サミュエル・D・ハンター作「A Bright New Boise」の初演は、2010年にNYのワイルドプロジェクト劇場にて、パーシャル・コンフォート・プロダクションによって制作されました。作品は話題を呼び、翌年にはアメリカでトニー賞に次いで権威のある、オビー賞(Off-Broadway Theater Awards)最優秀脚本賞を受賞しました。 2023年にはNYのシグネチャー・シアター・カンパニーによって、本作のリバイバル上演が制作されました。実際に現地で観劇していた翻訳・演出家の下平慶祐は、「この作品を日本で上演したい」と衝動的に思い立ち、本公演の上演にいたりました。また、昨年はハンターの戯曲を映画化した『ザ・ホエール』が日本でも公開され、主演のブレンダン・フレイザーが第95回アカデミー賞主演男優賞に輝き、大きな話題となりました。
NYでの初演から14年の時を経て、本作は日本で初めての上演となります。
■「A Bright New Boise」について 舞台はアイダホ州の州都ボイシーにある大手スーパーマーケットチェーン店“ホビー・ロビー”。それぞれの事情を抱えながら働く従業員たちの中に、新たにこの街にやって来たウィルが新規雇用をされるところから物語は始まります。小さな街で慎ましく生きる労働者たちにスポットを当て、“生きていく”ということの探究を哲学的に描いた本作は、『ザ・ホエール』と並び、ハンター初期の代表作と言えます。