお勧めなのが、一緒に買い物に行くことです。自家用車がある場合には、子どもたちにとって、家から遠いところにあるスーパーなどのほうが行きやすいかもしれません(同級生や近所の人に会いにくいので)。スーパーでは、季節の野菜が何なのか、食品などの物の値段が肌でわかります(勉強になります)し、働いている人も多く見かけます。アルバイト募集などの貼り紙があるかもしれません。自分の好きな食べ物や飲み物を買う機会にもなりますし、広いスーパーを歩けば運動にもなります。重い荷物を持てば、家族のために役に立ったという意識も生まれるかもしれません。

家庭内のルールにはどのようなものがあるのか

家庭内で、子どもたちのスマホやインターネット、ゲームの使用に関するルールをつくることは、広く推奨されています。ルールの種類は主に、
(1)スマホを利用できる時間(時刻)の制限
(2)スマホで利用できるコンテンツやアプリを制限
(3)スマホを利用できる場所の制限
(4)課金などの利用できる金額の制限
(5)書き込み(内容など)に関するルール
(6)連絡やコミュニケーションの相手に関するルール
などがあろうかと思います。
時間(時刻)に関するルールでよく問題になりやすいのが、「ゲームが途中だったのに、ルールだから途中でやめなくてはならない」とか、「友だちと話が盛り上がっていたのに、途中でやめなくてはならない」といったものです。子どもには、どうしても途中でやめたくないときがあるのです。
子どもたちが時間制限のことを考慮して使えばよいのですが、夢中になっていると、なかなかそれができません。5~10分程度の余裕をもってルール作りをしたほうがよいと思われます(たとえば、本来は90分までだけど、どうしても使いたいのであれば、プラス5分は使ってもよいなど)。

家庭内のルールをどう設定したらよいのか

ルールを設定するときのいくつかの原則としては、
(1) どの子どももスマホに依存になる可能性があることを考慮する
(2) ルールは、最初は厳しめ、次第に緩和していく方向で
(3) 子どももルールの存在やその内容を認識・納得してもらう
(4) ルールはある程度細かく設定
です。


■■本書の主な内容■■
第1章 スマホに圧迫されつつある子どもたち
第2章 子どもたちのスマホ依存とは
第3章 スマホ依存の悪影響と合併する問題点
第4章 スマホ依存の実情
第5章 スマホ依存からの回復
第6章 スマホ依存を予防するための対策
第7章 スマホ依存の過去と未来


■本書について
タイトル: スマホを手放せない子どもたち
著者 : 中山秀紀
定価 : 990円(税込)
仕様 : 新書判/232ページ
発行 : リベラル社
発売日 : 2024年5月23日
URL : https://liberalsya.com/rs08_sumaho/
情報提供元: @Press